活躍するKUIS在外公館派遣員たち(Vol.85/韓国)

韓国語専攻2022年卒の入澤亜季です。
2022年9月から2年間、韓国にある在釜山日本国総領事館に勤務しておりました。
私の体験談が少しでも派遣員に関心がある方の参考になれば幸いです。そして釜山の魅力もお伝えできればと思います。

派遣員試験を受けたきっかけ

3年生で就職活動を進めながら、新卒ですぐに韓国語を活かせる職種?ポストに就くことに限界を感じました。
そんなとき在外公館派遣員制度の赴任国の中に韓国があることを知り、久保谷先生の講座に参加することになりました。
初めて受けた派遣員試験は一次で落ちてしまいましたが派遣員になりたい気持ちが捨てきれず2回目の試験で釜山総に内定をいただくことができました。

いつも私のやりたいことを肯定し応援してくれる両親、派遣員試験に向かう中温かく激励してくださった久保谷先生?江波戸さん、4年間韓国語を基礎からご指導くださった韓国語専攻の先生方、切磋琢磨したふーちゃん(現済州総領事館派遣員)へこの場を借りて心から御礼申し上げます。

仕事

他の派遣員の体験談にも多くあるように、官房?総務班に所属し、航空券やホテルの手配、館員の離着任支援、会計業務の補助、館内行事の取りまとめ、出張者対応などを主に担当していました。
アルバイトとは違い研修期間などなく、前任者から数日間引き継ぎしていただいたらそのあとは1人、という状況ではじめは何が何だかわからない状態でした。 (赴任当初デスクの電話が鳴るたびにビクビクしたり、メール一通送るのにも緊張したり、と慣れない社会人生活で落ち込むことも多い中、神田からの同期2人(在スーダン大、在カンボジア大)と時差がある中でもグループ通話で何度も励まし合ったのは良い思い出です。)

釜山総は日本人館員15名現地職員35名ほどで総領事館としては人数が多いものの、全員の顔と名前が一致する規模のアットホームな雰囲気の公館でした。
上司には、専門用語や仕事内容の指示以外にも、仕事の進め方や報連相の重要性など社会人としての基礎やマナーを温かく教えていただきました。
同じ部署の現地職員も大変親切で、仕事で行き詰まったときはいつでも誰かに相談できる環境がありがたかったです。
また、韓国には釜山以外にもソウルの大使館?済州の総領事館にも派遣員がいるため、横のつながりがあることも心強かったです。

2年間の勤務の中で特に印象に残っているのは釜山で行われた日中韓外相会談のロジです。私にとっては初めての大型ロジであり、館内としても久しぶりの管轄地で行われるロジでした。長期にわたる準備期間で体力も気力も消耗しましたが、無事任務を終え大臣が乗った飛行機が飛び立ったときの達成感は言葉では言い表せないものでした。

生活

海と山に囲まれた釜山は、都会でありながらもいつも身近に自然があり、高いビルの間に古い食堂などが共存しているどこか温かみの感じる都市です。
方言が強い地方のため、赴任前は、「聞き取れなかったらどうしよう」という不安がありましたが、職場で毎日現地職員の方言を浴びているうちに聞き取れるようになりました。
(次第に私も訛ってしまうように…笑)
平日の昼食は、現地職員と外に食べに行くことが多かったのですが、私にとって一番釜山を学ぶ時間でした。(美味しいお店、マナー、方言等)
釜山の人は無愛想に見えても人情深い人が多く、職場でも買い物に行った先の市場や食堂でもその温かさや素朴さを感じるたびに釜山が大好きになりました。

週末や連休は、国内旅行をしたり、日本語と韓国語の言語交流の集まりに参加したりもしました。大型連休などを使って家族や友達が遊びに来てくれることもよくあり、釜山のお気に入りの場所を案内できたことが嬉しかったです。

最後に

未熟な私が無事任期を終えることができたのはひとえに館員の皆さまと現地職員の皆さまのお陰です。
仕事を学ばせていただいたことはもちろんですが、何よりも人生の先輩として様々なことを教えていただきました。
ここで得た学びと出会いを大切に、今後も邁進して行きます。