活躍するKUIS在外公館派遣員たち(Vol.90/カナダ)

中村 野乃花さん(外国語学部英米語学科2023年3月卒)
皆様こんにちは。元在カナダ日本国大使館派遣員の中村野乃花と申します。今回は、私が派遣員を目指したきっかけや大使館での業務内容などをご紹介いたします。これから派遣員を目指す方や、派遣員に興味がある方にとって、少しでもお役に立てれば幸いです。

派遣員を目指したきっかけ

在学中にカナダのバンクーバーへ1年間留学し、そこでのインターンシップを通して海外で働くことの楽しさを知りました。帰国後、また海外で働きたいという漠然とした思いを持ちながらも、具体的に何をやりたいのかが見つからず、就職活動の方向性に迷っていた時に出会ったのがこの在外公館派遣員という仕事です。2年間海外の在外公館に勤務して日本の外交を間近で支える立場として業務に携わることができるという点にとても魅力を感じ、挑戦することを決めました。半年間試験対策に集中し、卒業と同時にカナダへ赴任しました。

大使館での業務

カナダ大は本官約30名、現地職員約40名の中規模公館です。私は総務班に所属しており、主な業務内容は以下の通りです。 ?館員の離着任支援(空港送迎や口座開設等の生活立上げ支援) ?館員の出張支援(ホテルや航空券の手配) ?配車管理 ?査証やIDの取得(書類の作成や加外務省との連携) ?便宜供与(日本の外務本省との連携) ?応援出張(モントリオール、シャルルボワ、米国ノースカロライナ州に行きました) ?簡単な資料の翻訳 ?SNS運用(大阪万博の広報) ?公式行事の運営支援 派遣員について、雑用的な業務が多いイメージを持たれる方もおりますが、私が勤務していた大使館では大きな責任を伴う業務も多く、また、カナダ国内の4つの総領事館とカナダ外務省とを繋ぐ窓口としての機能も果たしているため、とても意義深い役割を担っていると感じました。

カナダでの生活

カナダの首都はどこだか知っていますか? トロントやバンクーバーだと思っている方も多いかもしれません(私も数年前まではそのうちの1人でした笑)が、カナダの首都はオタワにあります。 オタワは日本からの直行便がなかったり、カナダの他の大都市に比べると街の規模が小さく、観光地感もないため館員からはしばしばオワタと呼ばれていました(笑)が、私にとってのオタワでの生活はとても充実していました。夏は涼しく冬は極寒で、暑さに弱い私にとっては理想的な環境でした。 日本の食べ物や生活用品は基本的になんでも手に入り、生活水準も日本とほとんど変わらないため、とても快適に過ごしていました。カルチャーショックといえば、薬物中毒者が街中に屯っているところが挙げられますが、それもカナダの特徴として受け入れられるようになりました。 カナダは自然豊かな国で、日本では見られないような自然現象やきれいな景色がたくさんあるので、休日や長期休暇を使って国内旅行を楽しみました。末尾に写真が掲載されていますので是非ご覧ください!

最後に、これから派遣員を目指す皆様へ

派遣員と一言に言っても、派遣される国や公館によって業務内容や生活は様々です。私は職場環境や派遣地域にとても恵まれていたと思っています。派遣員になって何をやりたいのかを考えるのも大切ですが、その先の派遣員の任期が終わった後に何をしたいのかを考えながら過ごすことでより有意義な2年間になると思います。私にとってこの2年間は、自身の成長と、将来の目標を見つけるための貴重な時間でした。就職活動において新卒の肩書きを手放すことに不安もありましたが、振り返れば、派遣員として過ごした日々はかけがえのない経験となり、今では人生の大きな財産になったと感じています。 これから派遣員を目指す皆様が、悔いのないキャリアを築けるよう心から応援しております。

カナダ(Canada)

【外務省HP/一般事情より】
1. 面積:998.5万平方キロメートル(ロシアに次ぐ世界第2位、日本の約27倍)
2. 人口:約4,010万人 (2023年 カナダ統計局推計)
3. 首都:オタワ
4. 言語:英語、フランス語が公用語
5. 宗教:国民の半数以上(53.3%)がキリスト教徒(約29.9%がローマ?カトリック)、約3割(34.6%)が無宗教(2021年カナダ統計局)