「浪人と大学への編入学ってどっちがいいの?」
大学受験で結果が出なかったとき、浪人をしたほうがいいのか、専門学校や短期大学から4年制大学への編入学を目指したほうがいいのか、悩んでいる人もいると思います。
結論から言うと、
- 大学1年生からの入学にこだわるなら?浪人
- 時間と金銭面の効率を優先するなら?大学編入学
を選択するのがお勧めです。
もちろんそれ以外にも判断のポイントはありますが、判断が変わる大きな違いは上記にまとめられます。この記事では、浪人と編入学の違いや、それぞれのメリット?デメリットもまとめています。
最後まで読めば、浪人と編入学の違いが詳しくわかり、どちらを選ぶべきか進路が明確化してくるでしょう。
大学編入学とは
専門学校や短期大学を卒業後、4年制大学に2年生または3年生として途中から入ることができる制度です。専門学校や短期大学の在学中(主に2年次の夏~冬)に編入学試験を受験し、合格すると翌春から大学2年生や3年生として4年制大学に編入学できます。
日本にある700校以上の大学のうち、専門学校からの編入学を受け入れているのは国公立大を含む約7割程度。東北大学、名古屋大学などの旧帝大や、法政大学、駒澤大学なども含まれます。また、9割以上の大学が短期大学からの編入学を受け入れています。
専門学校から4年制大学の3年次に編入学する流れは以下の図の通りです。
1.「浪人」と「編入学」6つの違い
浪人と編入学の違いは、大きく以下の6点が挙げられます。
1-1.受験教科?科目
浪人(私大)
多くの場合、文系は英語?国語?社会の3教科、理系は英語?数学?理科の3教科です。
浪人(国公立大)
国公立大の場合は基本的に大学入学共通テストを受ける必要があります。指定教科?科目数は大学?学部により異なりますが、5教科7科目~7教科9科目が標準的です。二次試験では、文系なら英語?国語?社会など2~3教科、理系なら英語?数学?理科など2~3教科を受験することになります。
編入学(共通)
編入学試験は一般的な入試とは異なり、多くの場合が英語?小論文?面接の3科目です。大学によってはこのほかに、出願学部の専門科目(法学や経済学)などが課されることもあります。小論文と面接は主に専門科目に関する内容になるため、実質は英語と専門科目の2科目というイメージです。ただし、それぞれ対策にそれなりの時間が必要です。
1-2.入試の難しさの種類
浪人と編入学では入試の難しさが異なります。と言っても、単純な難易度ではなく、難しさの種類が違うということです。以下で詳しく説明します。
浪人(一般入試)
編入学と比べると、単純に受験教科?科目が多いため難易度は高いと言えます。特に国公立大志望の場合は、概ね5教科~7教科をカバーする必要が出てくるので、さらに難しくなります。また、編入学と比べて基本的に一般入試の方が倍率が高いのも特徴です。
※参考:学部編入学の志願者数?合格者数の新皇冠体育(大学入学情報図書館RENA調べ)
さらに、入試日程が2月集中しているため、複数校受験の場合は短期間で一気に受験しなければならないという難しさもあります。
編入学試験
編入学試験の科目は少ないですが、少ないからこそ1科目ごとの重要度が比較的高いと言えます。特に英語試験は一般入試よりも高いレベルを求められる傾向にあります。
また、編入学先で学ぶ専門分野(法学や経済学など)についての基礎知識を習得できているかを問われます。一般的な大学入試と比べ、専門科目の試験対策情報はあまり見つけられないことが多いのも難しさの一つと言えます。さらに、専門科目の知識は小論文や面接で問われることが多いため、独学で対策するのは困難です。誰かのサポートが必要になるでしょう。
※編入学試験の難しさについては以下の記事で詳しく解説しているので、参考にしてみてください。
編入学試験も高倍率になることがあります。理由として、基本的に共テによる足切りがないという点が挙げられます。TOEIC?のスコアが課される場合は別として、編入学試験は規定単位数さえあれば(または卒業見込みであれば)、誰でも受験ができるためです。中には「受かったらラッキー」程度の記念受験の人もいますが、編入学試験の方が倍率が低いから簡単と思ってはいけません。
1-3.受験できる大学?学部
浪人であれば基本的に全ての大学?学部の受験資格があります。一方で、そもそも編入学試験を実施していない大学?学部もあります。
日本にある国公立大学?私立大学700校以上のうち、
専門学校からの編入学を受け入れている大学?全体の約70%
短期大学からの編入学を受け入れている大学?全体の約90%
