活躍するKUIS在外公館派遣員たち(Vol.79/サウジアラビア)
元在サウジアラビア日本国大使館派遣員の若山 鉄雄さんをご紹介します
はじめに
2012年9月から3年間、在サウジアラビア日本国大使館に派遣員として勤務しておりました。受験当時は既に一般企業に就職しておりましたが、母校で勉強会を開催していることを耳にし、仕事の合間に先生のオフィスを訪問して面接対策を行って頂いた結果、ご縁を頂くことが出来ました。あの時のことは今でも大変感謝しております。
サウジアラビアは今でこそスポーツイベントや観光客誘致に力を入れているオープンな国となりましたが、当時は外国人の入国が大変難しく、生活に関する情報も少ない未知の国でした。その分普通ではなかなか行くことの出来ない国に赴任できたことは大変運が良かったと思います。
現地での生活
現地ではセキュリティの関係上コンパウンドと呼ばれる塀で囲われた集合住宅に住んでおりました。中では単身者向けのスタジオタイプの部屋や、家族向けのヴィラタイプの家屋に様々な国からの駐在員が生活しています。他国と比べて在留邦人が少ないため、週末はフットサルやホームパーティーをするなど、官民問わず在留邦人の交流が盛んでした。当時お会いした方々とは今でも交流が続いています。
アルコールが禁止、豚肉が手に入らない、1日5回のお祈りの際は店やレストランが閉まってしまうなど、日常生活だけでもここには書ききれないほどの取り越し苦労もありましたが、在留邦人同士助け合いながら生活しておりました。
派遣員の仕事
現地では主に来訪者の宿舎や車両の手配、各所へのアテンドなどの便宜供与業務、出張に出る館員の航空券の手配や備品管理などの庶務、大使館主催のイベントやレセプションの対応などを担当しておりました。当初は空港、ホテル、旅行会社関係者等との折衝がスムーズにいかないことも多々ありましたが、何度も足を運ぶことで徐々に信頼関係を構築することが出来たと思います。
仕事に際しては現地職員の方々と協力し合いながら業務に励んでおりましたが、大使館内ではあらゆるバックグラウンドの職員が勤務しており、とても国際色豊かな職場でした。
任期中は総理大臣の外遊に関わる機会が多くあり、同じ国内のジッダの他、カタール、オマーン、オーストラリアまで出張して受け入れ業務に携わりました。派遣員の同期と一緒に仕事する機会もあり、世界各国の公館から集まったメンバーと切磋琢磨し、無事任務を終え政府専用機が飛び立った時の達成感は何事にも代え難いものでした。
最後に
3年間の任期を無事全う出来たのは、館員の上司の皆さんや現地職員の皆さんの支えがあったからに他なりません。 それまで縁もゆかりも無かった国で派遣員として仕事ができたことは、私にとって人生の大きな財産となっています。 またいつの日か、何らかの形でサウジアラビアに関われることを夢に見ています。
サウジアラビア王国
【外務省HP/一般事情より】
1. 面積:215万平方キロメートル(日本の約5.7倍)
2. 人口:3,217.5万人(2022年、サウジアラビア国勢調査)
3. 首都:リヤド
4. 言語:アラビア語(公用語)
5. 宗教:イスラム教
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