キャビンアテンダント(CA)に憧れているけど、どうすればいいかよくわからないという人は多いと思います。「専門的な学校に入って、何か特別な試験に合格しなければいけないの?」と考えてしまうかもしれませんが、実はCAには特別な経歴や資格はほとんど必要ありません。また、採用試験も一般的な業界と大差ありません。
この記事では、元客室乗務員で現在は神田外語学院の国際エアライン科教員として多くの学生を航空業界に送り出している太田京子先生のお話に基づいて、CAになるための条件や試験の流れに加え、採用試験に合格するためのポイントもお伝えしていきます。
最後まで読めば、CAになるために達成すべき目標が明確になると思います。CAになる夢を「漠然とした憧れ」で終わらせることなく、「具体的な将来の目標」に変えて、今日から早速動き出してみてください。
この記事は主に新卒採用を目指す方向けの内容となっていますが、日系航空会社においては、新卒採用と既卒採用に応募資格の違いはほとんどありません(経験者採用は除く)。そのため、CAを目指す全ての方にお読みいただける内容になっています。
目次
1.キャビンアテンダントになるまでのルート
CAになるには、一般的に新卒採用と既卒採用の2つのパターンがあります。
◆新卒採用
大学?専門学校等を卒業見込みの学生を、年度ごとに一括して採用するパターン。?
◆既卒採用
大学?専門学校等の卒業者を採用するパターン。多くの航空会社では、第二新卒や転職(中途採用)などの場合も既卒採用に応募できます。
外資系航空会社は条件が異なる
外資系航空会社の多くは、年間を通して必要に応じて採用する「通年採用」を行っており、新卒一括採用の日系航空会社とは選考フローや条件などが異なります。各社ウェブサイトの採用情報などを都度チェックしてください。
1-1.:原則的に専門学校?短大卒業以上の学歴が必要
日系航空会社はいずれの採用パターンでも原則的に専門学校?短大卒業以上の学歴が求められており、高校卒業後すぐには就職できません。
JAL 客室乗務職 募集要項(新卒)より抜粋
(1)2021年4月~2023年3月までの間に専門学校?短期大学?高等専門学校?4年制大学または大学院(修士課程)を卒業されている方
(2)2023年4月~2024年3月までの間に専門学校?短期大学?高等専門学校?4年制大学または大学院(修士課程)を卒業見込みの方
※学部学科などの指定はございません。引用元:職種別募集要項 客室乗務職 | 新卒 | 採用情報 |新卒キャリア採用サイト|JA (2023.8閲覧)
ごく一部の会社は高卒でも就職可能
ごく一部の航空会社では、最終学歴が高校卒業でも応募できる場合があります。
ジェイエア 客室乗務員 募集要項(新卒)より抜粋
?2023年4月~2024年3月までの間に高校?専門学校?短期大学?高等専門学校?4年制大学または大学院(修士課程)を卒業または卒業見込みの方
引用元:(株)ジェイエア 客室乗務員(新卒者採用)募集要項 (2023.8閲覧)
ただし、高校卒業者を受け入れている航空会社は非常に少ないので、基本的には専門学校卒業以上の学歴があるほうがよいでしょう。
1-2.学部?学科の制限はない
応募条件には学部?学科の規定はありません。実務研修などの経験や特別な資格も必要ないため、どの学部?学科からでも応募できます。また、大学の偏差値や知名度が影響することも他業種に比べて少なく、有名大学以外からも採用者は毎年出ています。
2.キャビンアテンダントになるために有利な学校?学部?学科
応募に学部?学科の制限はありませんが、過去の実績を見ると有利と考えられる学校や学部?学科があります。特徴は次の3点を満たしていることです。
◆語学系の学部学科
◆採用実績の多い学校
◆立地がいい学校
以下で詳しく解説していきます。
2-1.キャビンアテンダントになるためのおすすめの学校の選び方
おすすめ1. 語学系の学校または学部?学科
語学系の大学や専門学校、あるいは総合大学の語学系の学部?学科がおすすめです。理由は以下の2点です。
【理由1.】多くの航空会社では「TOEIC?600点程度の英語力」が応募条件となっているため
詳細は3章で後述しますが、多くの航空会社では「TOEIC?600点程度の英語力」が応募条件となっています。語学系の学校ではTOEIC?対策などのサポートが充実していることが多く、条件クリアに向けて効率的に勉強できるでしょう。
