活躍するKUIS在外公館派遣員たち(Vol.69/フィリピン)

元在フィリピン日本国大使館派遣員の広瀬 満莉乃さんをご紹介します

広瀬 満莉乃さん(英米語学科 2021年卒業)

はじめに

Mabuhay!
在フィリピン日本国大使館で2021年から2年間派遣員として任期しておりました。
自身のマニラでの生活や派遣員業務の経験を書かせていただきますので、派遣員に興味がある方の今後のモチベーション、そしてフィリピンへ興味を持っていただく機会になれば嬉しいです。

フィリピンでの生活

フィリピン(正式名称:フィリピン共和国)は首都をマニラとする島国で、7000島以上の島が存在します。公用語はタガログ語と英語であり、私生活やビジネスシーンで英語を主に使用できます。また、日本やアメリカ、スペインの統治下であった歴史的背景、OFW(Overseas Filipino Workers)で海外へ移住しているフィリピン人と様々なバックグラウンドや文化的背景を持った人々と出会うことができます。いろんな方々との出会いを通じ、様々な生き方や人生の選択があるなと視野が広がるきっかけともなりました。

また、フィリピンと聞くと発展途上国のイメージを持つ方が多いのではと思いますが、マニラの都市部では都市開発が大幅に進み、高層ビル群や大型ショッピングモール等の都会と変わらない景色を見受けられ、何より人口は20代が一番多く活気をとても感じます。

先にも挙げたように、フィリピンは7000以上もの島国があります。そのため、マリンスポーツがとても盛んで、休日はビーチで過ごしたり、スキューバダイビングやサーフィン等をしたりして楽しむ方が多いです。私も休日は毎週サーフィンをしたり、ローカルの友達と遊んだりして楽しんでいました。

派遣員業務

在フィリピン大は日本人館員と現地職員を合わせて100名程度の中規公館であり、私生活案件から業務まで多くの事柄を扱いました。所属としては、会計班と総務班に属し、便宜供与として出張者や新着任者のホテル?空港支援を現地関係担当者と協力し遂行させたり、日本人館員の出張のための航空券取得や精算処理を行ったりしました。その他、オフィシャルドライバーの配車管理、大使公邸でレセプションや大きなイベントが開催される際には、見積もり取得、関連業者との交渉から当日の運営までを担当しました。また、必要であれば通訳?翻訳業務にも携わらせていただきました。

特に派遣員として活躍できたこととしては、外務大臣の訪比時ロジや国会議員訪比時のアテンドです。大きなロジでは館が一体となり準備?運営を行なっていき、日頃から付き合いのある空港関係者やホテル関係者とより密接に交渉し協力しながら動く必要があるので、遂行できた際は縁の下の力持ちとしてやりがいを感じました。また、派遣員業務であるアテンド業務では自身の現地での知識を絞り出し、その場の状況に合わせ瞬発的に出張者の要望に合わせて柔軟に動いていくことが求められたので、日頃から様々な知識を吸収していくことを学びました。

全体を通しコロナ禍での着任ではありましたが、イレギュラーな状況に対応することや、館員方のお力添えを頂きながら、社会人としてのマナーや言葉遣い等含め、様々な分野で沢山のことを学ぶことができた2年間でした。

最後に

フィリピンという希望公館でも何でもなかった国に派遣されることになった私ですが、2年間過ごし、今ではフィリピンという国が大好きになりました。
また、これからも繋がっていたいお世話になった館員の皆様やローカルの友達を作ることができ、人生の中でかけがいのない2年間となりました。
今後のキャリアとしても、自身の培ったバイタリティーと経験を活かし世界で活躍できるよう精進していきます。

フィリピン共和国(Republic of the Philippines)

【外務省HP/一般事情より】
1. 面積:298,170平方キロメートル(日本の約8割)。7,641の島々がある。
2. 人口:1億903万5,343人(2020年フィリピン国勢調査)(注)5年ごとの改訂:世銀等による毎年の発表は推計であり、当省としては、先方政府発表に依拠。
3. 首都:マニラ
4. 民族:マレー系が主体。ほかに中国系、スペイン系及び少数民族がいる。
5. 言語:国語はフィリピノ語、公用語はフィリピノ語及び英語。180以上の言語がある。
6. 宗教:ASEAN唯一のキリスト教国。国民の83%がカトリック、その他のキリスト教が10%。イスラム教は5%(ミンダナオではイスラム教徒が人口の2割以上)。