活躍するKUIS在外公館派遣員たち(Vol.4/ニカラグア)

“活躍するKUIS在外公館派遣員たち”というテーマで、赴任中または帰国後の様子を紹介するシリーズ第4弾。

元在ニカラグア日本国大使館派遣員の鈴木竜矢さんをご紹介いたします

鈴木 竜矢さん(イベロアメリカ言語学科スペイン語専攻2016年3月卒業)

ニカラグアについては一番詳しい日本人になるつもりで出発

私は、姉妹校の神田外語学院在学時に在外公館派遣員制度の存在を知りました。その時は、学んだ語学をすぐに生かせるという点で興味はあったものの、自分には全く縁のないものだと思っていました。新皇冠体育に編入後も他の分野に興味があったため、勉強会に参加はしていたものの、それほど本気ではありませんでした。そんな状態で一度試験を受けた時に、自信の無かった教養試験は何とか対応でき、自信のあったスペイン語が完敗でした。その時にスペイン語がもう少しできれば受かるかもしれないと思ったのと、スペイン語で落ちた悔しさも重なって、次の試験に向けて本気で勉強を始めました。そして迎えた2回目の試験で無事に合格でき、在ニカラグア日本国大使館に内定が決まりました。ニカラグアという国は想像もしていなかったのですが、これもいい縁だとポジティブに捉え、ニカラグアについては一番詳しい日本人になるつもりでニカラグアに向けて出発しました。

ニカラグアは中米の途上国で、豊かな国とはいえませんし治安も良くないと聞き、不安もありましたが、いざ住んでみると現地の人たちは気さくで接しやすく、ニカラグアのことを知れば知るほど好きになりました。 普段は現地企業とのやりとりの他、通訳?翻訳業務や広報文化業務を担当していました。印象に残った仕事の一つに、運営全般を担った日本の詩人の講演会があります。戦争の歴史や原発 問題などデリケートなテーマの通訳や台本の翻訳まで担当し、準備から当日まで緊張の連続でした。 無事終わったあと、意外な出来事がありました。取材に来た現地メディアの記者が「あなたはニカラグアで生まれ育ったのに、日本の詩が理解できるんだね!」としきりに感心するのです。どうやら現地の人だと勘違いされたようで、がむしゃらにスペイン語を勉強してきて本当によかったと感激しました。途上国という特殊な環境で、24歳ではとても経験できない仕事をさせていただき、人間として大きく成長できた貴重な3年間でした。また近い将来ニカラグアの地に戻り貢献することで、お世話になった方々や友人たちに恩返しをしたいという強い気持ちでいっぱいです。

ニカラグア共和国(Republic of Nicaragua)

【外務省HP/一般事情より】
1. 面積:130,370平方キロメートル(北海道と九州を合わせた広さ)
2. 人口:615万人(2016年:世銀)
3. 首都:マナグア
4. 民族:混血70%,ヨーロッパ系17%,アフリカ系9%,先住民4%
5. 言語:スペイン語
6. 宗教:カトリック,プロテスタント等(国教に関する憲法規定はない)