学科?コース紹介
入試情報
就職?編入?資格
研修?留学
キャンパスライフ
学院について
荒川慶さん
株式会社オフィス?ブラウ
「サンデースポーツ」「サタデーウォッチ9」ディレクター
NHK報道局スポーツセンター(スポーツ情報番組部)
神田外語学院 国際ガイド科(現 国際観光科) 1993年卒業
---インタビュー概要---
?番組制作の現場に20年。常に新しいことの連続
?学生時代よりも必死に勉強したニューヨーク駐在経験
?外国人教員から学んだコミュニケーションのコツ
NHKのスポーツセンターでディレクターとして番組制作をしています。私は神田外語学院卒業後、進学関連の広告代理業を経て、番組制作会社に就職、NHKに出向してスポーツ番組を制作しています。朝の情報番組でスタジオを仕切るフロアディレクターとして3年ほど経験を積み、その後スポーツセンターに異動して、「サンデースポーツ」でその日のニュースや、企画制作に携わっています。私自身も学生時代はサッカーに打ち込んでおり、もともとスポーツが好きだったというのもあって現在の現場に呼んでもらいました。
最初は海外サッカーの担当でした。番組制作ではまず、取り上げたいネタを自分で探してリサーチし、企画書を作ってプロデューサーに提案します。もちろん企画書は何でも通るわけではなく、「こういうところが足りないからもう一度勉強してこい」と差し戻されたり、ボツになったりすることも少なくありません。企画が採用されれば台本を作り、ロケに出て取材をします。撮ってほしい場面を考えてカメラマンに伝えたり、ロケの段取りを考えて機材の用意を指示したりと、演出的?技術的なディレクションも欠かせません。取材が終わると、編集担当者と一緒に素材をまとめ、実際に放送に出す番組パッケージを作るというのが一連の流れです。
20年以上この仕事を続けていますが、取材ごとにシチュエーションが違い、常に新しいことが起きるので飽きることはありません。取材相手が来なかったり、取材OKだったはずが「やはりダメになりました」と当日に言われたりすることもあります。テーマを変えて取材するのか、どうにか似たような演出を考えるのか、その場で判断して取り組むのが大変なところでもあり、面白いところでもあります。
メジャーリーグ中継の仕事で1年ほどニューヨークに行ったこともあります。オフシーズンは仕事がなくなってしまうため、現地のトレンドを特集する企画を他局で担当することになりました。デイリーのコーナーなので、ネタは毎日見つけてこなければいけません。英語は神田外語学院で学んでいましたが、それでも実践力が足りないと痛感したのはその時でした。学生時代以上に必死に勉強して、どうにか新聞などからネタを探して、とにかく電話をかけてリサーチして、必死に企画を通して番組を作っていました。
ネタを探す、それを採用してもらう、番組を面白おかしく作る。ディレクターとして、それらが全てできなければ通用しません。提案が通っても面白くなければ意味がない。面白い企画でも実際に作れなければ意味がない。提案した以上に魅力をつけなければいけません。英語がわからなくてもやらないといけない。それを勉強できたニューヨーク時代はいい思い出です。
英語はもちろんですが、神田外語学院ではうまくコミュニケーションをとるための人との接し方も学びました。外国人の先生が学生を楽しませようとジョークを言って、授業に引き込もうとしてくれたのです。私も取材をするときに、初対面の人といきなりロケをする時があります。そういう時に雰囲気がカチコチのままでは面白いインタビューはできません。そういう時に笑わせたり、雰囲気を和らげたりする方法というのは、神田外語学院の先生から学んだ気がします。
学生時代の私は、アメリカで映画監督になりたいという野望がありました。中学生の頃から自分で脚本を書き、自分で主役をやって文化祭で披露したりしていました。しかし、英語でアメリカ人と対等にコミュニケーションを取る自信が沸いてこずに断念、知人が今の制作会社を紹介してくれたのがこの業界に飛び込んだきっかけでした。妥協ではありませんが、番組作りができるならいいなと考えたのです。
とはいえ、学生時代はもっと死ぬ気で努力するべきだったという後悔もあります。「ここまでやったぞ」と言えるくらい頑張っていれば、ニューヨークで英語に苦労することもなかったかもしれません。今、学生の皆さんも、後悔のないように全力で何かに打ち込んでほしいと思います。全力で頑張って、全力で楽しんでほしいですね。私も語学をまだまだ磨きたいと思っています。英語は武器として一生付き合っていくつもりです。
私が書いた本が3月末に出版されました
「運命のタックル」(幻冬舎刊)というタイトルで、大学ラグビーの試合中に実際に起きた悲劇を題材にしたものです。
タックルをされた選手は頸椎損傷で胸から下が動かなくなり、タックルをした選手は試合の2週間後にがんが見つかりました。
驚いたことに、お二人は高校の時から面識がある親友だったというのですから「事実は小説よりも奇なり」です。
去年NHK「サンデースポーツ」の中で企画として放送されましたが、限られた時間の中では全て伝えきる事が出来なかったため、書籍化させていただきました。
お二人の壮絶な生き様を多くの方に知っていただきたいです。