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(講師紹介)
吉川元偉先生:1974年外務省入省。国際連合全日本政府代表部特命全権大使?常駐代表、在スペイン日本国大使館特命全権大使、初代アフガニスタン?パキスタン支援担当大使、経済協力開発機構(OECD)日本政府代表部特命全権大使などを歴任。
毎回多くの学生が足を運ぶ、国連の元特命全権大使?吉川先生の特別講演会。今回のテーマは「60分でわかる国際連合」です。ニュースでよく耳にする国連ですが、その実態を詳しく知る人ばかりではありません。国連とは普段どんな活動をしているのか、そして私たちの生活とどのように関係しているのか。国連大使として外交の第一線で活躍された吉川先生に解説していただきました。
国連がもつ機能や誕生した背景について解説をする吉川先生。「果たして国連は世界の役に立っていると思いますか?」と問いかけます。この質問に対して頭を悩ませる学生たち。世界の人権問題や紛争問題など、国連の活動一つひとつを取りあげてディベート形式で意見を交わします。
話題は世間を騒がせているロシアのウクライナ侵攻へ。ロシアが常任理事国であることが理由で、国連はウクライナ侵攻において何の対応もできず機能不全に陥っていることがたびたび指摘されています。途中では「SDGsやパリ協定は国連が存在しなくても成し得たのでは」という意見も。国連が存在する意義とは何なのか、学生たちも疑問に感じ始めます。
「国連は世界の国々に対して拘束力のある決定ができる唯一の連合です。複雑に絡みあう国際関係の中で一つの問題に向き合うために、各国に一斉に号令をかけることができる。これこそが国連が存在する意義であると言えます」と吉川先生。価値観が全く異なる193ヶ国の加盟国が世界共通の問題に対してどのように向き合えばいいのか。改めて今後の国連のあるべき姿についてディスカッションが行われました。
国連が果たしている役割について理解を深められた今回の講演会。学生からは「現在は常任理事国の力が強いので、加入国すべてに平等な力があればさらに良い国連になるのではないか」といった声が。彼らも現存する組織や仕組みをどのように改善するべきかを考えはじめたようです。自分には関係ないと思わずに、世界で起きている問題に対して真剣に向き合うこと。そんな学生が一人でも増えることを期待します。
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