キャビンアテンダントをめざす皆さんの中には、こんな疑問を持っている人もいるのではないでしょうか。
結論から言うと、高卒でもキャビンアテンダントになることは可能です。
しかし、高卒者が新卒として受けられる日系航空会社はごく一部です。外資系航空会社を受けることもできますが、求められる条件が厳しいため現実的とは言えません。選択肢を増やしたり、合格の可能性を高めたりしたい場合は、少なくとも専門学校や短大を卒業した方がよいでしょう。
この記事では、高卒でキャビンアテンダントになれる航空会社を紹介するほか、日本航空(JAL)の客室訓練部教官としてのキャリアを持ち、神田外語学院国際エアライン科で教鞭を執る太田京子先生の監修で、
- 高卒でキャビンアテンダントをめざすことの現実性
- キャビンアテンダントをめざす上で、専門学校や短大?大学に進学することのメリット
などを解説していきます。
※本稿は高校新卒のケースを主な対象としています。高校既卒者(職歴がある場合)はこの限りではない場合があります。
※本稿で紹介する各社の応募条件等は2020年採用の情報を参考にしています。最新の採用情報は必ずご自身でご確認ください。
目次
1.高卒でキャビンアテンダントにはなれる
結論から言うと、高卒でもキャビンアテンダントとして就職することはできます。
1-1.高卒者も受けられる航空会社がある
日系航空会社は、専門卒以上を応募条件にしているところが大半です。しかし、高卒者を受け入れている航空会社もごく小数ですが存在します。
2020年1月現在で募集要項が確認できる航空会社のうち、応募資格に高卒者が含まれているのは、JALグループのジェイエアのみでした。
ジェイエア 2020年度入社 客室乗務職 募集要項
2019年4月~2020年3月までの間に高校?専門学校?短期大学?高等専門学校?4年制大学または大学院(修士課程)を卒業見込みの方
高卒者が受けられる航空会社は、地域路線を運航する大手グループ会社やLCCなどに限られます。入社後の待遇は、高卒でも専門卒以上でもほとんど差はありません。
※キャビンアテンダントの給料については、こちらの記事で詳しく解説しています。 |
既卒採用の場合は選択肢が少し広がる 高卒既卒で職歴がある場合は、新卒よりも選択肢が少し増えます。
しかし、大手航空会社は既卒採用でも専門卒以上を条件としているため、高卒では受けられません。 |
1-2.外資系を受けることもできるが、現実的ではない
外資系航空会社の多くは応募条件を「高校卒業以上」としています。高校新卒で受けることも可能ですが、あまり現実的ではありません。
理由として、「英語?第二外国語堪能」や「社会人経験者優遇」など、高卒者にとっては厳しい条件が求められていることが挙げられます。しかも、日本と違って通年採用(4月入社の一括採用ではなく、年間を通じて必要に応じて採用すること)の会社がほとんどで、高校卒業と同時に就職できるとは限りません。
こうしたことから、高卒で外資系航空会社に就職するのはハードルが高いと言えます。
2.おすすめは専門卒以上
キャビンアテンダントを目指すなら、専門学校や短大?大学に進学することをおすすめします。4年制大学は経済的な事情などで難しいという場合、専門学校でも全く問題ありません。専門学校から大手航空会社に就職することももちろん可能です。
進学した場合、以下のようなメリットがあります。
この3つについて、詳しく説明していきます。
2-1.受けられる航空会社の選択肢が増える
1章で解説したように、多くの日系航空会社は応募条件を「専門学校?短期大学?大学?大学院卒業(見込み)」としています。JALやANAといった最大手企業は、高卒では受けることができません。つまり、進学することで航空会社の選択肢が大幅に広がるということです。
JAL 2020年度入社 客室乗務職 募集要項
(1)2019年4月~2020年3月までの間に専門学校?短期大学?高等専門学校?4年制大学または大学院(修士課程)を卒業見込みの方で、2020年2月以降、会社の指定する時期に入社できる方。
ANA 2020年度入社 客室乗務職 募集要項
2019年4月から2020年3月までの間に専門学校?高等専門学校?短期大学?4年制大学または大学院の文系学部?理系学部(全学部)を卒業または修了見込みの方。
2-2.語学力を磨ける
ほとんどの大学?語学系専門学校では英語が必修科目になっており、キャビンアテンダントに必要な語学力を磨くことができます。
航空各社の募集要項には英語力に関する項目が応募資格として明記されており、語学力が不可欠です。その基準は概ね「TOEIC?600点以上または英検2級程度」とされています。
2018年のTOEIC?平均スコアは高校生が493点、大学生が567点※で、進学することでより高い語学力を身につけられるのは明らかです。ただし、平均点では応募資格に満たないので、人一倍の努力を心がけましょう。
※(参考) TOEIC? Program DATA & ANALYSIS 2019
因みに、当ブログを運営する神田外語学院2年生の平均スコアは611点(2023年3月時点)です。語学系専門学校ならTOEIC?対策に特化した授業が行われている場合もあり、効果的なスコアアップが望めるでしょう。
※キャビンアテンダントに求められる英語力については、こちらの記事で詳しく解説しています。 |
また、仕事で役立つ中国語やスペイン語などを第二外国語として学ぶこともできる場合もあります。
2-3.専門知識が身につき、就職活動のサポートを受けられる
航空系専門学校のほか、外国語大学や女子大学を中心とした一部の大学では、航空業界を目指す学生向けの専門講座や業界セミナー、就労体験を行っています。
新皇冠体育 「航空業界就職対策講座」
