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こんな疑問を持っていませんか? キャビンアテンダントにはなんとなく英語力が必要という印象がありますが、どれくらいのレベルが求められているのかイメージが湧きづらいですよね。
実際のところ、国内航空会社のキャビンアテンダント採用で求められる英語力は一般的に「TOEIC600点以上」と言われています。ただし、実際の業務ではTOEICだけでは測れない実用的な英語力が必要になってきます。
そこでこの記事では、一般的に企業が発信している情報の紹介だけでなく、日本航空株式会社(以下、JAL)で18年間国際線に乗務し、客室訓練部教官、機内アナウンスインストラクターとしての指導経験を持つ先生のお話を交えながら、
- 航空会社の入社試験で求められる英語力
- キャビンアテンダントの仕事で求められる英語力
を具体的に解説していきます。最後まで読めば、キャビンアテンダントを目指すにあたって目標とすべき英語力がわかるはずです。
目次
1.キャビンアテンダントの採用試験では英語力が求められる
多くの航空会社のキャビンアテンダント採用試験では、その過程において何らかの形で英語力が問われます。
1-1.日系航空会社では英語試験や英語面接がある
日系大手航空会社では、エントリーシートの提出後に英語試験が課されるほか、英語面接を行う場合もあります。大手航空会社では、国際線乗務を見越して採用試験の段階で英語力を測っていると言えます。
では、国内線のみの航空会社は英語力が不要かというと、そういうわけではありません。国際線を運航する航空会社ほど英語力が求められるわけではありませんが、英語筆記試験を課すところもあるので対策は必要です。
1-2.外資系航空会社の試験は基本的に英語
多くの外資系航空会社の採用試験は基本的に英語で行われます(日本人のみを対象とした採用試験では日本語で行われることもあります)。会社によって求められるレベルは異なりますが、日系航空会社を上回る英語力が必要となるのは間違いありません。中には「英語が堪能であること」というようなファジーな表現の募集要項もあります。
[語 学] 英語の能力を有し、正確な日本語が話せること(中国語が話せる方は、より有効に評価されます)
(引用)マカオ航空 客室乗務員募集要項
具体的にどの程度のレベルが求められているのか不明瞭ですが、いずれにしても少なくともビジネスレベルの英語力が必要と言えるでしょう。
このように、水準は違えど日系?外資系問わず一定の英語力が求められていますが、ここからは日系航空会社の新卒採用を前提としてさらに詳しく解説していきます。
2.キャビンアテンダントに必要な英語力はTOEIC600点(英検2級)以上
2-1. 募集要項に「TOEIC600点(英検2級)以上が望ましい」という記述がある
そもそも、キャビンアテンダントの募集要項には、英語力に関する項目が応募資格として明記されています。具体的にどれくらいのレベルが求められているのか、各社の2020年度新卒採用の募集要項を見てみましょう。
※GTECとは ベネッセコーポレーションが実施している英語4技能テストで、1技能あたり250点満点の合計1000点満点です。「-LR」はリスニング?リーディングのの2技能のみで500点満点です。各都市の受検会場のほか、ウェブ上で受けることもできます。 |
このように、概ね「TOEIC600点」が目安とされています。これは、一般的には英検2級程度と言われているレベルです。TOEIC運営団体によるスコアデータによれば、2018年度の大学生の平均スコアは567点。つまり、応募時点で求められる英語力は極端に高いものではなく、一般的なレベルだと言えます。
なお、TOEICには団体受験のIPテストと公開テストがありますが、どちらのテストのスコアでも問題ありません。
2-2. できればTOEIC700点(英検2級A程度)以上を取っておくとよい
募集要項には「TOEIC600点以上が望ましい」と書かれていましたが、可能であれば700点以上の成績があるといいでしょう。キャビンアテンダントの就職活動では、大手一社あたりの採用人数500~600名に対して7,000~8,000人の応募がある*ため、現実的には700点(英検2級A程度)レベルの勝負になることもあるからです。700点以上のスコアを取っていれば、採用試験の段階で英語力不足を指摘されることはないでしょう。
*コロナ禍前の状況です
※英検2級Aとは 日本英語検定協会は2016年度から、実用英語技能検定の成績を従来の階級の他、英検CSEスコア(合格基準点)という尺度で示すようになりました。「2級A」とは、2級に合格し、かつ4技能合計CSEスコアが2150点以上の場合に与えられる資格です。 |
