第13回 「竹林の恵み」
学内でタケノコ掘りができます。
学内にモウソウチクの小さな林があることを知っている人は多くとも、「竹林があればタケノコが出る」と心得ている人はなぜか少ないようです。私の考えでは、タケノコは買うものではなく掘るものなので、手近にタケノコ掘りができる場所があるのは貴重です。今年は学生と一緒に4本掘り、その後また2本掘りました。
日本で竹林を形成する主なタケは、モウソウチクとマダケです。地下茎からタケノコが伸びるので、地下茎で繋がっているタケ同士は同じ遺伝子を持ったクローンです。このような繁殖の方法を無性生殖と呼びますが、タケは有性生殖も行います。数10年(マダケの場合は100年以上)に1度、一斉に開花して種子を実らせるのです。
すでに日本の風景として溶け込んでいるモウソウチクは、実は1700年代に中国から持ち込まれた移入種です。軽くて丈夫でしなやかな材は、建具としても篭などの材料としても有用で、しかもタケノコが食べられる。良いことずくめのようですけれど、現在の日本では、山林を占拠する勢いで広がる竹林に手を焼いている地域が少なくありません。
量産できるプラスチックや金属の製品が多く出回り、原料としての竹の需要が減ったこと、輸入タケノコが安いことなどが原因のようです。また竹林の間伐をする人手が少ないことも問題です。間伐しなければ、竹林は密生して林床が暗くなります。するとタケノコは竹林の外側の明るい場所へ出るようになりますから、竹林は拡大してしまいます。竹林の恵みを有効活用するシステムが必要なのです。
春の竹林の恵みであるタケノコのあく抜き方法を知らない学生が多かったので、ご紹介しておきます。
私の大好きなタケノコ料理は、タケノコご飯と木の芽和えです。皆さんは何がお好きですか?
タケノコのあく抜き方法
タケノコの皮を剥き、掘った日の内に(できるだけ早く)お米のとぎ汁で茹でる。大きさにより、15~30分程度。とぎ汁がなければ、水に米糠、もしくはおからを入れても良い。必ず水から茹でること。また吹きこぼれに注意すること。茹で終わったらそのまま冷まし、タケノコを洗って冷水に入れ、冷蔵庫で保存する。毎日水を替えれば日持ちする。
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