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仲代表の「グローバルの窓」

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第30回 “Please take action for business potentiality of pager in India and Pakistan” (インパキのページャーを何とかせよ!)

2022.09.13

 アジア事業部に移って課長を拝命し、事業部長から最初に受けた命は、「インパキのページャーを何とかせよ」でした。「インパキ」とはインドとパキスタンのこと。ページャーは、日本ではポケットベルと呼ばれ、電波で小型受信機に情報(文字など)を送る機器です。モバイル事業部の幹部が、新聞記事を私の部の事業部長に突き付け、「インパキでページャーのサービスが始まると大々的に報じられている。アジア事業部としてどう考えている?早くやらないとLate Comerになるぞ」と言われたようです。たしかにFirst Comerのメリットは大事です。イタリアの携帯電話事業でもサービス開始とともに市場に参入できたので、その後ずっと20%以上の高いシェアを維持でき、優位に事業展開できました。

 私はさっそくモバイル事業部の事業部長以下に声をかけ、ミーティングを開きました。「インパキでページャーサービスが始まります。実際に現地に飛んで市場状況を調査し、事業プランをいっしょに考えたいので協力してください」とお願いしたのです。しかし、モバイルの事業部長から「営業がまず市場をよく調べてどうするか提案すべきでしょう。それもないうちに現地に飛んでくれ、はないでしょう」と言われました。私は、モバイル事業部の方が現地に一緒に行くことで、アジアのファンにしてしまうこと、また時間の節約を勘案し、商品面からの調査協力を期待したのですが、言われてみればその通りです。

 事業部長の言うことに納得したので、「わかりました。まずは営業で調査した上で提案させていただきます」と答えました。モバイル事業部長も全く協力しないということではなく、本件の担当責任者に事業部長代理をアサインしてくれました。

 アジア課長時代の初出張はこうして、インド、パキスタン、それから別の商品のビジネス絡みでベトナムの3か国となりました。アジアのことはまだ右も左もわからず、私は現地企業への訪問、ミーティングをNECシンガポール社に頼み、在シンガポールの日本人出向者とシンガポール人、それから私の3人で訪問しました。

 最初にベトナム(ホーチミン)に入ったのですが、さっそくカルチャーショックでした。空港を降りて私はシンガポール人とタクシーでホテルに向かったのですが、空港には大勢のベトナム人がいて、自転車に乗って市内へ移動しているのです。我々は車で移動。道は舗装されておらず土の道。自分自身は車に乗って悠々としていることに居心地悪く、また、国力の違いをまざまざと見せつけられる思いでした。欧州の国ばかり見てきたので、その落差は一層大きかったことがカルチャーショックの原因だったと思います。今のホーチミンはそんなことありませんが、1994年のホーチミンはまだドイモイ政策(対外開放政策)の初期段階でしたから、経済成長はこれからという状況でした。生まれて初めてのカルチャーショックは今でも強烈に残っています。

 街中のレストランでは、出されたお皿にシンガポール人がティッシュを出して、拭くのには驚きました。お店の人に失礼だと思いましたが、彼らは平気です。「ベトナムは信用できないから自分で衛生面をカバーするんだ。お前もティッシュ貸してやるから拭いた方がいい」と言われました。

 そのあと、パキスタン(イスラマバード)に入りましたが、逆にパキスタンは道路も広く、西側の車が走っていて、そんなに落差を感じることはありませんでした。最後はインド(デリー)でしたが、インドは道路に牛が歩いていたり、街中は電気が少なく、小さなお店が所狭しと並んでいて、貧しい人が道端に屯していたりと、ここでも国力の差を感じました。

 国(街)の印象としてはパキスタンが一番進んでいるように感じましたが、当時の一人当たりGDPでみると三国とも似たり寄ったりでした。

 この出張が私の最初に触れたアジアでしたが、ホーチミンでの車側にいる私と自転車側にいるベトナム人、自転車があまりに多く、車もスピードが出せずに自転車とすれすれを走らざるを得ず、車越しに間近に貧しいベトナム人を見る光景は強烈でした。欧州のときには全くなかった感覚でした。前回、欧州からアジアに移ったことでチューニングが必要と書きましたが、それは頭の中だけでなく、感覚もチューニングしないとまずいと思いました。

 ただ、ショックはあったものの、心の奥ではアジアの感覚に親しみが持て、自分に合っているのではと直感的に思ったのも事実です。

 「脱欧入亜」。最初の出張ではまだまだ欧州の感覚が抜けていませんでしたが、そのあとインドに1か月ほど張り付くことになり、欧州の感覚は吹っ飛びました。

Delhi, India – December 14, 2019: Mess of electrical power line wires on the streets of Old Delhi

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