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「自国フランスに持って帰りたい!」。フレンチ巨匠ジョエル?ロブション氏をとりこにした日本発祥カレーパン。訪日客のファンが急増中!コンビニ業界も参戦!

2024.10.11

フレンチの巨匠ジョエル?ロブション氏に「フランスに持って帰りたい!」と言わせた日本発祥の「カレーパン」。訪日ファンの「カレーパンブーム」やコンビニ業界の参入状況を紹介します。

フランス高級レストラン『ロブションのカレーパン』

『ガストロノミー ジョエル?ロブション』。東京の恵比寿ガーデンプレイス内にある、お城の外観が印象的なミシュラン三ツ星の超高級レストランです。

フレンチの巨匠ジョエル?ロブション氏が生み出したグランドメゾン(高級レストラン)「ジョエル?ロブション」。世界中に展開され、獲得したミシュランの星の数は計30個以上とされます。日本の恵比寿にある同レストランも「三つ星」を獲得。

「ミシュランガイド」(MICHELIN Guide)は「ミシュラン最高峰の三つ星は、キャリアを極めたシェフの卓越した料理に授与される。 最上の食材を使った料理は芸術の域に達しており、後世に受け継がれることも多い」と説明しています。

その『ガストロミー ジョエル?ロブション』の系列としてベーカリー専門店があります。名前は『ル パン ドゥ ジョエル?ロブション』。同店のパンのうち、カレーパンが「上位トップ3」に入るほどの人気商品となっています。

ロブション氏「カレーパンを自国フランスに持って帰りたい」

ジョエル?ロブション氏自身も「カレーパンを自国フランスに持って帰りたい」と語ったとされます(TBSテレビ 報道番組【Nスタ】2024年7月15日)。

「ロブションのカレーパン」は、小ぶりの丸型。油分を感じさせないカラっとした「こがね色」が美しいドーム型の外観をしています。実は、通常のカレーパンのように油で揚げることはせず、スペイン産のオリーブオイルをかけて香ばしく焼き上げています。「カリカリ/サクサク感」が大きな特徴です。

パンの中には、個体のかぼちゃ、ナス、そしてチーズが入っていて、具が目視できるほどしっかりしています。とてもスパイシーで、レストランで食べる上質で美味しいカレーが詰まっています。

「ロブションのカレーパン」は、都内にある「ラ ブティック ドゥ ジョエル?ロブション」「ル パン ドゥ ジョエル?ロブション」「ル カフェ ラ ブティック ドゥ ジョエル?ロブション」の各店舗で購入可能。「コーンカレーパン」が420円/個(税込)。オンラインでも購入でき、たとえば「カレーパン 5個入り~夏限定コーン~ <冷凍便>」【全国発送】で2,600円(税込)です。

「カレーパン」が「1番好きな惣菜パン」

株式会社「ビズヒッツ」(本社:三重県鈴鹿市)は、三重県鈴鹿市のパン屋「Marbre Lapin」(マーブルラパン)と共同で「全国の男女500人」を対象にして実施した「菓子パンと惣菜パンのどちらが好きかに関する意識調査」の結果を発表しました(2023年3月1日)。

(1) 「菓子パンと惣菜パンどちらが好きですか?」と聞いたところ、「惣菜パン(51.0%)」「菓子パン(49.0%)」という結果に。「惣菜パンを好きな人」がわずかに多かったものの、ほぼ半々。

(2) 惣菜パンのほうが好きと回答した255人に「1番好きな惣菜パン」を聞いたところ、1位は『カレーパン(56人)』でした。2位が「ソーセージパン(34人)」、3位が「焼きそばパン(32人)」。

(3) カレーパンが好きな理由は次の通りです。

?外側の揚げてあるカリカリ感が好き(27歳 女性)

?パン生地が、他のパンと違い甘くてもちもちしているところがカレーと合って美味しい(30歳 女性)

 ?お店によってカレーの味やパン生地に個性があって、「ここのお店はどんな味かな」とワクワクできるところが好きです(30歳 女性)

 ?スパイシーなルーとカレーパン特有の揚げてザラザラとしたパンの食感が好き(33歳 男性)

日本のカレーを「ワンハンド」で食べる!

