2023年11月29日(水)に国際ビジネスキャリアのビジネス研究発表会が開催されました。
国際ビジネスキャリア科の学びの集大成となる授業、ビジネス研究演習(ゼミ)。あらかじめ答えが決まっている問題を解くのとは異なり、自ら問いを立て、その問いに対してさまざまなアプローチをし、説得力のある結論を導き出します。学生時代はもちろんのこと、卒業後にこそ必要となる能力であり、国際ビジネスキャリア科のゼミではこの能力を鍛えます。
この日は11月18日(土)におこなわれた予選会を突破した4チームが、ビジネスの具体的提言を目的とした「ビジネスデザイン」と、アカデミックな研究をベースとした「ビジネス研究」に分かれ発表をおこないました。また、今年度は、ゼミ発表と合わせて「ニューバランスジャパン課題解決型授業の発表」もおこないました。2022 年の 9 月より株式会社ニューバランスジャパンのご協力のもと、課題解決型授業に取り組んでまいりました。これらの学びの集大成として、予選を通過した 2 チームが、企画内容を発表しました。
※企業名?団体名は敬称略
発表題目新皇冠体育
【PBL】
?FC 東京ユニフォームレンタルサービスの展開
?RUN?FUN?FIT~スポーツブラの展開~
【ビジネスデザイン】
?幼老複合施設を広める
?神田園新規開拓プロジェクト
【研究】
?人気おにぎり専門店“ぼんご”に埋め込まれた顧客を引き付ける魅力
?「おかえり by 雪國商店」6 日間の期間限定店舗運営の挑戦
「PBL」分野では、惜しくも本選に出られなかったチームがステージ上で5分間の概要報告をおこなった後、「ニューバランスジャパンへの提言」をテーマに、2チームが新たなビジネスプランを発表しました。
一つのチームは、ニューバランスジャパンがスポンサーを務めるFC東京のサポーター向けに、自動販売機でユニフォームをレンタルするビジネスプランを発表。サッカー観戦者へのアンケート調査により、試合中に応援ユニフォームを着たいが所持していない観戦者が多くいることが判明し、この提案が考案されました。
もう一つのチームは、女性ランナー向けの新しいスポーツブラを提案しました。女性ランナーの悩みや課題を調査し、それに基づき、3Dスキャンを用いてカスタマイズされたスポーツブラを開発するアイデアを提案しました。
「ビジネスデザイン」分野の各チームは、主に社会貢献という観点から世の中の課題を発見し解決策を提示しました。最初のチームは、2040年問題(※)に焦点をあて、介護施設と児童施設を備えた「幼老複合施設」の認知度を高める提案を発表。
もう一つのチームは、地元神田の喫茶店「神田珈琲園」と連携し、インタビューや調査に基づいて店舗が直面する課題を明らかにし、新たな顧客層を開拓する施策提案をおこないました。
会場からは各チームの行動力や熱意に感銘を受けたというコメントが多く寄せられました。
※2040年頃に日本の高齢者(65歳以上)人口の割合の最大化と生産年齢人口の急減が同時進行で起こり、国内経済や社会維持が危機的状況に陥るとされる問題
「研究」分野のチームは、日ごろ抱いている疑問点を出発点として研究テーマを設定。フィールドワークや交通量調査など、授業で習ったリサーチ手法を活用し、収集したデータの分析をおこなったうえで導き出した結論について報告しました。仮説を設定したうえで、分析データをもとに緻密に論理を組みたてていく報告は普段の学習成果そのものです。
国際ビジネスキャリア科と新潟県?関根学園高等学校は毎年、約半年間にわたり高専連携の「越境キャリア教育」を実施しています。今年は本学の学生と関根学園高等学校の生徒が企画?運営をおこなった上越の特産品を販売するショップ「おかえりby雪國商店」が10月2日(月)~10月7日(土)の期間限定で東京?神田にオープンしたため、商品選定にいたるまでの過程や結果について発表しました。
東京と新潟県上越市の若者たちが夏休みを利用して互いの地域に「越境」し、本学学生と高校生が、年代や地域を超えて交流しながら探究学習に取り組んできました。
以下リンクより「おかえりby雪國商店」の様子をご覧いただけます。
国際ビジネスキャリア科のゼミでは主体的に問いを立て、裏付けとなるデータを集め、説得力のある結論をプレゼンテーションで発表します。チームでおこなうため、その過程では協働力や各自のタスクから物事を進める「シェアドリーダーシップ」の力も必要になります。これらは将来必ず必要となる力です。今回の発表で力をつけた学生たちの将来に期待です。