という割合です。
例えば、東京大学や慶應義塾大学は専門学校や短期大学からの編入学を受け入れていません。※2024年時点
また、学部によって編入学試験を実施していないという大学もあるので、希望する大学?学部の最新の募集要項を必ず確認してください。
編入学の受け入れに関しては、年によって変更になる可能性があります。これまで編入学試験を実施していた大学でも次年度から廃止になったり、新たに編入学生の募集を開始したりすることがあります。例えば、北海道大学経済学部は2020年度で編入学試験廃止、関西学院大学経済学部はしばらく中止していた編入学試験を2020年度から再開しました。
1-4.卒業までにかかる時間
1浪して大学に入ると、卒業までは最短でも5年かかります。一方で、専門学校等から大学の3年次に編入学する場合、卒業までの期間は合計4年間で済みます。つまり、現役で大学に入った人たちと同じタイミングで卒業できるということです。
1-5.卒業までにかかる金額
浪人する場合、多くの場合は予備校に通うことになると思います。All Aboutの記事によると、浪人生の1年間の予備校費用は、夏期講習?冬期講習も合わせると約100万円。現役で大学に入るケースに比べ、卒業までにかかる総額は100万円程度多くなります。
一方で編入学の場合は、専門学校や短期大学の2年分の費用+大学2年分の費用のほか、編入学試験の受験料や大学の入学金が別途発生するため、通常の大学入学に比べ、最低でもプラス31万程度は見込む必要があります。
(参考)
?文部科学省「平成30年度 私立大学入学者に係る初年度学生納付金平均額(定員1人当たり)の調査結果について
?東京都専修学校各種学校協会「平成30年度 学生?生徒納付金調査」
※編入学にかかる費用の詳細については、以下の記事で詳しく解説しています。
1-6.就職活動までの時間
3年次編入学の場合、大学に入ったその年にすぐ就職活動が始まるため、非常に慌ただしくなります。就職活動までの時間を見ると、浪人して大学1年から入学した方が余裕があると言えます。
2.浪人と編入学のメリット?デメリット
浪人と編入学のそれぞれメリット?デメリットを紹介します。
2-1.浪人(一般入試)のメリット?デメリット
メリット
浪人の最も大きなメリットは、どこの大学?学部でも受験できることです。そもそも編入学試験を行っていない大学?学部もあるため、行きたい所が明確に決まっている人にとっては浪人の方が良い場合があります。
また、1年生から入ることができるので、編入学に比べて時間に余裕をもって就活に臨める、教職課程の履修や長期の交換留学が可能になる、友だちを作りやすいなどのメリットもあります。
デメリット
最も大きなデメリットは、1年という時間と約100万円の予備校費用が発生する点です。入試の試験科目の多さや、入試の日程の被りなどもデメリットになりますが、それらは努力や工夫で変えられる部分もあります。
2-2.編入学のメリット?デメリット
メリット
編入学の一番のメリットは、時間と費用を短縮?圧縮できることです。また、編入学では国公立大でも試験教科?科目が少なくなるというのもメリットです。現役時代は試験教科?科目がハードルとなって国公立大を敬遠していたという人にとっては、進路選択の幅が広がります。
当ブログを運営する専門学校 神田外語学院の学生の中にも、当初は私立大志望だったものの、学費の面も含めて国公立大学に魅力を感じ、進路を変更して合格したという人がいます。
そのほか、面接が就職試験の予行演習になることなども挙げられます。
デメリット
最大のデメリットは、編入学制度がない大学は受験できないことです。志望校が編入学試験を行っていない場合は、必然的に浪人することになるでしょう。そのほか、互換できる単位が少ない場合があることや、就職活動まで余裕がないことなどが挙げられますが、工夫することで解消できるものもあります。
※各メリット?デメリットについては、以下の記事でさらに詳しく解説しています。
3.浪人と編入学、どちらが向いているか判断するためのポイント
「浪人が向いている人」「編入学が向いている人」を判断するためのポイントをまとめました。最も重視すべき要素を赤字にしています。
3-1.浪人が向いている人
■大学1年生からの入学にこだわりがある人
いくつか向いている人のタイプはありますが、この理由が最も浪人か編入学かを分ける要素であると言えます。
大学で1年生からしっかり学びたいと思うことや、大学生活を1年から楽しみたいと思う気持ちは絶対にあると思います。そこを否定する必要はありませんので、その気持ちを強く持っている人は浪人して、しっかり1年生から入学しましょう。
