キャビンアテンダントの給料はどれくらい？企業?学歴?年齢別に解説

キャビンアテンダントの給料って高いの？　安いの？

航空会社によってどれくらい差があるの？

キャビンアテンダントに憧れている人でも、本当に将来の仕事にするとなると待遇面は気になるところだと思います。実際のところ、日系航空会社のキャビンアテンダントの給料は日本の平均値(月収30万6,200円)と比較すると高水準で、平均月収は37万4,100円です。

この記事では、キャビンアテンダントの給料を日本の平均水準と比較しながら、年齢層?学歴?企業別に詳しく解説します。最後まで読んでキャビンアテンダントの給料相場を正しく把握し、キャリアプランなどに役立ててください。

本稿内で扱う金額について

「月収?賞与?年収」などの金額は、厚生労働省が発表している「賃金構造基本統計調査」や、各航空会社採用ページなどに公表されている数値を基にしています。データの出典によって定義(手当の有無など)が異なる場合があるため、あくまで参考値であることに注意してください。

1.キャビンアテンダントの給料
2.企業ごとの給料
4.キャビンアテンダントを目指すなら神田外語学院
5.まとめ

1.キャビンアテンダントの給料

1-1. キャビンアテンダントの平均月収?賞与?年収は約540万円

コロナ禍前の5年間(2014～2018年)のキャビンアテンダントの平均月収?賞与?年収を算出しました。

平均月収は37万4,100円、平均賞与(ボーナス)は90万2,000円、平均年収は539万1,200円です。日本の一般労働者の平均月収(2018年6月)は30万6,200円^※ですので、キャビンアテンダントの給料は高水準と言えます。

いずれも税金や社会保険料などを控除する前の金額のため、いわゆる「手取り額」はこれらより2割程度少ない金額になります。

※(出典)厚生労働省平成30年賃金構造基本統計調査

なお、2014年から2018年までの5年間の平均年収は以下のように推移しています。

◆2016年に跳ね上がっている
2016年に給料が跳ね上がっていますが、考えられる理由はいくつかあります。

航空会社の業績が好調だった
一つは飛行機の燃料となる燃油の価格が大幅に下がり、航空会社の業績が軒並み好調だったことが理由の一つと考えられます。2017年は燃油相場が上がったため、給料は前年より下がっています。
大手航空会社の雇用形態が変わった
また、日本航空(JAL)が2016年度から契約社員制度を廃止したことも理由の一つでしょう。同年度から全キャビンアテンダントを正社員として雇用するようになったため、社内の賃金体系が変化し、給料が上昇したと考えられます。

参考までに、2015年度と2016年度のJALキャビンアテンダントの平均年収を見ると、この間に約40万円上昇しています。

JAL客室乗務員平均年収

2015年度:495万4,000円
2016年度:539万3,000円

(参考)日本航空有価証券報告書 2015年3月期、2016年3月期

1-2.年齢層別の平均月収

5歳ごとの年齢層別の平均月収は以下のようになっています。

50-54歳で最大値となり、その後は減少しています。一般労働者平均値と比べて昇給の幅が大きいことがわかります。

1-3.学歴による給料の差はほとんどない

初任給については、JALなど多くの航空会社では学歴による差はありません。ANAでは大卒と短大?高専?専門卒で初任給に約8,000円の差がありますが、短大?高専?専門卒は大卒に比べて2年、大学院卒に比べて4年早く就職できるため、その分多く給料を貰えます。よって、生涯賃金に大きな差は生まれないケースがほとんどです。

JAL?ANA 2020年度入社客室乗務職正社員初任給

■JAL
188,000円

■ANA
大学院卒:188,221円
大卒:180,319円
短大/高専/専門卒:172,582円

(参考)各社客室乗務職募集要項

2.企業ごとの給料

2-1.企業規模別の平均月収?賞与

企業規模別の平均月収と平均賞与は以下のようになっています。

◆従業員1,000人以上の航空会社では月収約40万円

従業員1,000人以上の航空会社の平均月収は約40万円、平均賞与は約141万円です。

この規模の会社にはJALとANAだけでなく、スカイマークやLCCのPeachなども含まれます。

◆従業員数100～999人の航空会社では月収約30万円

従業員数100～999人の航空会社の平均月収は約30万円で、1,000人以上の航空会社と比べて約10万円の差があります。また、平均賞与は100万円近い差が出ることもあるようです。

この規模にはスターフライヤーやAIRDOなどのほか、オリエンタルエアブリッジやIBEXエアラインズなど多くのリージョナル航空会社も含まれます。

※あくまでも企業規模別の平均値であり、例示した航空会社の給与額を保証するものではありません。

2-2.企業別初任給

さらに細かく、企業別の初任給を抜粋して見てみます。

基本給は16万円台後半～18万円が相場で、別途手当が支給されます。ANAグループでは学歴による差がありますが、1章の3項で説明したように、生涯賃金を考えると大差にはならないでしょう。