2-3. TOEIC600点で英語試験が免除になる航空会社もある
また、1章で触れたように、航空会社によってはエントリー時に指定の英語試験を受験する必要があります。詳細な内容は公表されていませんが、ウェブ上で受けられるSPI試験のようなものが多いようです。大手に限らず、国内線だけを運航しているグループ航空会社?新興航空会社でも一次試験で一般教養のひとつとして英語を課すところがあります。
この英語試験について、ANAの採用情報ページには以下のような記述があります。
TOEIC600点もしくはGTEC260点以上の英語証票を1次選考会場にお持ちいただける方は英語試験を免除
他の航空会社の英語試験も、TOEIC600点程度の力があれば問題なくクリアできるでしょう。
2-4.基準点クリアは「募集開始の前年末まで」が望ましい
大手2社の場合はエントリーシートにTOEICスコアの記入欄があり、例年4月中旬~下旬頃に提出します。IPテストの結果は受験から約2週間で通知されるので、4月上旬に受験した分もぎりぎり間に合う可能性があります。
しかし、就職活動中は企業研究など他のことにも大幅に時間を充てなくてはなりません。応募の前年末までには600点を取っておくのが安心です。
※新皇冠体育の影響により、今後の採用ではスケジュール等に大幅な変更が生じる可能性があります。
2024年度入社新卒採用のエントリーシート提出期限は、ANAが4月10日17時、JALが4月12日23時59分でした。新興航空会社などはもう少し遅く、スターフライヤーやスカイマークは5月~6月頃が期限になる見込みです。
2-5. TOEIC600点未満でも応募できるが、高スコアが当然有利
エントリーシートにスコア記入欄こそあるものの、応募時点で600点が取れていなければキャビンアテンダントになれないということはありません。他の能力や素質が評価されれば内定獲得の可能性はゼロではないのです。
2-6.面接は高校レベルの英語力でも問題ない
さらに、企業によっては採用試験の過程で英語面接が行われます。某大手航空会社では数年行われていませんが、別の大手航空会社では2020年度入社新卒採用試験でも、2次試験のグループ面接で英語面接が実施されました。英語面接と聞くと身構えてしまうと思いますが、実は高校レベルの英語力で対応可能です。
以下は面接の質問例です。
“What do you do in your spare time?” (空き時間にどんなことをしていますか)
“What Japanese food do you recommend for foreigners?” (外国人にどんな和食を薦めたいですか)
“Did you apply for other company?” (他の企業にも応募していますか)
このような内容を1つだけ聞かれ、その答えに対して2~3回やりとりをします。もし答えられない場合は、簡単な質問に切り替わります。内容は簡単ですが、普段から英語での日常会話に慣れておく必要はあるでしょう。スムーズにやりとりできる人の方が評価は当然高くなります。
ちなみに、出題傾向はここ数年で大きな変化がないことから、英語面接はそこまで重視されていないと言えるかもしれません。
2-7.就活に必要な英語力のまとめ
キャビンアテンダントになるまでに英語力が必要な場面をまとめると、このようになります。
- 応募基準はTOEIC600点程度。
- 600点で英語試験が免除になる航空会社もある。
- 募集開始の前年末までに600点取っておくと安心。
- 600点未満でも応募はできるが、目安として700点以上あるとよい。
- 英語面接は高校英語の基礎があれば対応できる。
大まかな目安としてはTOEIC600点が基準ライン、700点が安心ラインと言えるでしょう。
3.実際の業務で必要となるのはTOEICスコアより会話力
国内線では英語を話す機会はそれほど多くはありませんが、国際線乗務ではスピーキング力が特に重要になってきます。外国人のお客様と英語で会話することはもちろんですが、国際線では外国人のクルーとともに乗務することもあるため、業務上必要な会話や連絡も英語で行わなければなりません。
本当に英語力が試される場面はキャビンアテンダントになってから訪れます。この章では、キャビンアテンダントとして必要となる英語力を、元客室乗務員で神田外語学院教員の太田京子先生への取材をもとに解説していきます。
神田外語学院 国際エアライン科 太田京子 先生