■編入学試験を受け入れていない大学?学部を狙っている人
絶対に●●大学に行きたい!と思っている人もいると思いますが、もしその大学が編入学試験で受け入れをしていないのであれば、浪人を選択した方が良いでしょう。その場合、編入学を選択すると後悔することになります。
ただ、一点注意が必要なのは、特定の大学ではなく■■学部に行きたい、▲▲を学びたいと思っている場合です。お目当ての大学は編入学試験を受け入れていないかもしれませんが、同系統のことを学べる別の大学で編入学を受け入れている場合もありますので、事前にチェックしておきましょう。
■時間にゆとりをもって大学生活を送りたい人
浪人をして大学1年生から入ると、留学やインターンシップ(就業体験)、アルバイト経験など様々なことに挑戦する時間があります。編入学試験の場合、入るまでは受験勉強、入ってからは就職活動と比較的慌ただしくなりますので、時間にゆとりをもって大学生活を送りたい人は浪人を選択した方が良いでしょう。
■友達やネットワークを大学で多く作りたい人
先ほども述べた通り、大学に1年生から入った方が友達が多くできやすく、サークル活動などもあるためネットワークづくりの面でプラスが大きいでしょう。
3-2.編入学が向いている人
■時間と金銭面の効率を優先する人
編入学の最大のメリットは最短で4年間で大学卒業可能、浪人の費用も不要という点につきます。別の記事でもご紹介していますが、編入学をしたことが就職試験でマイナスになることはほとんどありません。時間と金銭面の効率を優先する人であれば、編入学という選択肢はアリだと思います。
■国公立大学や中堅私大を目指す人
編入学試験では国公立大学の受験にセンター試験の受験が必須ではないため、国公立大学を狙う人には編入学はお勧めです。また一般入試と違い以下のように受験日程にバラつきがあるため、国公立大学を複数受験することもできます。
また上智大学や国際基督教大学など私大上位は編入学の受け入れ枠が少なく、短期大学以上を受け入れの条件にしている大学も多いです。受け入れ枠の多い中堅私大を目指すのであれば編入学がお勧めです。
■少ない科目で受験したい人
国公立大学でも私立大学でも「英語?小論文?面接」などの少ない科目で受験が可能なケースが多いです。英語は1科目相当ですが、小論文や面接については専門科目(法学や経済学など受験する学部の専門科目)を中心としたものになるため、実質2科目に近く、対策範囲が限定しやすい傾向にあります。
■英語が好きな人/英語に抵抗がない人
上記の通り、英語と専門科目が中心になるため、英語の重要度は非常に高いものになります。英語が好きな人や英語に抵抗がない人の方が、編入学試験に前向きに臨めるでしょう。
必要な英語力については、以下の記事を参考にしてみてください。
4.編入学を目指すなら神田外語学院がお勧め
専門学校 神田外語学院からは毎年多くの学生が4年制大学に編入学しており、直近の3年間で合格者は900名以上にのぼります。以下にて神田外語学院の特徴をご紹介しますので、ぜひ進路の選択肢の一つして検討してみてください。
(1)難関校含め、多数の編入学試験合格実績を誇る
(2)毎日英語の授業が行われるため、日々の授業が編入学対策に
(3)充実の大学編入学対策講座
(4)編入学に特化した学科と専攻がある
(5)編入学試験対策を知り尽くしたスタッフがあなたの編入学をばっちりサポート
4-1.合格数が直近3年間で915名と豊富な実績を誇る
神田外語学院から4年制大学の編入学試験(若干名の進学試験含む)に合格した人数は直近3年間で915名にのぼります。東京外国語大学や東北大学、名古屋大学などの国公立大学をはじめ、青山学院大学や法政大学といった有名私立大学など、様々な大学への編入学?進学実績を築いています。
短大併修制度
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実は上記の表に記載のある大学のうち、中央大学などは専門学校からの編入学を受け入れていません。しかし神田外語学院では、自由が丘産能短期大学の通信教育課程を在学中に同時に併修することで、卒業時に専門士と短期大学士の両方を取得することができるため、短期大学等からの編入学しか受け入れていない大学にも編入学することができます。
【短大併修が必要な主な大学(一部抜粋/2020年度情報)】
上智大学、学習院大学、明治大学、立教大学、中央大学、明治学院大学
※早稲田大学は「基幹理工学部」と「先進理工学部」のみ編入学を受け入れ