【理由2.】実際の業務では高度なスピーキング力が必要になる場合もあるため
国際線では訓練期間を含め、様々なシチュエーションに応じたフォーマルな英語を話す必要があり、スピーキング力が特に重要です。そのレベルの目安はTOEIC?700点程度とも言われます。外国人教員が特に多い語学系の学校では、より高度なスピーキング力を学生のうちに身につけられます。
※CAに必要な英語力についてはこちらの記事で詳しく解説しています。 キャビンアテンダントに必要な英語力とは?就職前?後の目安まとめ |
おすすめ2. キャビンアテンダント採用者数の実績が多い学校
また、採用者数実績の多い大学にも注目です。理由は以下の3点です。
【理由1.】学内で専門的な講座?セミナーが開かれているため
▲神田外語学院で実施した航空業界セミナーの様子
実績が多い学校では、専門の講師が航空業界に特化した就職活動セミナーを学内で行っているところがあります。?企業研究や面接練習などの指導を受けられるため、就職活動で有利になるのは間違いありません。
また、航空会社と連携して、職場見学や社員による出張講義を行っている学校もあります。
当ブログを運営する神田外語学院ではこのほか、就職活動を終えた2年生が就職活動の心得や体験談を後輩に伝える「就職内定者報告会」を行っています。内定者に直接質問してアドバイスを受けることができる貴重な機会です。
神田外語学院ニュース |
【理由2.】先輩内定者の活動記録を参考にできるため
CA内定者が学校に残した就職活動記録を参考にできるのもメリットです。
活動記録には、内定者が「就職活動にあたってどんな準備をしたのか」「どんなエントリーシートを書いたのか」など、CAの就職活動に役立てられる情報が記されています。過去の採用者が多ければ多いほど、蓄積された情報量も多くなります。
【理由3.】同じ目標の仲間と切磋琢磨できるため
こうした学校には「CAになる」という同じ目標を持った学生が多く集まります。それにより、普段の授業以外の時間でも仲間同士で切磋琢磨する雰囲気が生まれます。日々の学校生活がより質の高いものになるでしょう。
▲神田外語学院の内定者報告会の一幕
このような理由から、実績の多い学校は長年にわたって採用者数ランキングで上位をキープしている傾向が見られます。
おすすめ3. 大都市圏?主要空港に近い立地の学校
さらに、大都市や主要空港に近い学校が就職活動では非常に有利です。理由は以下の2点です。
【理由1.】就職活動自体がしやすいため
航空会社の就職活動では基本的に、東京など主要都市の会場に出向く必要があります。会場が遠い場合は、選考のたびに時間をかけて足を運ぶことになり、場合によっては前泊の必要も出てくるでしょう。一方、主要都市圏やそれに近いところで生活していれば、効率的かつ体力的有利に就職活動を進められます。
例:JAL 2020年度採用の試験会場
1次選考:札幌?東京?名古屋?大阪?福岡
2次選考:東京?大阪
参考として、CA就職活動のスケジュールのイメージを紹介します。
※ES(エントリーシート)提出およびSPI試験は主要都市の会場に行く必要はありません。
複数の航空会社を受ける場合、このように選考のタイミングが重なってしまうと毎週のように会場に出向かなければなりません。他の業界も受ける場合はさらに頻度が増えます。
説明会やセミナーなども、東京を始めとした大都市圏で開催されることがほとんどです。つまり、大都市に近い学校なら効率的?体力的有利に就職活動を進められるということです。
※採用試験の具体的な流れは4章「キャビンアテンダント採用試験について」で解説します。
【理由2.】OG/OB訪問がしやすいため
就職活動に伴う情報収集の一環として行うOG/OB訪問。航空会社がオフィスを構える都心や主要空港にアクセスしやすければ、業界で働いている先輩に会う機会をより多く作ることができます。
また、CAを目指す就活生のなかには、休日などを使って空港見学に行く人もいます。空港の近くで生活し、日頃から自分の目指す業界を身近に感じることができれば、就職活動のモチベーションも高まるでしょう。
こうしたことから、空港や都心に近い立地を選ぶことはメリットと言えるのです。