神田外語学院 国際エアライン科コーディネーター。JAL客室乗務員として国際線に18年間乗務。客室訓練部教官、機内アナウンスインストラクターとしての指導経験を持つ。
3-1.訓練では様々な場面に応じた英語が必要。丸暗記でもよい
国際線を運航している航空会社の場合は、入社から約1年後に移行訓練が行われます。某大手航空会社の移行訓練では、様々なシチュエーションに応じた英語のフレーズが並んだ分厚いテキストを使い、毎日ロールプレイを行います。
訓練ではフォーマルな英語を使わなければならず、ワインの説明など複雑な内容もあるため、テキストを丸暗記してしまった方が簡単だという人もいます。
3-2.国際線機内では、英語で全般的な接客ができる力が必要
国際線の英語といえば“beef or chicken?”が思い浮かびますが、機内ではそうした食事関係のほか、安全に関する説明などをする必要があります。「こういう仕事をしているが、出入国書類の職業欄に何と書けばいいかわからない」などと尋ねられることもあります。
普段はそれ以上複雑な英語を使うことはありませんが、遅延などのイレギュラー時は英語でも機内放送をしなければなりません。機内放送用のテンプレートはありますが、定型パターン以外のアナウンスが必要な場合もあるので、英語力が高い人が重宝されるのは間違いありません。
3-3.サービス向上のためには外国人クルーとの会話も必要
国際線では外国人クルーと一緒に乗務することもあり、その際の会話は基本的に英語です。乗務前のブリーフィング(打ち合わせ)もチーフ(統括責任者)によっては英語で行いますが、シートチャートに沿って決まった流れで行うので英語が苦手でも問題ありません。日本語で行う場合は、外国人クルーの隣に座ったクルーが通訳したりしています。
ただ、外国人とはいえ日本の航空会社に入るような人たちなので、日本人の言いたいことを推察してくれます。最低限の英語で済ますこともできますが、英語で他愛ない会話をして打ち解けておけば、コミュニケーションが円滑になってサービスもしやすくなります。英語力を磨きたい人にとっては、国際線乗務はこのうえない環境です。
3-4.最終的に必要になるのは「スピーキング力」
結局、仕事をする上ではTOEICスコアはあまり関係ありません。TOEIC900点でも話せない人はいます。点数的な基準ではなく、話せるかどうかという点が重要になってきます。
英語力は「聞く(リスニング)」「読む(リーディング)」「話す(スピーキング)」「書く(ライティング)」の4技能に分けられますが、最も必要になるのはスピーキング力です。いくらTOEICスコアが高くても、乗客と会話できなければ意味がありません。
ちなみに、その次に必要と言えるのはリスニング力ですが、機内での会話はその場の状況である程度の内容を察することができます。また、入社からしばらくすると報告書などを英語で記入する必要があるため、若干のライティング力も必要です。
3-5.上級クラスを担当するにはTOEIC700点が必要な場合もある
ただし、ファーストクラスやビジネスクラスといった上級クラスの担当になった場合は、日本語の「恐れ入りますが~」に相当するような、場に相応しい英語を話す必要があります。ある程度の英語の言い回しの知識は必要になってくるでしょう。ファーストクラス担当になるためにはTOEIC700点以上が必要という航空会社もあります。
※キャビンアテンダントの仕事内容を詳しく知りたい方は以下の記事もあわせてご覧ください。
3-6.業務に必要な英語力のまとめ
実際の業務に必要な英語力をまとめると、以下のようになります。
- 国内線では英語を使う機会自体が少ない。
- 国際線移行訓練では様々な場面に応じた英語を覚える必要がある。ただし、テキスト丸暗記でもよい。
- 国際線では英語が全体的な接客ができる力が必要(機内食や出入国書類など)。
- 円滑にコミュニケーションをとるため、外国人クルーと会話する力も必要。
- 最も必要なスキルは「スピーキング」。
- ファーストクラス担当になるためにはTOEIC700点以上を求められる航空会社もある。
業務の流れはある程度パターン化されているため、国際線でも普段は高度な英語を使うことは意外と多くはないのです。
4. キャビンアテンダントには英語力だけでなく「人間力」が必要
4-1.航空会社は英語力より「人間力」を重視する
もちろん英語力は高い方がいいのは間違いありませんが、採用時に航空会社が最も重視しているのは「人間力」です。
人間力とは、リーダーシップや傾聴力、想像力、ウィット(機転)、マナーなど様々なスキルを総合した力のことです。TOEIC600点未満でも、人間力でカバーして客室乗務職の内定を獲得した人もいます。