例えば、当ブログを運営する神田外語学院の姉妹校?新皇冠体育では、航空会社での採用実務などのキャリアを持つ先生による「航空業界就職対策講座」を開いています。内容は以下のようなものです。
航空業界の実情や求められる人物像の解説を通して、就職活動に主体的に取り組めるようになるでしょう。もちろん、エントリーシートや面接対策も行っています。
※新皇冠体育での就職支援等については、こちらの記事で詳しく解説しています。 |
その他の例
阪南大学 エアラインスクール
名古屋外国語大学 エアラインドリカムプラン
このような大学?学校には、航空業界出身の教職員が在籍していることが多いため、就職活動に際して専門的なサポートを受けられます。
3.特におすすめは航空系専門学校
キャビンアテンダントを目指すにあたって、特におすすめしたいのは航空系専門学校への進学です。大学?短大との比較表を作ってみました。
大学と比較した場合の航空系専門学校のメリット
専門学校は修業年限が2年であることが大きな利点で、4年制大学に比べて2年早く就職できます。また、私大と比べると学費を4割程度削減できます。大卒者を受け入れている航空会社は専門卒者も受け入れているので、選択肢が狭まる心配もありません。
短大と比較した場合の航空系専門学校のメリット
修業年限は2年と変わりませんが、航空業界出身の教員が比較的多いことが利点です。また、航空系専門学校の場合は、航空業界就職という同じ志を持った仲間に囲まれるため、切磋琢磨しながら目標に向かって努力を続けられます。
※専門学校と大学?短大との比較について、詳しくはこちらの記事で解説しています。 |
4.就活に活きる「人間力」と「英語力」を磨くなら神田外語学院
本記事を制作している神田外語学院は、航空業界に関する専門知識を学ぶ国際エアライン科を設置しています。航空業界出身の教員による指導のもと、業界に求められる人材としての成長をめざします。また、1年次から毎週1コマ90分×9コマ(=13.5時間)の英語共通科目で総合的な英語力を強化し、「人間力」と「英語力」を武器にして就職活動に臨んでいきます。
各社キャビンアテンダントの安定した就職実績がある
- 大手航空会社を含め毎年10名前後、直近5年間で57名のキャビンアテンダント内定者を輩出しています。そのうち、国際エアライン科キャビンアテンダントコースの学生は約9割。同コースの卒業生(毎年約70名)の10~15%がキャビンアテンダントとして就職しています。
なお、2020年3月卒業生の就職先企業は以下の通りです。
語学専門学校ならではのカリキュラムで確実に英語力を鍛えられる
創立60余年の神田外語学院では、常に時代を見据えた英語教育を行っています。キャビンアテンダントの応募基準となるTOEIC?対策はもちろん、就職後にも必ず役立つ実用的な英語力強化を図ります。
■応募基準を確実にクリアするTOEIC?対策授業
TOEIC ?対策の授業が週2コマあり、習熟度に合わせたクラス編成で着実なスコアアップを目指すことができます。
神田外語学院2年生のTOEIC ?平均点は611点(2023年3月卒業生実績)。キャビンアテンダント応募基準の600点を上回っています。
■必修共通科目の国際コミュニケーション英語(EIC)で、業務で特に必要な「会話力」を強化
本当に英語力が試される場面は就職してから訪れます。国内線では英語を話す機会はそれほど多くはありませんが、国際線では会話力が特に重要です。
EICでは、1コマ90分×毎週5コマ、外国人教員から英語で英語を教わります。授業は20名以下の習熟度別少人数クラス。日本語禁止という環境で、活きた英会話力を身につけることができます。
※キャビンアテンダントに必要な英語力については、こちらの記事で詳しく解説しています。 TOEIC600点?キャビンアテンダント就職に必須の英語力を解説 |
航空会業界出身の先生の指導を毎日受けられる
JAL客室訓練部教官の経歴を持つ太田先生をはじめ、客室乗務員を経験した多くの教員から手厚い指導が受けられます。業界の経験が活かされた授業の一例を紹介します。
■イメージコンサルティング
入学当初から言葉遣いや礼節、周囲に好印象を与える表情、所作、身だしなみなど、ホスピタリティ業界で必ず必要とされるスキルを学んでいきます。最初は窮屈に感じるかもしれませんが、習慣化されてくると、次第に心も「襟を正した」状態になり、自然と人間力が磨かれていきます。
■美しい日本語講座
接客の最前線に立つキャビンアテンダントには、英語力以上に日本語力が重要です。高い人間力を表現するための日本語は、一朝一夕に身につけられるものではありません。仕事現場では「お客様に信頼される美しい日本語」も求められているため、授業では日本語検定の取得を目指すほか、合格するエントリーシートの作成トレーニングも行っています。
また、就職活動を支援するキャリア教育センターにも、業界ごとに専門の先生が在籍しており、学生一人ひとりと向き合って指導を行っています。
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?神田外語学院の教育の特長について以下の記事もご覧ください!
5.まとめ
この記事で解説した内容をまとめます。
■高卒でもキャビンアテンダントにはなることは可能
■ただし、専門学校や短大?大学への進学がおすすめ。以下のようなメリットがある
-
- 受けられる航空会社の選択肢が増える
- 語学力を磨ける
- 専門知識が身につき、就職活動のサポートを受けられる
■特におすすめは航空系専門学校
この記事を参考に、キャビンアテンダント就職への道筋をつけて進路選択を考えてみてください。
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