活躍するKUIS在外公館派遣員たち(Vol.75/カンボジア)

元在カンボジア日本国大使館派遣員の永尾 智美さんをご紹介します

永尾 智美さん(中央:国際コミュニケーション専攻2021年卒業)

こんにちは、国際コミュニケーション学科卒の永尾です。
卒業後はカンボジアの首都プノンペンにある、在カンボジア日本国大使館にて派遣員を務めさせていただきました。

皆さんはカンボジアにどのようなイメージがあるでしょうか。
日本ではアンコールワットや過去のポルポト政権が知られていますが、現在のカンボジアについて詳しい方は少ないのではないでしょうか。
私もカンボジアへの赴任が決まった時、カンボジアについての知識はほとんどありませんでした。ネットや本で調べてみても過去の暗い歴史や現在の都市部の治安の悪さなどネガティブな情報が多く、それに対する不安と、自分にとって未知の国で働き生活するというワクワク感が入り混じった状態で赴任したのを覚えています。

実際に滞在してみると、生活はとても快適でした。プノンペンには様々な国籍の方が滞在しているため、レストランも多国籍で本格的なお店が多く、スーパーやマッサージ店もローカルでお手頃なお店から洗練されたお洒落なお店まで様々なものがありました。公共交通機関はあまり発達していませんが、アプリでデリバリーやトゥクトゥクのタクシーを呼ぶこともできるので不便さを感じることは少なかったです。

休日はマッサージに行ったり、友人と新しいレストランに行ってみたり、定期的に開催される現地のエシカルビジネスのイベントに遊びに行ったりして過ごしていました。プライベートではカンボジアに駐在している外国人の方々とお話しすることも多く、様々な人生経験や価値観を共有してもらい、視野や興味が大きく広がったと感じています。派遣員の仕事では、便宜供与や会計業務、事務作業などを経験させていただきました。

私の着任した2021年3月はコロナの最中だったため、着任後の隔離期間の関係で前任からの引き継ぎは1日でした。また、コロナ関係の追加業務やテレワークの実施など仕事をスムーズに進めることが難しく感じることが多く、落ち込むことも多々ありました。うまくいかないこともたくさんありましたが、自分の欠点を見つめる良い機会になりました。派遣員で初めて社会人を経験される方の場合、仕事中の振る舞い方など社会人としてのマナーを事前に学んでおくことはとても重要だと感じました。また、私の業務の場合はメールを日本語でも英語でもやりとりすることが多かったため、日本語と英語のどちらとも基本的なメールの書き方を学んでおくと役に立つと思います。コミュニケーションについても、その国で好まれるコミュニケーションの取り方を学んでおくと、現地の仕事相手ともスムーズに業務を進められるのではないかと思います。

他にも突然のロックダウンで外出ができなくなったり、急ぎの業務が入ったりとプライベートや仕事でも大変なことは多々ありましたが、派遣員になったからこそ、カンボジアで外務省や他省庁の方々と仕事をし、総理大臣や外務大臣のロジなど貴重な経験も多くさせていただくことができました。どんな人でも、派遣員の仕事を通して得るものはたくさんあるのではないかと思います。

派遣員を目指している皆さん、応援しています!

カンボジア王国

【外務省HP/一般事情より】
1. 面積:181,035平方キロメートル
2. 人口:15.3百万人(2019年カンボジア国勢調査)
3. 首都:プノンペン
4. 言語:クメール語
5. 宗教:仏教(一部少数民族はイスラム教)