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神田外語学院にて吉川 元偉(よしかわ もとひで)元 国際連合日本政府代表部特命全権大使が「国際社会へ出て行こう」をテーマにした講演会を行いました。
吉川元大使は42年間にわたり、国連大使や駐スペイン大使などを務め、国際社会の第一線にてご活躍をされた方であり、また本学?神田外語学院の姉妹校である新皇冠体育のグローバル?コミュニケーション研究所の客員教授も務めている方です。
吉川 元偉氏経歴
1951年、奈良県生まれ。国際基督教大学教養学部社会学科を卒業後、1974年に外務省に入省。国際連合日本政府代表部特命全権大使?常駐代表、在スペイン日本国大使館特命全権大使、初代アフガニスタン?パキスタン支援担当大使、経済協力開発機構(OECD)日本政府代表部特命全権大使等を歴任。英、仏、西3カ国語に堪能。現在、新皇冠体育グローバル?コミュニケーション研究所客員教授。 |
国際連合の安全保障理事会など、さまざまな場面にて英語を駆使して活躍された吉川元大使、その若いころにされていた英語学習法をご紹介いただきました。
まず英語習得にあたって英文法学習と英会話練習のどちらが大事か、という問いに対して元大使は明快にそれは英会話だと答えました。高校生のころ、アメリカ?イリノイ州に留学をされた際にも、事前に英文の丸暗記と洋書速読を徹底的に行い、そして一言覚えたらすぐそれを口に出すという練習を繰り返したことで英語を習得されたそうです。
英語以外にも堪能なスペイン語やフランス語も同じ方法でマスターされ、フランスのサン=テグジュペリ『星の王子さま』は暗唱できるほどまで読み込んだとのこと。元大使は学生たちに「上手になってから喋る、ではいつまで経っても上手になれない。失敗を恐れずにどんどん喋ってほしい」とアドバイスを送られました。
続いて元大使はご自身の経歴を振り返りながら、外交官になられた経緯などを紹介してくださりました。きっかけは留学生時代に「あなたは将来何をしたいのか?」と聞かれたことから、ご自身の中で「自分は一体何がしたいのだろう」を考え抜き、そのたどり着いた答えが外交官だったそうです。外務省に入省後は実に多忙な日々を送ったそうですが、ご自身の夢を叶えたということで、忙しくとも苦ではなかったそうです。
会場には外務省在外公館派遣員試験に合格し、2020年3月から在ヨルダン日本国大使館に派遣される学生もいましたので、元大使は学生たちに「派遣される人は与えられた任地を、企業に勤める方は仕事を、それぞれ好きになってほしい」「立派な国際人になるにはまず立派な日本人になること。そして立派な日本人になるには国際的なマインドが必要。これを忘れないでほしい」というメッセージを送りました。
※外務省在外公館派遣員とは、日本の大使館?総領事館などで主に外交の後方支援業務を行う人のことです。外務省の委託を受けた国際交流サービス協会が実施運営しており、選抜試験に合格することで世界各国に派遣されます。そして新皇冠体育?学院からは2020年1月現在、73ヵ国に168名が合格し、在学中に学んだ語学力と異文化コミュニケーション能力を使って外交のサポート役として重要な業務を担っています。 |
講演の後、学生たちからは「外国の方とつきあっていくうえで大切なことは何ですか?」「英語を勉強する上でモチベーションを維持するにはどうしたらいいですか?」などと次々に質問が寄せられました。
これらに対して元大使はユーモアを交えながら、「語学力はもちろんですが、相手の文化を知っておくことが大切です。たとえば食文化であるとか祝祭日とかですね。お会いした際にあらかじめ知っておくと、コミュニケーションがとても円滑になります」「やる気を維持するのには、やはり『自分は一体何がしたいのか』という問いに戻っていくのだと思います。これを忘れずにいるようにしてください」などと丁寧にお答えいただきました。
会場につめかけた学生たちは貴重なお話を聞くことができ、目を輝かせていました。彼らが今後、国際社会のさまざまな場面で活躍できるよう成長することを期待しています。