活躍するKUIS在外公館派遣員たち(Vol.67/イラン?イスラム共和国)

“活躍するKUIS在外公館派遣員たち”というテーマで、赴任中または帰国後の様子を紹介するシリーズ第67弾。

元在イラン日本国大使館派遣員の柴田 三揮さんをご紹介します

柴田 三揮さん(英米語学科2020年3月卒業)

サラーム!皆さん、こんにちは!
在イラン日本国大使館にて勤務をしていました、柴田三揮(しばたみずき)です。
これから私自身の経験について紹介させていただきますので、派遣員業務に興味のある方や新皇冠体育に興味を持ってくれている高校生など、最後まで読んでいただけると嬉しいです。

イランでの生活

イランの正式名称はイラン?イスラム共和国です。名称にもある通り、国民のほとんどがイスラム教徒(主にシーア派)です。実際に住んでみて思いましたが、イランは他のイスラム圏の国々よりもイスラム教の信仰を守ることを国民に厳格に求めており、満9歳以上の女性は外国人?異教徒であっても公共の場ではヒジャブ(布)をかぶり頭髪を隠し、また身体の線を隠すためコートの着用を義務付けられています。またお酒や豚肉を食することが禁じられており、スーパーなどでも一切販売されておりません。さらにイスラム暦の9月にイスラム教徒は1ヶ月間の断食を行います。その間に我々外国人や異教徒は断食を強いられる訳ではありませんが、国としてラマダンの取り締まりを行っているため、この1ヶ月間は日中にレストランが開けていない場合や、開けていてもデリバリーのみで冷たい食事(スープやサンドイッチなど)しか販売していないことがありました。そんなイスラム教色が強いイランですが、イラン人の方々はとても優しく、親日国として有名なためこちらが日本人とわかるととても親切にしてくださり、また日本語をかなり流暢に話せる現地の方もいるため、買い物に行くと日本語で話しかけられることは多くありました。
館員の方々とは毎週末交流をするほど仲が良く、週末や休暇中には一緒に旅行や雪山へスノーボードをしに行くほどでした。公用語であるペルシャ語を話せるわけではないため、ペルシャ語が話せる館員の方には本当にお世話になりました。
今まで欧米やアジアの国々には行った事がありましたが、中東やイスラム圏は初めてで日本にいるだけでは知り得ないことが多々あり、毎日驚きばかりで思い通りに事が進むことはなかなかありませんでした。良い意味でも悪い意味でも新鮮なことだらけでとても刺激的な2年間でした。

派遣員業務について

在イラン大使館では本官、現地職員を合わせて合計80名ほどが勤務をしており、いわゆる中規模公館と呼ばれています。外務省からだけでなく他省庁や企業からの出向者もいらっしゃいました。担当業務は他の派遣員と同様に便宜供与と官房業務の二つですが、そのほかにも担当業務以外の業務依頼(大使館主催イベントのサポートなど)が来ることが多々ありました。自分自身様々な業務を体験することで自分自身の成長につながると考えていたため、業務をこなす上で困難な場面や体力的に辛い時も多々ありましたがしっかりと遂行することができました。
どんな環境でどんな業務をしていてもそうですが、常に周りが仕事をしやすい環境を構築できるよう心がけることは大切で、派遣員にとってとても大切な考えだと思います。大使館内で一番若く経験の浅い自分がどのように大使館に貢献できるのか、周りの外交官、現地職員を自分のできる範囲でサポートをすることで周りが自らの業務に集中することができます。物事の先々を常に考え周りを見ながら業務を進めていくことでいわゆる“気の利く人”になれるよう努め、大使館内で自分のポジションを構築することができました。

最後に

派遣員としての2年間は自分のかけがえのない財産になりましたし、また2年やり抜いたという自信にも繋がりました。これからも多くの困難に直面していくことがあると思いますが、この経験があったからこそ今の自分がいるということを忘れず、何事にも怖気付かずに挑戦し続け、常に自分をアップデートしていきたいと思います。
皆さんも自分の力を過小評価せず、自らの可能性を存分に引き出すため、常に挑戦し続けましょう!最後まで読んでいただきありがとうございました。

イラン?イスラム共和国(Islamic Republic of Iran)

【外務省HP/一般事情より】
1. 面積:1,648,195平方キロメートル(日本の約4.4倍)
2. 人口:8,399万人(2020年、世界人口白書2021)
3. 首都:テヘラン
4. 民族:ペルシャ人(他にアゼリ系トルコ人、クルド人、アラブ人等)
5. 言語:ペルシャ語、トルコ語、クルド語等
6. 宗教:イスラム教(主にシーア派)、他にキリスト教、ユダヤ教、ゾロアスター教等