3.キャビンアテンダントになるためのポイント

ここまではキャビンアテンダントの給料について解説してきました。

でも、キャビンアテンダントにはどうすればなれるの？

ここからは、JAL客室訓練部教官の経歴を持ち、現在は神田外語学院の国際エアライン科教員として多くの学生を航空業界に送り出している太田京子先生のお話に基づいて、キャビンアテンダントになるために必要なことを解説していきます。

神田外語学院国際エアライン科太田京子先生

神田外語学院国際エアライン科コーディネーター。JAL客室乗務員として国際線に18年間乗務。客室訓練部教官、機内アナウンスインストラクターとしての指導経験を持つ。

3-1. キャビンアテンダント応募にはTOEIC?600点(英検2級相当)程度の英語力が必要

日系航空会社の多くは募集要項の応募資格に、英語力に関する条件を明記しています。以下は、各社の内容を新皇冠体育にしたもの(抜粋)です。

目安は概ね「TOEIC ?600点または英検2級程度」となっています。TOEIC ?運営団体によるスコアデータ「TOEIC? Program DATA & ANALYSIS 2019」によれば、2018年度の大学生の平均スコアは567点です。つまり、応募時点で求められる英語力は極端に高いものではなく、一般的なレベルだと言えます。「今では英語が苦手……」という人も、しっかり対策すれば1～2年で突破できるスコアです。

また、一部の航空会社では英語面接も実施されますが、英語力のレベルチェック程度の内容です。全てを英語で行うわけではなく、難しいものではありません。

※応募要件に関する詳細は以下の記事をご覧ください。
TOEIC?600点？キャビンアテンダント就職に必須の英語力を解説

?※TOEIC?の勉強方法は以下の記事で解説しています。
過去98回TOEIC?で満点を取得した教師直伝！レベル別勉強法

3-2.キャビンアテンダントに最も必要なのは「人間力」

航空会社が採用の際に最も重視しているのは「人間力」です。

「人間力」とは、英語力、ウィット(機転)、想像力、リーダーシップ、傾聴力などいろいろな要素を総合したものです。

ANAグループのANAウイングスも、採用サイトのFAQページで以下のように明記しています。

私たちの仲間として一緒に働いて頂く方の人物重視の選考を行なっているため、英語力だけで合否を判断しておりません。

(引用)FAQ | ANAウイングス株式会社採用サイト

航空業界に繋がることだけでなく、様々な分野の本をたくさん読み、興味のあることにどんどんチャレンジし、何かに熱中してください。興味の幅を広げてたくさんの経験を積みましょう。

※詳しくはこちらの記事をご覧ください。
キャビンアテンダントになるには？元CA教官が条件?進路対策を解説

4.キャビンアテンダントを目指すなら神田外語学院

英語力と人間力を磨くなら、航空系の専門学校に通うのがおすすめです。

キャビンアテンダントになるための本当の人間力を独学で磨くのは非常に難しく、自己流で身につけた付け焼き刃の人間力は採用試験で必ず見抜かれてしまうからです。

数々の専門学校の中でもおすすめするのは、当ブログを運営する神田外語学院の国際エアライン科です。

4-1.共通英語科目でキャビンアテンダントに必要な英語力を磨ける

神田外語学院は語学専門学校として創立60余年。長年の英語教育の知見を活かしたTOEIC?対策はもちろん、毎週1コマ90分×9コマ(=13.5時間)の英語共通科目で総合的な英語力の強化を図ります。

生きた英語を学ぶ「国際コミュニケーション英語(EIC)」

必修共通科目の国際コミュニケーション英語(EIC)では週5回、外国人教員から英語で英語を教わることで、「読む」「聞く」「書く」「話す」の英語4技能を強化します。

授業は20名以下の少人数の習熟度別クラスで、日本語禁止という環境で行われています。授業以外の時間でも留学生と英語で会話ができるECL(English Conversation Lounge)などを活用することで、生きた英語を習得できます。

キャビンアテンダント応募条件「600点」をクリアする「TOEIC?対策講座」

TOEIC ?対策の授業が週2コマあり、習熟度に合わせたクラス編成で着実なスコアアップを目指すことができます。

神田外語学院2年生のTOEIC ?平均点は611点(2023年3月卒業生実績)。先述したキャビンアテンダントの応募条件「600点」をもちろん上回っています。

4-2.国際エアライン科の専門科目で人間力を磨ける

国際エアライン科には、JAL客室訓練部教官の経歴を持つ太田先生をはじめ、客室乗務員を経験した多くの教員が在籍。業界での経験を活かし、人間力向上に直結する授業を展開しています。その一例を紹介します。

イメージコンサルティング

入学当初から言葉遣いや礼節、周囲に好印象を与える表情、所作、身だしなみなど、ホスピタリティ業界で必ず必要とされるスキルを学んでいきます。最初は窮屈に感じるかもしれませんが、習慣化されてくると、次第に心も「襟を正した」状態になり、自然に人間力が磨かれていきます。

美しい日本語講座

接客の最前線に立つキャビンアテンダントには、英語力以上に日本語力が重要です。高い人間力を表現するための日本語は、一朝一夕に身につけられるものではありません。仕事現場では「お客様に信頼される美しい日本語」も求められているため、授業では日本語検定の取得を目指すほか、合格するエントリーシートの作成トレーニングも行っています。