2-2.「大卒が有利で専門卒は不利」とは一概に言えない
専門学校?短大?大学の卒業者のうち、CAの採用が多いのは大卒者です。ある大学では1学年で約90名がCAとして就職しています。しかし、大学が必ずしも有利だというわけではありません。
専門学校は採用者の実数こそ大学には及ばないものの、全就職者に占めるCA採用者の割合を出すと、大学と互角の数字が出てきます。
例として、当ブログを運営する神田外語学院のCA就職率を大学の就職率ランキングと照らし合わせると、東日本で7位相当になります。
この結果から、一概に「大卒が有利で専門卒は不利」とは言えないことがわかります。学費や修業年限に合わせて進路を選びましょう。
※学校の選び方については、以下の記事でさらに詳しく解説しています。 キャビンアテンダント志望者が知っておくべき大学選び3つの秘訣 |
3.キャビンアテンダントに求められる条件
各社の募集要項では、具体的な数値が示されているのは視力と英語力のみで、その他に特筆すべき条件はあまりありません。
3-1.身体的条件はほぼないが体力が必要
身体的な条件はほとんどありません。「視力」と「既往歴(病歴等)」については多くの航空会社が条件を明記しています。
視力
多くの場合は裸眼またはコンタクトレンズでの矯正視力1.0以上が求められます。眼鏡は乗務時の安全上の理由から認められていないため、矯正が必要でコンタクトレンズを使ったことがない場合は早めに慣れておきましょう。
裸眼またはコンタクトレンズ矯正視力が両眼とも1.0以上の方。
引用元:職種別募集要項 新卒|JAL採用情報|日本航空株式会社 (2023.1閲覧)
既往歴(病歴等)
呼吸器、循環器、耳鼻咽喉、眼球、脊椎などについて、乗務に支障のないことが条件になっています。例えば、脊柱が極端に曲がっていると腰痛を引き起こし、仕事を続けるのが困難になります。許容数値などは明らかにされていませんが、いずれにしても地上での日常生活が支障ない状態で、毎日のように機内で長時間働くことに耐えうるだけの体力があれば問題ありません。
呼吸器、循環器、耳鼻咽喉、眼球、脊椎等が航空機乗務に支障なく、必要な体力を有し、心身ともに健康な方。
引用元:職種別募集要項 新卒|JAL採用情報|日本航空株式会社 (2023.1閲覧)
また、明記されていませんが、「身長」と「体重」については、ある程度の基準が存在していると考えられます。
身長
「160cm以上が基準」という話を聞いたことがある方もいると思いますが、日系航空会社では身長に関する条件は示されていません。当ブログを運営する神田外語学院では、過去に身長153cmの学生の内定実績もあります。
ただし、外資系航空会社では具体的に身長制限が定められている(一般的に160cm以上)ことからも、保安上の理由から事実上はある程度の身長が求められていると考えられます。
150cm台未満でも可能性が全くないというわけではないですが、天井が高い大型機材を運航する会社に就職するのはかなり厳しいと言えます。小型機材のみを運航する航空会社のみに絞るなど、対策を考えた方がよいでしょう。
※CAの身長については以下の記事で詳しく解説しています。 |
一部ではアームリーチに関する条件がある
身長の条件はほぼありませんが、一部の航空会社ではアームリーチ(手が届く高さ)に関する条件を提示しています。裸足でつま先立ちをしてどのくらいの高さまで手が届くのか、念のため事前に確認しておきましょう。
【応募資格】(中略)
(5)緊急時に高さ190cmの場所にある機器の操作に支障がない引用元:新卒採用 募集要項?制度紹介|新卒採用|採用情報|ソラシドエア (2023.1閲覧)
素足の状態で背伸びをして210cmに届くこと
引用元:2020年新卒採用 | ジェットスター – Jetstar
体重
健康的で、機内での長時間の業務に耐えうる体重?体質であることが条件であると言えます。つまり痩せすぎているのもよくないということです。「身長(m)×身長(m)×22」で求められる適性体重を目安にするとよいでしょう。
(例)身長160cmの場合?1.6×1.6×22=56.32(kg) |
ちなみに、某大手航空会社では過去に60kg台後半での採用実績がありました。
水泳能力は必要?