※慶應大学の編入学試験は内部からの転部が主になるため、編入学実績はありません
※原稿執筆時点と情報が変更になる可能性もあります。出願の詳細につきましては、必ず各大学のHPをご確認ください。
4-2.毎日英語の授業が行われるため、日々の授業が編入学対策に
神田外語学院では、EIC(国際コミュニケーション英語)という外国人から英語で英語を習う授業が、1年次に週5回、2年次に週4回、必修になっています。授業の中で日本語は禁止。英語漬けの環境の中で英語の4技能を向上させるため、毎日の授業が自然と編入学対策になっていきます。
また編入学試験にはTOEIC?のスコアが活用されることが多いですが、神田外語学院にはそのTOEIC?に特化した授業も行われています。在学中に700点以上を取得した学生が約3割にのぼるなど、TOEIC?対策もしっかり行っています。
4-3.充実の大学編入学対策講座
普段の授業に加えて、大学編入学対策に特化した講座も行っています。この対策講座を通じて、学部ごとの専門科目や小論文の対策を行っていくことができます。
(1)編入学試験英語対策
編入学試験に出題される下線部訳、文章の要約、長文の読解など、受験英語特有の問題の解答練習を行います。また、英語小論文対策として、与えられたトピックについて自分の考えをまとめ、英語で小論文やエッセイを書く訓練をします。
(2)学科別専門科目対策
神田外語学院の学生がこれまで学んでいない分野の学部に編入学するためには、その学科の基礎知識を学習する必要があります。過去の実績から各分野の講座を開講しています。
■経済学概論 ■経営学概論 ■国際関係学概論 ■法学/政治学概論 ■社会学概論 ■言語学/英語学概論 ■英米文学概論 ■コミュニケーション学概論
(3)日本語小論文対策講座
文章の構成、的確な表現法、修辞法、比喩法、引用法など小論文の書き方とともに、自分の考えを論理的にわかりやすく表現するスキルを学びます。
(4)編入学対策講座
1年次3学期に、編入学を希望する全学生を対象に実施します。大学研究?志望校選択?小論文対策?英語学科試験対策?面接の受け方(模範模擬面接)など、編入学試験全般に関する対策?準備を授業の一環として受講します。
4-4.編入学に特化した学科と専攻がある
神田外語学院の英語専攻科では、1年次の3学期から「大学編入専攻」という大学編入学に特化した専攻を選択することができます。
編入学に特化したカリキュラムになっており、授業の中で「編入学対策に特化した英語」や「小論文の書き方?文章作成能力」を学ぶことができます。
【大学編入専攻 授業例】
◆大学編入対策A
新皇冠体育、及びその他の大学への編入学試験に合格するための英語力を強化します。文法?長文読解?和訳?英訳の演習を基礎から上級レベルまで行います。
◆大学編入対策B
大学編入学試験対策として、主に小論文の書き方を学びます。基本的な文章の書き方?文章構成の仕方を学びながら、実際に文章を書く演習を継続して行い、大学編入学試験で合格するための文章作成能力を養います。
4-5.編入学試験対策を知り尽くしたスタッフがあなたの編入学をばっちりサポート
神田外語学院には、編入学のサポートに特化した「大学編入センター」があります。
◆英語の訳文指導
◆小論文の添削
◆面接練習
◆進路(志望校)選択相談
など編入学に深い知見を持つ教職員が、皆さんの大学編入学に向けて一緒に伴走します。
その他、編入学入試に合格した学生の声を以下からご覧ください。
◆東京外国語大学 3年次編入学 森崎さゆりさんインタビュー
◆東京外国語大学 3年次編入学 守屋あゆ佳さんインタビュー
◆筑波大学 3年次編入学 松下 彩華さんインタビュー
◆【編入学合格者インタビュー】東北大学/埼玉大学
◆編入学合格者インタビュー〈立命館アジア太平洋大学/駒澤大学/京都外国語大学〉
◆編入学合格者インタビュー〈新皇冠体育イベロアメリカ言語学科〉
◆編入学合格者インタビュー〈新皇冠体育アジア言語学科〉
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?神田外語学院の教育の特長について以下の記事もご覧ください!
5.まとめ
いかがでしたでしょうか。今回の記事では以下4点についてお話してきました。
◆浪人と編入学には大きく6つの違いがある
◆浪人と編入学にはそれぞれメリット?デメリットがある
◆大学1年生からの入学にこだわるのであれば「浪人」が向いている
◆時間と金銭面の効率を優先するなら「大学編入学」が向いている
皆さんがベストな進路を選択できることを祈っています!