グローバル化が進む今日、ホテルを利用されるお客様が持つ文化や宗教、背景などはさまざまです。「ユニバーサルホスピタリティ」の授業では、さまざまな背景を持つお客様の立場になって、考え行動することができるホテリエになることめざし、ホスピタリティやノーマライゼーションを理解します。
その授業の一環として受講するのが「サービス介助基礎研修」です。まず授業では、高齢者や障害を持つお客様に安全で安心なおもてなしを提供することができるよう、介助に関する基礎的な知識を養います。そしてこの「サービス介助基礎研修」では実践を通して、スキルを身につけます。
今年度のサービス介助基礎研修はコロナウイルス感染症拡大防止の対策を徹底し、いくつかの少人数グループにわかれ、「ユニバーサルホスピタリティ」の授業を担当してくださっている日本ケアフィット共育機構の研修施設にて行われました。
加齢による視覚や聴覚といった感覚機能や筋力の変化、認知症などについて学びました。学生たちは「白内障ゴーグル」を装着し、白内障と同じように視界が見えにくくなる体験をしました。ゴーグルを装着したまま、スマートフォンを操作したり、財布から指定された金額の小銭を取り出したりしました。学生たちは実際に身を持って、白内障を体験することで、高齢者への気遣いや接し方について学んだ様子でした。
ここでは日常会話で使うことができるような手話、そして筆談のポイントなどを学びました。聴覚障害者の方は、会話の際に相手の口の形や動きなども頼りにします。しかし、コロナウイルス感染症が拡大する今日では、多くの方々がマスクを着用しています。そのためジェスチャーや目の表情はとても大切になるということも学びました。
車いす操作の練習を行いました。2人1組のペアワークで、ブレーキのかけ方や段差がある場所での操作方法などを実践しながら学びました。車いすに乗る学生たちは「段差がある場所を走行することがこんなに怖いと思わなかった」と口にしていました。相手に恐怖心を与えず、安心していただけるには、練習を重ねる必要があると感じた様子でした。
ここでも2人1組のペアを組み、手引き誘導のポイントを実践しながら学びました。例えば段差の高さはどのくらいなのか、どのくらい進むと目的の場所へたどり着くのかなど、具体的な状況や情報を提供することで、安心感を抱いていただけると学びました。
学生たちは今回の研修を通じて、実際に高齢の方や障害を持つ方の立場を体験したことによって、より接し方について理解を深めることができた様子でした。
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