活躍するKUIS在外公館派遣員たち(Vol.50/タイ)

“活躍するKUIS在外公館派遣員たち”というテーマで、赴任中または帰国後の様子を紹介するシリーズ第50弾。

在タイ日本国大使館派遣員の望月 湖晴さんをご紹介します

望月 湖晴さん(英米語学科4年)

在外公館派遣員制度との出会い

この制度を知ったのは、2年生の冬でした。当時、3年生を前に将来の進路について悩んでいました。中学生の時から目標としていた留学をしないという選択をした時期でもありました。大学入学前と後で留学の目的が変わっていたことに気づいたのです。語学のため、英語で何かを学ぶ、現地での異文化交流を経験するだけではなく、在学中に何か成し遂げたと胸を張って卒業したいという思いがありました。そこで、学生でも海外で働く経験ができるこの制度は貴重な機会だと思い受験を決意しました。

2年間の派遣員生活

在タイ大使館には、派遣員が3名おり、3名とも庶務に所属していました。主な業務である便宜供与や館員支援、館用車管理の他に公用物資調達という業務があります。これは、近隣国のラオス、ミャンマーをはじめ、アフリカや中東、インドなど日本食を手に入れにくい国の大使館員がタイまで日本の食材を調達しに来るという制度です。この食材はレセプションや公邸で日本食を提供する際に用いられます。日本からの距離だけではなく、日本とタイの繋がりがいかに深いかということを実感しました。また、着任した年の2019年は、タイがASEAN議長国ということもあり、一つ終えてもまた次の便宜供与?大型ロジが予定されているという出張者が絶えない1年でした。同年に、ニューヨークで行われた国連総会に応援出張に行く機会をいただきました。

着任当初はタイ語が全く出来ずもどかしさを感じていましたが、日々の業務で現地職員と関わることで言葉を習得することが出来ました。英語だけでなく、少しでも知っている単語を使って話すと相手との距離が近づくと気づいてから、空港スタッフや便宜供与でタイ人と交渉する際には、タイ語を積極的に使うようにしました。これは業務を円滑に行うために必要なカギだったと思います。言葉を知ることで、その国の人々の心をより深く知ることができると学びました。仕事を通して新皇冠体育の理念である「言葉は世界をつなぐ平和の礎」を身を持って理解できた瞬間でもありました。

社会人経験がなく無知であった私にとってこの2年間は学びの多い刺激的な毎日でした。これまで支えてくださった皆様に心より感謝しております。

これからも人生をキャンバスのように描いていくをモットーに挑戦し続けたいです。初めての世界に飛び込むことはとても勇気がいります。しかし、何事も挑戦してみないとその結果は分からないから、目の前にあることから少しずつ一生懸命取り組み続けることが大事なのではないかと思います。そして、その努力は必ずどこかで発揮されると信じています。

タイ王国(Kingdom of Thailand)

【外務省HP/一般事情より】
1. 面積:51万4,000平方キロメートル(日本の約1.4倍)
2. 人口:6,641万人(2018年)(タイ内務省)
3. 首都:バンコク
4. 民族:大多数がタイ族。その他 華人、マレー族等
5. 言語:タイ語
6. 宗教:仏教 94%、イスラム教 5%