航空機が不時着水した場合の安全確保のため、CAには水泳能力が必要という噂を耳にしたことがある方もいるでしょう。日系航空会社では水泳能力に関する条件はありません。一方、外資系では水泳能力を応募条件として求める航空会社が多数あります。
You must also : be able to swim at least 200 meters (200m以上泳げること)
(引用)スカンジナビア航空 – Qualifications (2019.9.13閲覧)
3-2.現実的な年齢制限は20代後半
過去には既卒採用で年齢制限を設けている航空会社もありましたが、現在では撤廃されています。事実上、何歳でも応募することは可能で、某LCCでは30代後半の採用実績もありました。ただし、日系大手では募集要項に「航空機乗務に際し必要な体力を有し」などと記載されていることから、若い人が好まれる傾向にあると考えられ、現実的な制限は20代後半くらいと考えられます。
3-3. TOEIC600点(英検2級相当)程度の英語力が必要
多くの航空会社の募集要項には、英語力に関する項目が応募資格として明記されています。以下に、各社(抜粋)の募集要項の英語力に関する内容を新皇冠体育にしたものを示します。
このように、目安は概ね「TOEIC600点程度」となっています。ただし、「程度」や「望ましい」という表現からも読み取れるように、600点が取れていなければ応募できないというわけではありません。
JAL 客室乗務職 新卒採用 FAQ
Q.TOEICの保有点数が600点に満たないのですが応募できますか?
A.ご応募いただけます。しかしながら、海外からいらっしゃるお客さまの対応や、海外基地乗務員の仲間との円滑なコミュニケーションを図る必要がある点を考えると、英語力を高めておくことが望ましいです。
ちなみに、TOEIC600点は一般的には英検2級程度と言われているレベルです。TOEIC運営団体によるスコアデータ「TOEIC? Program DATA & ANALYSIS 2022」によれば、2021年度の大学生の平均スコアは594点であるため、求められるレベルは極端に高いわけではなく平均的だと言えます。今は英語が苦手だという人も、しっかり勉強すれば到達できるスコアです。?
また、一部の航空会社では英語面接も行われますが、英語力のレベルチェック程度の内容です。全てを英語で行う面接というわけではないので、特に難しくはありません。
留学経験はなくても問題ない
「留学経験は必要?」という疑問を持つ方も多いと思いますが、必須条件ではありません。当ブログを運営する神田外語学院からキャビンアテンダントとして就職した学生も、留学経験があるのは少数です。もちろん留学経験が就職活動での自己PRに役立つこともありますが、キャビンアテンダントに求められる英語力はごく一般的なレベルであるため、語学という面では経験がなくても問題ありません。
※キャビンアテンダントに必要な英語力については以下の記事でより詳しく解説しています。
※TOEICの勉強方法は以下の記事で解説しています。
3-3.英語以外の特別な資格は必要ない
英語以外には特別な資格は要求されず、実務研修の経験なども必要ありません。しかし、自分の個性や興味を表現できるような資格があれば、エントリーシートや面接でのアピール材料になるでしょう。多言語資格や手話技能検定など、入社後の業務に役立つ資格も人気があります。ただし、資格が何もなくても問題はありません。
ANA 客室乗務職 新卒採用 FAQ
Q 学科による募集の制限、また必要な資格がありますか?
