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米東海岸の雄、超人気バーガー「ファイブガイズ」(Five Guys)が2025年後半に日本上陸か?元NBAシャキール?オニール氏も多店舗フランチャイズオーナー!

2024.12.16

2025年後半に全米人気バーガー「ファイブガイズ」(Five Guys)が日本に上陸するとの報道が駆け巡りました。ファイブガイズの概要、人気の要因を整理します。

2025年後半に全米人気バーガー「ファイブガイズ」日本上陸か!

2024年7月9日、日本のファストフード業界に大きなニュースが駆け巡りました。米国人気ハンバーガーチェーン「ファイブガイズ」(Five Guys)を韓国で展開する「エフジーコリア」が、来年2025年後半に日本に出店することを柱とする了解覚書(MOU)をファイブガイズ?インターナショナルと締結したとのことです。「MOU」とは「Memorandum of Understanding」(基本合意書)のこと(出所:「Yahoo Japanニュース」(原典:ソウル聯合ニュース))。

東(海岸)の「Five Guys」、西(海岸)の「In-N-Out」(イネナウト)と言われるとおり、Five GuysとIn-N-Putは米国人気ハンバーガーの双璧をなすと評価する者も少なくありません。

「ファイブガイズ」は、韓国大手財閥ハンファグループの金升淵(キム?スンヨン)会長の三男、金東善(キム?ドンソン)ハンファギャラリア戦略本部長(副社長)の肝いりで韓国に上陸(2023年6月江南に1号店開業)。「エフジーコリア」はハンファギャラリアの100%子会社。

ハンファグループは、韓国の十大企業グループ(財閥)の第7位。防衛産業、石油化学、太陽光発電、生命保険、投資証券、リゾート、建設、流通など多角的に事業を展開。今回のMOU締結により、同社は日本法人を設立してファイブガイズの日本市場進出を主導的に推進。25年下半期からの7年間に、東京をはじめ全国で20以上の店舗をオープンする計画。

業界筋によると、日本のハンバーガー市場の規模は韓国の2.5倍で、2015年以降は年平均6.5%の成長率を記録。

全米ベスト?ファストフード?バーガーのひとつが「ファイブガイズ」!

米国情報サイト「food chain magazine」による「全米ベスト?ファストフード?バーガー2024」には、「McDonald’s」(マクドナルド)、「Burger King」(バーガーキング)、「Wendy’s」(ウェンディーズ)、「In-N-Out」(イネナウト)、「Five Guys」(ファイブ?ガイズ)の5社がメジャーチェーン企業のチャンピオン(contenders)としてリストアップされています。

「ファイブガイズ」の概要や歴史を紹介しましょう。1986年、ジェリー?マレル(Jerry Murrell)とジャニー?マレル(Janie Murrell)、バージニア州アーリントンのウェストモント?ショッピングセンターのS.グリーブ?ロードとコロンビア?パイクの交差点に、小さなハンバーガーショップをオープン。開店費用は70,000ドル(1,200万円弱、当時レート$1=?168)足らずでした。

アーリントン(Arlington)は、ポトマック川をはさんでワシントンD.C.の向かい側に位置します。アメリカ国防総省、通称「ペンタゴン」(Pentagon)や、アメリカの兵士たちが最後に眠りにつく「アーリントン国立墓地」(Arlington National Cemetery)が所在します。

当時のファイブガイズは駐車場も顧客が座って食事をする場所もなく、人里離れた場所にありました。当初「5人」(Five Guys)とは、夫のジェリーと彼の4人の息子、ジム(Jim)、マット(Matt)、チャド(Chad)、ベン(Ben)を指していました。ジム、マット、チャドの3人はレストランで働き、料理やトイレ掃除などさまざまな仕事を担当。妻のジャニーは帳簿をつけるのが仕事でした。1987年に5人目の息子タイラー(Tyler)が誕生し、それ以降、「5人組」とはマレルの5人の息子たちのことを指すようになりました。

両親から求められた「事業を始めるか、大学に行くか」の選択肢

ジェリー?マレル(Jerry Murrell)とジャニー?マレル(Janie Murrell)夫妻が3人の10代の息子たちに「事業を始めるか、大学に行くか」という選択肢を提示しました。息子たちは「事業をスタートする」ことを選択。そして、1986年、バージニア州アーリントンにキャリーアウト(carry-outはtake-outと同義)型のバーガーの店「ファイブガイズ」(Five Guys)が開店したのです。

ジェリーとジャニーの両親の指導の下、マレルファミリーはグリルで完璧に焼き上げた手ごねのハンバーガーと、純粋なピーナッツオイルで調理した切りたてのフライドポテトだけを提供しました。

ファイブガイズの店舗には「冷蔵庫」は必要ない!

