業種/対象者/人数
業 種:自動車関連
対象者:中国?ベトナム?バングラデシュ出身の外国籍新入社員/エンジニア
人 数:12名
実施背景とゴール
国内の人手不足が深刻化する中、同社では毎年、さまざまな国籍の外国人を自動車整備士として採用しましたが、言語や文化の壁から職場での適応や定着に課題がありました。
そこで、技術指導のみにとどまらず、職場で自信を持って働くための土台づくりとして、日本語やビジネスマナー、異文化コミュニケーションを取り入れた研修プログラムを導入しました。
プログラム概要
期間: 5日間(7.5時間×5日=合計37.5時間)
形式: 講義+ロールプレイ+発表(プレゼンテーション)等
プログラム内容:
ビジネスマナー(半日)
挨拶、身だしなみ、名刺交換、時間管理、携帯電話の使用など、社会人としてのマナーの基本をロールプレイを交えて実践的に習得。
日本語理解(1日半)
学んできた日本語を振り返りながら、その特徴や表現の背景にある文化にも触れ、理解を深めました。実際の自動車業界に関する記事を用いたディスカッションや発表を通して、「わかりやすく伝える力」を育成しました。
異文化理解?コミュニケーション(3日間)
1日目: 日本文化(宗教観や習慣)理解、カルチャーマップを使った異文化理解
2日目: 日本のビジネスマナー、敬語、「報?連?相」の実践
3日目:ケーススタディ「異文化が原因で起きた職場でのトラブル」 文化の認識ギャップの体感と対応を実践
最終日のプレゼンテーション
5日間で学んだ内容を日本語で整理し、グループごとに発表。研修での学びのふりかえり、定着と自信を高めました。
研修成果
受講者の発言の量や声の大きさの変化に象徴されましたが、研修を通して自信と積極性が明らかに向上。講師からは「注意を素直に受け入れ、即座に行動に移す姿勢が印象的だった」との評価がありました。参加者同士のつながりも自然と生まれ、前向きで活発な雰囲気に包まれていました。
本研修の実施と併せて、現場の日本人社員による受け入れ体制の見直しや、異文化への理解促進を進めたことで、外国籍社員の離職率ゼロを達成。先輩、後輩として支え合う関係性も生まれ、外国籍社員の定着に確実な成果が達成されています。
営業担当からのメッセージ
外国籍社員が安心して長く働き続けるためには、本人の努力だけでなく、企業側の継続的な支援と異文化理解の姿勢が欠かせません。
今回のように人事的な制度構築や研修に加えて、日常のコミュニケーションや相互理解を大切にする企業風土や日本人側のマインドこそが、多文化共生の実現につながります。
同社の取り組みは、単なる「受入れ」にとどまらず、「共に成長する職場づくり」を目指す姿勢が根付いており、今後の企業経営における一つのモデルケースと言えるでしょう。
私たちも引き続き、多様な文化的背景を持つ人材が、それぞれの力を発揮できるよう、全力で支援してまいります。