A 文系?理系は問いません。学部や学科を問わず皆さまの積極的なご応募をお待ちしております。また入社に際して特別な資格や知識は必要ありません。
※役立つ資格に関する詳細はこちらの記事をご覧ください。
4.キャビンアテンダント採用試験について
ここからは、採用試験について解説します。
※ここで紹介するスケジュールなどはあくまで一例です。最新情報は必ず各企業の採用ページでご確認ください。
4-1.採用試験の流れは一般企業とほぼ同じ
CA採用試験は一般的に以下のような流れで進みます。
内容は一般的な企業の採用試験のものと大きな違いはなく、特別な知識やスキルが必要となる場面はありません。大手よりも新興系のほうがスケジュールが早い傾向があるなど時期は各社で異なりますが、大まかな流れはどこも同じです。
4-2.倍率は約20倍~
一次選考参加者(エントリーシート提出者)を母数として、業界全体では推定で約20倍~と言われています。地域系の航空会社はもともと採用予定人数が少ないため、100倍程度となったこともありました。
ちなみに、コロナ禍以前の大手の採用予定人数は、JALが例年約600名、ANAが約500名でした。それぞれ1万名以上がエントリーしていたと考えられます。
(注)現在の採用数は以前に比べて激減しています。例えば、JALの2023年度入社の採用予定数は100名程度のため、さらに高倍率となることが予想されます。
4-3. LCCも違いはほぼない
LCCも採用人数は比較的少ないながらも新卒採用を行っていることが多く、試験自体や応募資格も大手航空会社とほとんど違いはありません。例として、JALとPeachの採用試験の流れを比べてみます。
(注)こちらはコロナ禍以前の情報です。今後は変わる可能性もあります。
大きく異なるのは時期のみです。「大手に比べてLCCは試験が簡単」ということはありません。
5.キャビンアテンダント内定に必要な心得
CAの就職活動では何が求められるのか、神田外語学院の太田先生に伺いました。
倍率「最低20倍」と言われる採用試験を突破するための「人間力」を磨くための心得として、次の2点を押さえておきましょう。
◆「CAになるために~~する」という考え方にとらわれない
◆「魅力的な人間像」を目指して行動する
「CAになるために~~する」という考え方にとらわれない
多くの学生をサポートしてきた太田先生によると、CA内定者の多くには、ある1つの共通点があります。それは、行動するきっかけとして「CAになるために」という考え方にとらわれていないということです。人は自分が実体験してきた考え方にとらわれてしまいがちです。CAは様々な国籍?文化?職業の方を相手にする仕事で、航空会社はそれに柔軟に対応できる視野の広い学生を求めています。
様々な分野に目を向けて、自分の考え方の幅を広げてください。例えば、接客とは一見関係なさそうな商社や物流企業の人と会ってみましょう。どの業種でも「お客様のために何かをする」という点は同じです。他の業種ではどんな理念で社会に貢献しているか学べば、自分の考え方の幅も広くなるはずです。
CA内定者は、他業界の内定も同時に獲得しているパターンが多く見受けられます。つまり、CAだけに固執せずに多様性のある学生生活を送り、どの業界でも通用する人間力を磨いて就職活動を行っていたということです。
「魅力的な人間像」を目指して行動する
現在高校生や大学1~2年生で、就職活動はまだ先の話という方は、まずは「魅力的な人間像」を思い描いてみましょう。なぜなら、「人間力」を高めるためには「人間力」の高い人をお手本にするのが一番だからです。それは身近な人でも、歴史上の偉人でも問題ありません。そして、「CAになるにはどうしたらいいか」ではなく、「その人間像に近づくにはどうしたらいいか」を思考?行動の軸にしてください。
航空?接客に繋がることだけでなく、様々な分野の本をたくさん読み、興味のあることにどんどんチャレンジし、何かに熱中してください。打算的な考え方をやめて、自分に素直に様々な分野に興味を広げましょう。
6.キャビンアテンダント採用試験に合格するための対策
6-1.エントリーシート対策
「会社が求める人物像」を理解する
各航空会社のリクルートページには、その会社の「求める人材像」などが載っています。採用担当者は、エントリーシートに記述したあなたの考え方がその会社の「求める人材像」に繋がるかどうかを見極めていると考えられます。
(参考) JAL 求める人財像
感謝の心をもって、謙虚に学ぶ
感謝の気持ちを常にもち、世の中すべてから謙虚に学び、自己成長できる人財?
果敢に挑戦し、最後までやり遂げる
失敗を恐れず常に新しい事に挑戦し、人任せにすることなく最後までやり遂げる人財?
