活躍するKUIS在外公館派遣員たち(Vol.91/サウジアラビア)

高橋 響さん(外国語学部英米語学科3年)
アッサラームアライクム!元サウジアラビア日本大使館派遣員の高橋と申します。今回は、私が派遣員を目指したきっかけや大使館での業務内容、そしてサウジアラビアでの生活をご紹介いたします。

派遣員を目指したきっかけ

私が派遣員をめざしたきっかけはまさにこのホームページでした。高校生の頃進路を考えている際にこのホームページを見つけ、進路を決めました。入学後も、久保谷先生の下で同じく派遣員を目指す仲間たちと一緒に学んでいくうちにより一層挑戦したい気持ちが強くなり、3年生が終了したタイミングで受験しました。

大使館での業務

私の業務は主に、大使館員や公用出張者が外交活動をする上で必要なサポートを提供することでした。館員や出張者が訪問する際の出入国支援や宿舎留保、フライトチケットや配車を手配して、彼らの外交活動が円滑に行えるように、関係各所と調整交渉を行なっていました。出張者がいない時は、経理補佐や資料作成、現地職員のマネジメントなど、幅広い業務を担当していました。他にも現地企業や旅行代理店、ホテル関係者とコーポレート契約を結んだり、公用品調達の交渉を行なっていました。 また、総理大臣や国務大臣が訪問した際には専用の体制が作られ、私は配車班として全体の車列形成や裏配車、乗せ込みなどを担当しました。サウジアラビアは日本との関係も深く、私の赴任した2023年には日?サウジ首脳会談もあり、1年目から大規模な便宜供与を経験出来ました。結果2年間で岸田前総理大臣をはじめ、複数回の外務大臣、他省庁大臣などの政府要人訪問を経験することが出来ました。

サウジアラビアでの生活

サウジアラビアの生活は娯楽が少なく、イスラム教の厳格な宗教規範が深く根付いた新鮮で刺激的なものでした。気候も日本とは異なる乾燥した砂漠気候で夏には50℃にも達する過酷な環境でした。ラマダンの時期には日中は絶食し、夜になると夜通しパーティーになるため生活リズムが変わるなど、様々な経験をすることが出来ました。 また、現地に滞在する邦人が少ないためコミュニティは大きくなく、大使館員や企業の方と深く関わることが出来ました。休日は館員とテニスをしたり、企業の方のお家でホームパーティをするなどして過ごしていました。

最後に

派遣員として過ごす2年間は大変貴重で、インパクトの大きい経験でした。もちろん楽しい事ばかりではなく、辛いことや上手くいかない事も数多くありましたが、それらのおかげで自分が成長出来たのも事実です。私が派遣になり、この2年間を経験することが出来たのは久保谷先生をはじめとする、支えてくれた家族や一緒に学んだ友人のおかげです。本当にありがとうございました。 今後派遣員を目指される方は、赴任した地で自分にしかできない経験を沢山積んで欲しいと思います。派遣員になるまでの努力と2年間の経験はその後の人生で絶対に役に立つので、少しでも興味のある方は是非挑戦して見てください。少しでも多くの方が目標を達成できることを願っています。

サウジアラビア王国(Kingdom of Saudi Arabia)

【外務省HP/一般事情より】
1. 面積:215万平方キロメートル(日本の約5.7倍)
2. 人口:3,217.5万人(2022年、サウジアラビア国勢調査)
3. 首都:リヤド
4. 言語:アラビア語(公用語)
5. 宗教:イスラム教