新皇冠体育同窓会

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異文化の良さをツバメとともに?nusantara活動記?

新皇冠体育卒業生4人で2019年に立ち上げたnusantaraは、現在、5年目に入り、主にインドネシア雑貨の輸入事業を展開しています。立ち上げメンバーは、2017年インドネシア語学科卒業の阿部安紀子さん、インドネシアのアトマジャヤ大学(当時提携校)から2013年に交換留学生としてKUISに留学していたBayu Wibowo Putra Utomo(バユ)さん、2019年インドネシア語学科卒業の西川茉実さん、そして私、2017年国際コミュニケーション学科卒業の近駿哉です。

“nusantara”とは、インドネシア語でインドネシアの諸島を意味し、ロゴには、インドネシアと日本を往復する渡り鳥であるツバメが描かれています。私たちは「インドネシアの『イイもの』と『文化』を日本へ届ける」を理念に掲げ事業を行っています。

KUISでの出会い、そして、留学?就職を経て、夢が広がる

在学中は4人全員がお互いを知っていたわけではなく、後にnusantaraを立ち上げることになることも当然ながら想像していませんでした。ところが、卒業後、同じ夢を追い求める仲間たちが集まり、事業をスタートさせることになりました。

安紀子さんとの出会いは、2015年前期のTOEICで高得点を取るための神崎先生の授業でした。その授業の参加者は英語専攻の学生がほとんどで、インドネシア語専攻の安紀子さんは非常に珍しい存在でした。お互い真剣に授業に取り組み、切磋琢磨したことを覚えています。そこから数年後、お互いの人生において、大きく影響し合うことになりました。

その年の後期、安紀子さんはインドネシアのアトマジャヤ大学へ、私はアメリカのミネソタ州立大学に、それぞれ交換留学生として留学。帰国後、私たちは全く異なる業界に就職しました。

留学中、私はフォトジャーナリズムを専攻し、報道写真やメディア英語を学びました。その中で、障がい者の密着取材や地元雑貨店の取材活動など、様々な課題にも取り組みました。これらの経験から、将来は、雑貨関連の業界で英語のスキルを活かしたいと考えていたのです。

卒業後、雑貨のBtoB展示会を主催する企業に就職し、海外チームの一員として、日本のメーカーと海外のバイヤー、逆に海外のメーカーと日本のバイヤーを繋げる仕事に従事してきました。つまり、様々な製品を扱う国内企業の海外進出と海外企業の日本進出をサポートしてきたのです。業務の中で、中小企業の社長と事業や商品について深く話す機会が多く、いつしか自分も事業を興してみたいと考えるようになりました。

同時に、日本進出に失敗した海外企業も見てきましたが、その多くは言葉の壁や日本との商習慣の違いが大きな壁になっていたことが挙げられます。また、日本と同様に、海外においても伝統工芸品を作る職人不足が深刻化しており、モノを作る技術と売る技術が全く異なるため、多くの職人が売り上げ不振に苦しみ、そして儲からない商売と括られてしまうことから新しい担い手が集まりません。

そんな実態を目の当たりにし、私は海外の伝統工芸品の輸入をやってみようと考え、東京都のビジネスコンテストに事業計画書を提出するなど、自分なりのチャレンジが始まりました。

nusantara の立ち上げ、そして、それぞれの専門性を活かした4人体制に

そんな折、2018年の秋、私の仕事を知って連絡をくれた安紀子さんと久しぶりに再会しました。話してみると、彼女も同じ夢を持っていて、バユさんの伝手があるコーヒー農家から直接コーヒー豆を輸入して販売したいというのです。

検討の結果、食品は輸入手続きが複雑なことから、まずは、インドネシアの伝統工芸品であるバティックとラタンの輸入から始めることにしました。そして、2019年には私たちは3人で小規模で輸入し、販売する活動を開始することになったのです。

開始当初は3人共に、副業という形で事業をスタートさせ、本業で得た給料から資金を出し合って仕入れを行い、イベントに出店したり、知り合いのレストランのスペースを借りたりしながら、商品を販売してきました。

同年の秋には茉実さんもメンバーに加わり、現在の4人体制が確立。それぞれの本業として、安紀子さんはコーヒー業界、バユさんは貿易業界、茉実さんはディスプレイ業界、私は雑貨業界と、それぞれ専門性の高い知識と経験を積んできました。これらのバックグラウンドがnusantaraの活動に大いに寄与しています。

年々、取り扱い品数が増加しており、最初はバティックだけでしたが、コーヒー、木製食器、アクセサリーなど商品数が拡充し、現在では300品以上のアイテムを取り扱っています。さらに昨年からは、インドネシアの海藻を原料とした生分解性100%の包装資材BIOPACの正規代理店としての事業もスタートしました。

向かい風も乗り越えて、文化の架け橋を目指したい

これまでを振り返ると、コロナ危機、戦争による輸送費の高騰、そして円安など、創業以来、外部環境は向かい風が続いています。しかし、4人で協力し合いながら、なんとか事業を継続させてきました。

新皇冠体育で語学と異文化を学んだメンバーだったからこそ、これまで、崩壊の危機もなく、着実に前進することができたのだと思います。各自の言語スキルはもちろんのこと、在学中や留学先で培った異文化理解力と他者理解力が、nusantaraの基盤となっているのです。

チーム内で意思決定をする際や、インドネシアのメーカーと商品開発をする際、その都度、相手の文化と考えを尊重しながら仕事を進めてきました。この協力体制はnusantaraの大きな強みになっています。

これまで、新皇冠体育の職員の方々、卒業生、自治体の皆様、インドネシア大使館の皆様など、多くの方々に支援していただき、現在のnusantaraがあります。

2024年には、さらに多くの日本の方々にインドネシアの魅力を伝えるために、商品ラインナップを大幅に拡充し、江ノ島のコミュニティーカフェ『むすぶ』で開催している『インドネシア語おしゃべりサロン』を通じて、文化を発信していきます。どうか、これからも応援をよろしくお願いします。

インドネシア語おしゃべりサロン

参考サイト

★nusantara
https://nusantara.handcrafted.jp/

★インスタグラム
https://www.instagram.com/nusantara.jp

★LINE
@nusantara

★BIOPAC
https://biopac.official.ec/

★コミュニティーカフェむすぶ
https://www.instagram.com/musubu_enoshima/

★ポッドキャスト「ヌサンタラの打ち合わせ」
https://podcasters.spotify.com/pod/show/nusantara2019 

2017年卒業
国際コミュニケーション学科
近 駿哉