プロ意識をもつ
自分の仕事に誇りと責任をもち、地道に自分の専門を極める人財
採算意識をもつ
JALグループが社会から必要とされ、永続的に発展する為に、強い採算意識をもつ人財
多文化を尊重し、適応する
世界の多様な文化と積極的に触れ合い、異なる文化?価値観を尊重できる人財
仲間と共に働く
仲間と共に働き、仲間のために頑張ることに誇りと喜びを感じられる人財
お客さまに心を尽くす
すべてのお客さまに、感謝の気持ちを形にしてお返しすることができる人財
引用元:求める人財像 客室乗務職|JAL採用情報|日本航空株式会社?(2021.3.15閲覧)
設問は、「〇〇なときどう考えたか、どう行動したか」など、状況に応じたあなたの考え方を問うようなものが多い傾向です。そうした設問に対しては、ただ結果を述べるのではなく、「そう考える、行動するに至った経緯や理由」を「過去の経験など具体例を含めて」自分が「会社に求められている人材」であることをアピールするのがポイントです。
内容に説得力が出るPREP法を使う
エントリーシートの文章は「PREP法」という書き方を使うと内容に説得力が出てきます。PREPとは、
P : Point(ポイント?結論) R : Reason(理由) E : Example(具体例) P : Point(ポイント?結論) |
のことで、最初に結論を書き、次に理由を述べ、具体例を提示して、最後にもう一度結論を書くという文章構成方法です。
結論を最初に置くことで後に続く内容の理解が深まりやすくなり、また、最後にもう一度結論を述べることで内容が記憶に残りやすくなります。
具体例を挙げます。
右がPREP法の文章です。左の文章に比べて右の文章の方が頭に入りやすく、内容が印象に残ったのではないでしょうか。ビジネスシーンでは、提案書やプレゼンテーションなどを作る際にPREP法が多用されています。
文章の書き方といえば「起承転結」を思い浮かべる人もいると思いますが、それは物語の書き方です。結論が先に出てこない「起承転結」は、説得力が必要な場面では推奨されません。エントリーシートでは、結論を先に述べることを意識して文章を構成しましょう。
6-2.証明写真対策
技術やアイディアではなく人間性を表現する
エントリーシートには4cm×3cmの一般的な証明写真を貼付して提出します。CA志望者向けの写真スタジオなどもありますが、必ずそのような専門スタジオで撮らなくてはいけないというわけではありません。
「こういう写真が通りやすい」という傾向はないので、極端にこだわらなくても大丈夫です。ただし、照明写真機で撮った写真は「時間がなくて急いで撮った」という印象が感じられてしまうため避けましょう。スマートフォンでの自撮りも非推奨です。
◆証明写真の例
スターフライヤー 客室乗務職 内定 神﨑彩澄さん 国際エアライン科キャビンアテンダントコース卒業 埼玉県聖望学園高校出身 |
参考までに、客室乗務職に内定した神田外語学院の神﨑さんの証明写真を紹介します。過度ではない自然な笑顔の写真です。
また、「あなたらしさがわかるスナップ」や「自己紹介動画」の提出が必要な会社もありますが、こちらも極端に作りこまれたものよりは、人間性が見て取れるような普通のものの方が好まれるようです。
当ブログを運営する神田外語学院からの内定者の中には、趣味で乗っているバイクと一緒に自宅の軒先で撮影した写真を提出した学生などがいました。
動画は冒頭数秒が勝負
自己紹介動画に関しては、最初の段階で見てもらえるのは冒頭の数秒程度でしょう。応募者が1万人、動画が1分間だとすれば、全て見ると1万分間=約167時間もかかってしまいます。奇抜なアイディアではなく、最初の数秒で「この人はよさそう」と感じてもらえるような人間性を表現することで勝負してください。
6-3.面接試験対策
面接でもPREP法が有効です。結論を先に述べることを意識しましょう。そして、結論だけでなく「なぜそう考えるか」も必ず述べてください。さらに、その理由がどれだけ自身の経験に基づいているかが判断されます。
エントリーシートとの違いは、面接は対話だということです。事前に考えた内容を丸暗記して臨むのではなく、面接官と「話す」ことを心がけましょう。もし返答に詰まってしまっても、笑顔を忘れないでください。
7.キャビンアテンダントを目指すなら神田外語学院がおすすめ
