リモートワークやオンライン会議の増加によって、英語でのコミュニケーションの難易度は上がっています。オンラインでの英語会議の場合、言葉の壁に加え、場の空気が読めない、ボディーランゲージが使いにくいといったさまざまな問題が一層ハードルを高くしてしまいます。また、海外拠点間のような複数の地域、国からの参加によるグローバルなスタイルでの開催も多く、そうしたものへの理解や心構えも必要です。

今回は、オンラインでの英語会議への対応法を紹介したあと、英語会議を成功させるためのポイントやその流れ、ミーティングスキル研修のメリット?概要についてお伝えします。オンラインだけでなく対面での会議にも生かせる内容ですので、ぜひ社員教育の参考にしてください。

オンラインでの英語会議で心掛けたい対応

オンラインでの英語会議では、「オンライン」という性質上、心掛けたい対応がいくつかあります。会議に参加する可能性がある社員には、あらかじめ理解しておいてもらうことが大切です。

• 相手の表情や場の雰囲気が読み取りにくく、音声のタイムラグもあるため、対面よりコミュニケーションのハードルが高いことを認識する
• 一方で画面共有、チャットなど、オンラインならではの機能を使えるメリットもあるので、質問や確認事項などの機能をうまく使いこなすようにする
• 自分の名前表示を漢字からローマ字に変更しておく、使用するシステム操作についての表現や言い方についても事前に確認しておく
• あらかじめ、以下のようなオンライン会議ですぐに役立つフレーズを身に付けておく

＜オンラインでの英語会議ですぐに役立つフレーズ集＞

Can we set up a Teams meeting for this?　この件でTeamsでの会議を設定できますか

I think you are still on mute.　まだ音声がミュート（消音）になっていると思います

I’ll turn off the microphone on my side for a moment.　こちら側を少しの間、ミュートにします

I’ll sign out and sign back in and the connection may be better.
退出して再度入り直すので、接続が良くなると思います

There is a lot of background noise on your side.　そちら側からたくさん雑音が入ります

Can we send you the document through the chat feed?
チャット機能を使って書類を送ってもよろしいですか？

I will be right back. Please wait. ちょっと席を外します。お待ちください

Thank you for waiting.  (席に戻ってきたとき)お待たせいたしました

I unmuted the microphone on our side. こちら側のミュートを解除しました

Can you hear me clearly? 私の声は問題なく聞こえていますか？

Can you send us the document through the chat feed?
チャット機能を使ってこちらに書類を送っていただけますか？

The video is unstable on your side.  今、そちらの映像に乱れが出ています

Can you check the internet connection? インターネットの接続状態をご確認いただけますか

The meeting will be over soon, so I will send you the meeting materials later by email.
オンライン会議はもうすぐ終了なので、関係資料をのちほどメールで送りますね

Was there anything you felt uncomfortable with in the online meeting?
今回のオンライン会議でご不便に感じられたことは何かありますか？

オンラインでの英語会議を成功させるために重要なこと

オンラインでの英語会議でも、対面での英語会議と同じく以下の点がポイントとなります。

• 会議を開催する目的はさまざまであるが、英語の会議の場合は特に、「何かを決める」「報告」「意見交換」など、主旨を明確にする
• 日本が本社であれば、複数の海外拠点間の会議をリードする立場になる場合も多い。急に司会を振られることもあるため、ファシリテーションスキルを身に付けておく

以上のポイントを、企業研修やミーティングなどにおいて、しっかりと社員に伝えることが大切です。

日本人ビジネスパーソンが英語での会議で困ること

日本人のビジネスパーソンは、英語会議において次のような点で困ることが多いようです。

• 相手が早口で一方的に話し、言っていることがよく理解できない、割り込めない
• 自分の言いたいことや自部門の意向が伝えられない、質問に答えられない　など

以上のような課題に対応するためには、次項で紹介する、「オンラインでの英語会議の基本的な流れ」を社員に押さえてもらう必要があります。

オンラインでの英語会議の基本的な流れ

英語でのオンライン会議は、日本の会議の進め方とは異なる点に注意が必要です。以下のような流れで進行することが多いので、日本の会議との違いを社員に意識してもらいましょう。

また、それぞれのステップで使われる英語表現も紹介します。社員が自然とこうしたひと言を発せられるよう、繰り返しトレーニングを行うとよいでしょう。

＜流れ＞

●会議前の雑談（スモールトーク）　Small Talk

How was your weekend? 週末はいかがでしたか？

How have you been? お元気でしたか？

How’s your business? 仕事の調子はどうですか？

●自己紹介する　Introducing yourself

Hello everyone. I’m Taro Kanda. 皆さん、こんにちは。神田太郎です

Hello, it’s Taro Kanda. I am a sales representative at ABC Corporation.
こんにちは。神田太郎です。ABC商事の営業担当です

●他者を紹介する　Introducing others

I think John is joining us. John are you there?
ジョンさんが参加していると思うのですが。ジョンさんいますか？

Yes. I’m here, hello everyone.
はい、参加していますよ。皆さん、こんにちは

●会議を始める　Starting the meeting

It’s time to start the meeting. 時間なので会議を始めます

Shall we start the meeting? 会議を始めてよろしいですか？

Can everyone hear me? 皆さん、聞こえますか？

●開催の目的、議題を確認する　Confirming the purpose/topics

The purpose of today’s meeting is to hear your opinions about new products.
今日の会議の目的は新製品について意見を伺うことです