同社の公式ウェッブサイトでは、「ファイブガイズの事実」として次の3項目が明確に述べられています。

We only use fresh ground beef. (新鮮な挽肉のみを使用)

We only use peanut oil.  (ピーナッツオイルのみを使用)

There are no freezers in Five Guys locations, just coolers. (ファイブガイズの店舗には冷凍庫はなく、クーラーだけである。<つまり、冷凍食材を一切使用していないという意味>)

1980年代から1990年代にかけて、ファイブガイズはシンプルなシステムを完成させました。それが、焼きたてのバンズにトッピングし放題の新鮮でジューシーなハンバーガーを提供するメソッドです。そうしたなか、顧客の増加に対応するため、テイクアウトだけでなく座敷席のあるレストラン4店舗を増設。

2003年初頭には、ジェリーとジェニーは「ファイブガイズ」とともにフランチャイズ加盟の機会を提供し始めました。わずか1年半足らずの間に、ファイブガイズ社(Five Guys Enterprises)は300件以上の権利を販売。ローカル(地元)のレストランをフランチャイズ化する圧倒的な成功は全国的なニュースとなり、業界誌など様々なメディアで報じられました。

2022年の米国内売上高22億ドル(3,300億円)、店舗数は1,409店(出所:「Restaurant Business Magazine」)。ファイブガイズが初めてオープンしてから40年近くが経過した現在、世界中に約1,700店舗が営業中で、さらに1,500店舗が開発中です。

品質とシンプルさへのこだわり

ファイブガイズの人気の要因をあげましょう。

第1が「品質とシンプルさへのこだわり」です。グリルで完璧に焼き上げた手ごねのハンバーガーと、純粋なピーナッツオイルで調理した切りたてのフライドポテト。店舗の内装は、家庭的な雰囲気のシンプルなデザインが特徴で、オープンキッチンで調理風景を見ることができ、待ち時間の「間食用」にピーナッツを無料で提供。

第2が「創業当初からのマレル家全体の献身的/積極的な関与」です。現在、マレル家の息子5人全員が積極的に事業に携わっています。マットとジムは全米の店舗訪問を監督、チャドはトレーニングプログラムを管理。ベンはフランチャイジーを選定し、タイラーはハンバーガー用のバンズを提供するベーカリーを経営。

トッピングのオーダーの定番は「ALL THE WAY」

第3が「『顧客体験』(customer experience)の不断の改善」です。その手段として、ファイブガイズは、広告やマーケティングキャンペーンに注力するかわりに、週に2回、すべての店舗にミステリーショッパー(mystery shopper)を派遣していると報じられています。ミステリーショッパーとは「覆面調査員」と訳されます。企業側に雇用され、一般顧客のふりをして店舗に入り、消費者の購入動向 や店員の接客態度 などに関する情報を収集する調査員です。

トッピングを無料で自由にカスタマイズできることも、ファイブガイズの人気の要因の一つです。個別にトッピングを注文するのは面倒なので、その際に使えるオーダー方法が「ALL THE WAY」(オール?ザ?ウェイ)。この場合、ファイブガイズが推奨するトッピングとして、レタス、ピクルス、トマト、グリルオニオン、グリルマッシュルーム、ケチャップ、マスタード、マヨネーズのすべすべてが含まれたバーガーになります。

ファイブガイズの価格(2024年10月時点、$1=?150)は次のとおり。ハンバーガー$11.27(?1,690、日本でいうダブルバーガー)、リトルバーガー$8.27(?1,240、日本でいう普通のハンバーガー)、ポテトフライ$6.71(?1,000、バナナシェイク$5.79(?870)。こうした価格からも、ファイブガイズがプレミアムバーガーに分類されることがわかります。

元NBAのスター「シャキール?オニール」も155店舗のフランチャイズオーナー

報道によると、元NBAスターであるシャキール?オニール(Shaquille O’Neal)氏は、155店舗のファイブガイズ(フランチャイズ店)のオーナーだとされます。彼は、フィットネスクラブ「24-Hour Fitness Clubs」40店舗、プレッツェルチェーンの「Auntie Anne’s Pretzels」(アンティ?アンズ)17店舗のなども経営しているそうです。216cm、147kgの巨体、そして、ダンクシュートでバスケットのゴールリングを壊すほどの超人的なパワーを誇ったNBAのスーパースターの一人。「SHAQ」(シャック)の愛称で呼ばれたでシャキール?オニールは、MBA(経営学修士)と教育学の博士号も取得。「DR. SHAQUILLE O’NEAL Ed.D.」のインスタグラムのフォロワー数3,500万人超。

フランチャイズ専門家/企業団体IFPG (International Franchise Professionals Group)によると、「ファイブガイズ」のフランチャイズ加盟を検討するために必要な最低投資額は15.3万ドル(2,300万円)から36万ドル(5,400万円)で、2.5万ドル(375万円)の初期加盟金と20年の契約期間が必要だとされます。

グルメ化?高級化するハンバーガー市場

世界のハンバーガー市場規模は2023年に6,000億ドル(90兆円)、2032年には7,500億ドル(112兆円)に達し、2024?2032年の年平均成長率(CAGR)は7.9%で拡大するとみられています。市場成長の背景には、消費者の嗜好やライフスタイルの変化を反映して、便利でかつ贅沢な食品に対する需要が高まっていることがあげられます。

特に、多忙なライフスタイルを送る都市部の人々の間で、ハンバーガーの消費は、手軽で便利な食事オプションに対する嗜好の高まりによって急増しているようです。

さらに、消費者がグルメな(美味しい)食事を求めるようになり、プレミアム化(高級化)へのシフトが進んでいることがハンバーガー市場を押し上げると予測されています。こうした潮流は、ハンバーガーチェーンが差別化を図り、消費者の嗜好の変化に対応する必要性を示唆しています。

ファイブガイズの日本上陸も、グルメ化、高級化、差別化という世界の食文化の趨勢のなかに位置付けられる一つの大きな動きではないでしょうか。

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