当ブログを運営する神田外語学院の国際エアライン科では、航空業界に関する専門知識を習得することはもちろん、航空業界のみならず社会で幅広く活躍できるようになるための考え方や人間力を2年間で磨くことができます。
7-1.国際エアライン科の専門科目と就活サポート
人間力を向上させる授業
教員の多くはJALやANAなどの大手航空会社の元客室乗務員で、学生一人ひとりを手厚くサポート。授業も、就職活動の土台となる人間力を向上させるためのカリキュラム構成です。その一部を紹介します。
「イメージコンサルティング」
1年次は、表情や所作、身だしなみなどの外面について、周囲に好印象を与えるように磨いていきます。2年次にはマナー?プロトコールの資格取得を通じて、より深みのある人間に成長していくことを目指します。授業内で模擬面接トレーニングも行います。
「時事研究」
広い視野を持ち、時事問題への関心を高めることで、社会生活において円滑なコミュニケーションを取れるようになることを目指します。毎回、時事問題に関するディスカッションを行います。
「美しい日本語講座」
採用試験では英語力以上に「お客様に信頼される美しい日本語」が求められています。正しく美しい日本語を身につけ、日本語検定の取得を目指すほか、エントリーシートの作成トレーニングも行います。
就職活動における手厚いサポート
教員?キャリア教育センター?学生が一つのチームとなり、全員で内定獲得という夢の実現に取り組んでいます。航空業界に内定した先輩が後輩に向けて企画?開催する内定者報告会や現役航空会社社員による特別セミナーなど、イベントや研修も豊富です。
豊富なCA内定者実績
こうした環境のもと、毎年多くの学生がCAに内定しています。
※内定先に進路を決定した実数で、辞退者は含まない。
※2021年?2022年卒業生は主な航空会社の採用がなかったため実績なし。
国際エアライン科 内定者?卒業生インタビュー動画
7-2.共通英語科目で業務に必要な英語力を強化
また、1年次から毎週1コマ90分×9コマ(=13.5時間)の英語共通科目で総合的な英語力の強化を図ります。
生きた英語を学ぶ国際コミュニケーション英語(EIC)
必修共通科目の国際コミュニケーション英語(EIC)では週5回、外国人教員から英語で英語を教わることで、「読む」「聞く」「書く」「話す」の英語4技能を強化します。
授業は20名以下の少人数の習熟度別クラスで、日本語禁止という環境で行われています。授業以外の時間でも留学生と英語で会話ができるECL(English Conversation Lounge)などを活用することで、生きた英語を自分のものにすることができます。
※EICについては以下のページで詳しく紹介しています。 共通科目 EIC(English for International Communication) |
CA応募条件「600点」をクリアするTOEIC?対策講座
※神田外語学院生のスコアは2023年3月卒業生の卒業時平均
TOEIC ?対策の授業が週2コマあり、習熟度に合わせたクラス編成で着実なスコアアップを目指すことができます。神田外語学院2年生のTOEIC ?平均点は611点。CAの応募条件の「600点」を満たしています。
?神田外語学院の教育の特長をさらに詳しく知りたい方は、以下の記事もご覧ください。
\神田外語学院の“リアル”を体験!/
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8.まとめ
本稿で解説した内容をまとめます。
◆CAになるには基本的に専門学校?短大卒業以上の学歴が必要 ◆学校?学部?学科に制限はない 進路選択のおすすめポイントはこの3点
※必ずしも大学が有利ではない。就職率は専門学校も互角 ◆採用試験ではTOEIC?600点(英検2級相当)程度が求められる。しかし、その他の必須資格や身体条件ほぼない ◆採用試験は一般企業とほぼ同じ内容?流れ。LCCの場合も同じ ◆CA内定者は、航空業界に固執しない幅広い視野や考え方を持っている ◆採用試験合格のための対策 |
本稿の内容を参考に、自分自身の達成すべき目標を明確にして、行動に移してみてください。皆さんが憧れを現実に変えられるよう、応援しています。
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