We have three main topics in our agenda.
議題には3つの項目があります

Has everyone seen the agenda?
皆さん、議題はご覧になりましたか？

●意見交換する　Exchanging opinions

• 同意する Agreeing

I think you are totally right about that. 本当にそのとおりだと思います

I couldn’t agree with you more. まったく同感です

• 反対する Disagreeing

I totally disagree. 全面的に反対です

That’s not the way I see it.  私はそのようには考えておりません

I doubt that the plan will work. 計画がうまくいくか疑問です

• 部分的に賛成する　Giving partial agreement

I agree to some extent.／I agree to a certain degree. ある程度は賛成です

• 確認する　Confirming

Can you elaborate on that? もっと詳しく説明してもらえますか？

Can I just clarify what you’ve said? 今の発言について確認させてもらえますか？

Can we go back to slide 2?  2番のスライドに戻れますか？

• 質問する、質問に答える　Asking/answering questions

Can I ask you a couple of questions? いくつか質問をしてもいいですか？

I will end with one more question. 最後にもうひとつ質問があります

I’m afraid I don’t have the data with me. I’ll get back to you later.
残念ですがデータが手元にありません。のちほどお答えします

Does that answer your question?／Have I answered your question?
ご質問の答えになっていますか？

• 相手に割り込む　Interrupting

I have a quick question. ちょっと質問があるのですが。

Sorry to interrupt you, but I have a question. 質問がありますが、よろしいでしょうか

●閉会する　Ending the meeting

Let’s review the action points before we finish. 会議を終了する前にアクションを確認しましょう

We’ve run out of time today. We’ll have to discuss the remaining items next time.
時間になったので、残りの議題は次回に話し合います

Thank you for your contribution everyone.

Thank you very much for meeting with us today.
皆さん、今日はご参加いただきありがとうございました

I’ll send you the meeting minutes by tomorrow afternoon.
明日の午後までに会議の議事録をお送りします

オンラインでの英語会議を成功に導くミーティングスキル研修

それでは、ここまでに紹介したオンラインでの英語会議のスキルを効率よく身に付けてもらうには、どうすればよいのでしょうか？

複数の海外拠点間の会議をリードするため、あるいは日本人ビジネスパーソンの課題に対応するためには、企業研修担当として、ミーティングスキル研修を実施することが効果的です。

その際には、研修の成果をより高めるため、会議の基本をしっかり学んでもらい、社員が対面+オンライン双方のスタイルで対応できるような内容が理想的でしょう。

ポイントは、英語会議のスキルと心構え（マインドセット）の両面を習得することです。外国人講師とのオンライン上のロールプレイや演習を通じて英語での会議に慣れ、事前に体験し「場数」を踏むことで、オンライン英語会議での対応力を効果的に高めることができるでしょう。

オンラインでの英語会議を成功に導くミーティングスキル研修の概要

オンラインでの英語会議を成功に導くミーティングスキル研修とは、どのようなものでしょうか。

前述のとおり、ミーティングスキル研修の効果を高めるには、「スキル」だけでなく、「心構え（マインドセット）」も習得する必要があります。

「スキル」については、「オンラインでの英語会議の基本的な流れ」で紹介した、英語会議の基本と必要表現を学んでもらうことが大切でしょう。

一方「心構え（マインドセット）」については、以下のようなことを理解してもらいます。

＜心構え（マインドセット）＞

• 発言することの重要性
  英語での会議の場で発言しなければ何も考えていない、意見がないと見なされるため、最悪の場合、次の会議に呼ばれないこともあります。ローコンテクスト文化（※）の筆頭ともいわれる英語でのコミュニケーションにおいては、まずは意見を述べ、発言することが相手との信頼関係構築のためには必須と考えられています。

※共通の価値観や感覚などを介することなく、言語を通じてはっきりと伝え合う文化

• 文化背景の違いの認識
  時間の考え方、Small Talk（軽めの雑談）などのコミュニケーションスタイルも相手の文化背景により大きく異なります。双方の違いを認め、尊重しながら、受け容れるマインドを持つことが必要です。
• 相手のスタイルに合わせる
  相手の職位や仕事での関係性、相手の地域等文化背景の違いなどにより、フォーマルからカジュアルまでコミュニケーションスタイルはさまざま。相手のスタイルに合わせると、よりスムーズに話が進むこともあります。

オンラインでも英語会議をスムーズにできるよう必要な研修を

「英語での会議というだけで不安なのに、それをオンラインで行うのは厳しい」。そう感じている社員は少なくないのではないでしょうか。英語での会議については、オンライン形式も含めて、研修でしっかりと学んでもらうことで、社員の不安を減らすことが可能です。「もっと自信を持ってオンラインでの英語会議に臨んでもらいたい」とお考えの人事担当の方は、ご検討されてはいかがでしょうか。

有効なミーティングスキル研修についてのご相談は、創立以来10,000件以上の企業向け語学研修を成功させてきた神田外語キャリアカレッジでも承っております。こちらからお気軽にお問い合せください。