ANAグループのANAウイングスも、採用サイトのFAQページに以下のように明記しています。
私たちの仲間として一緒に働いて頂く方の人物重視の選考を行なっているため、英語力だけで合否を判断しておりません。
(引用)FAQ | ANAウイングス株式会社 採用サイト
5. 英語力と人間力を磨くなら神田外語学院がおすすめ
英語力とキャビンアテンダントになるための人間力を同時に効率的に磨くには、専門の学校に通うことが一番だと言えます。ちなみに、現在高校生の方は少なくとも専門学校または高等専門学校、短大を卒業しないと、そもそもキャビンアテンダントに応募できない(一部の航空会社を除く)ので注意が必要です。
そこで皆さんにおすすめしたいのは、神田外語学院の国際エアライン科で学ぶことです。
国際エアライン科では、エアライン業界に関する専門知識を習得することはもちろん、1年次から毎週1コマ90分×9コマ(=13.5時間)の英語共通科目で総合的な英語力の強化を図り、同時にキャビンアテンダントに求められる人間力を育てていきます。
英語共通科目のポイント
■生きた英語を自分のものにできる
必修共通科目の国際コミュニケーション英語(EIC)では週5回、外国人教員から英語で英語を教わることで、「読む」「聞く」「書く」「話す」の英語4技能を強化することができます。
授業は20名以下の少人数の習熟度別クラスで、日本語禁止という環境で行われています。授業以外の時間でも留学生と英語で会話ができるECL(English Conversation Lounge)などを活用することで、生きた英語を自分のものにすることができます。
共通科目 EIC(English for International Communication)
共通科目 EIC(English for International Communication) 動画はこちら
■対策講座でTOEICを確実に強化できる
週2コマのTOEIC対策の授業では、習熟度に合わせたクラス編成で着実なスコアアップを目指すことができます。神田外語学院2年生のTOEIC平均点は627点(2019年3月卒業生実績)と、キャビンアテンダントの応募基準をもちろん上回っています。
国際エアライン科のポイント
■航空業界に求められる力が磨ける
航空業界に関する専門知識を習得することはもちろん、コミュニケーション力やホスピタリティ?マインドを身につけ、人間力を高めていきます。2年次からは接遇中国語または韓国語も学び、航空業界に求められる人材としての成長をめざします。
授業例「接遇力養成講座」
接客場面などにおいて円滑なコミュニケーションをとるために必要なノウハウを学びます。心理学や行動分析理論を取り入れ、レベルの高い即戦力となるスキルを身につける授業です。
■就職活動に手厚いサポートがある
教員?キャリア教育センター?学生が一つのチームとなり、全員で内定獲得という夢の実現に取り組んでいます。航空業界に内定した先輩が後輩に向けて企画?開催する内定者報告会や現役航空会社社員による特別セミナーなど、イベントや研修も豊富です。
国際エアライン科 2年間のスケジュールイメージ
◆航空業界に就職した卒業生のインタビューを掲載しています
◆国際エアライン科で実施したイベント等のレポートを掲載しています
国際エアライン科の実績は高く評価されており、毎年多くの内定者をキャビンアテンダント(客室乗務職)として輩出しています。
※実際に内定先企業に進路を決定した人数(実数)です。辞退者は含みません。
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?神田外語学院の教育の特長について以下の記事もご覧ください!
6.まとめ
本稿で解説した内容は以下の通りです。
- キャビンアテンダントの採用試験では英語力が求められる。
- 基準はTOEIC600点(英検2級程度)以上だが、700点(英検2級A程度)以上あるとよい。
- 国内線では英語を使う機会は多くないが、国際線では訓練?接客?クルー同士の会話でも英語を使う。TOEICスコアよりもスピーキング力が大事。
- キャビンアテンダントに求められるのは英語力だけではない。総合的な「人間力」が重要。
- 英語力と人間力を磨くなら専門学校に通うのがおすすめ。
最低限の英語力でもキャビンアテンダントとして活躍することは可能のようですが、より高い英語力?人間力があれば仕事のクオリティが向上し、より仕事が楽しくなるのは間違いありません。
今のうちから英語力?人間力を磨き、周りから頼られるキャビンアテンダントを目指しましょう!
※キャビンアテンダントを目指す方には、以下の記事もおすすめです。
【進路選びに関する記事】 |