日本人が大好きな「カレーパン」ですが、今、このカレーパンが訪日旅行客の間でも大人気となっているようです。日本カレーパン協会の「やすひさてっぺい理事長」によると、インドカレーではない日本のカレーと、日本独自の惣菜パンを一緒に味わいながら、カレーを「ワンハンド」で食べられるという理由で人気を集めているそうです。そうした訪日旅行客は、SNSやネットで日本のカレーパンの情報を入手しているとのこと。(同TBSテレビ 報道番組【Nスタ】)。

「日本カレーパン協会」は2013年に創業(前12年に発起)された「カレーパンを通じて地球に住むすべての人を笑顔にするための団体」です。理事長は、前述のやすひさてっぺい氏です。2024年7月1日現在50,000名の「カレーパンタジスタ」(協会員)が趣旨に賛同し活動中。

「カレーパン」は日本発祥の食べ物といわれていますが、「日本カレーパン協会」によると起源は諸説あるそうです。

第1の説として、東京都江東区にある「名花堂」(現:カトレア)2代目の中田豊治氏が1927年に実用新案登録した洋食パンが元祖と言われることが多いとのこと。ただし、実用新案の主旨は「具の入ったパンをカツレツのように揚げる」であり、カレーの言葉は含まれていなかったようです。

第2の説として、東京都練馬区の「デンマークブロート」(1934年創業)の創業者がカレーパンを発明したとされます。こちらはまずカレーサンドを発売し、後に揚げる事を思いついたそうです。

上記の両説とも、日本で洋食が普及しつつあり、あらゆる業者が同時並行的に、日本的洋食新皇冠体育を工夫していた時代背景があったからではないかと、同協会は分析しています。  

第3に、大正5(1916)年に新宿中村屋が迎えたインド独立運動家ラス?ビハリ?ボース氏が純インドカレーを伝え、これにヒントを得た相馬愛蔵氏によって発明されたという説も存在します。相馬愛蔵氏は、長野県出身の社会事業家/実業家で、妻の相馬黒光氏とともに東京新宿中村屋を創業した人物です。

多様なカレーパンを「選ぶ楽しさ」!

前述の「日本カレーパン協会」は、国内でのカレーパンの人気は、新型コロナ禍と関係があると分析しています。「三密回避」のためにテイクアウトを選ぶ人が急増。そのなかで、もともと国民食と言われるほど人気が高いカレーライスは、テイクアウトにはそれほど向いていません。しかし、カレーパンであれば大好きなカレーを「ワンハンド」で食べられて、さらに価格帯もリーズナブルです。

また、バラエティに富んだカレーパンの登場もブームを後押ししているというのが同協会の見立てです。「インスタ映えするカレーパン」。牡蠣や卵がまるまる1個入っている「具が巨大化したカレーパン」。「ビーガン」(完全菜食主義者)向けの「ヘルシーカレーパン」など。そうした多様なカレーパンを「選ぶ楽しさ」が生まれたことも人気への起爆剤になったようです(ITmedia記事[2021年10月22日])。

くわえて、同じ総菜パンの焼きそばパンやコロッケパンと比べても、カレーパンは「アレンジ」の潜在性が高いといわれています。

日本カレーパン協会によると、黒いカレーやグリーンカレーなどバリエーションが豊富なカレーライスと同様に、揚げカレーパンに焼きカレーパン、チーズを上にかけたものなど、アレンジや工夫のポテンシャルが高い点がカレーパンの特徴だそうです(同ITmedia記事)。

セブン?イレブンでカレーパンを衝動買い!

こうしたカレーパンブームのなか、コンビニのセブン‐イレブン?ジャパンの「お店で揚げたカレーパン」(税別149円)が、ギネス世界記録認定を受けました。

カウンターで販売中の「お店で揚げたカレーパン」の販売数が、2023年1月~12月の累計で76,987,667個を記録。2024年7月16日に「最も販売されている揚げたてカレーパンブランド」として、ギネス世界記録に認定されました。セブン‐イレブンでギネス世界記録に認定された商品は、今回のカレーパンが「初めて」とのこと。

工場で30種類以上のスパイスをブレンドして煮込んだカレールウをパンに包み込み、店内のフライヤーで揚げてから提供。サクサクとした食感と出来たての美味しさが大きな魅力。最も多く購入しているのは40代男性で、同世代の女性や若年層にも人気。

「カレーパンは一日に良く売れる商品だが、セブンの主力商品であるおにぎりやコーヒーを目的買いする人が多いのに対して、カレーパンは衝動買いする人が多い」(オペレーション本部 副本部長 矢島弘樹氏 [流通ニュース 2024年8月1日])。

ピザハットは「進化系カレーパン」

さらに、大手ピザチェーン「ピザハット」(横浜市西区みなとみらい)が「焼きカレーパン」ブームに参戦。同社はカレーパン業界で近年人気のキーワードである「モチモチ食感」「スパイス」「チーズ」という点に着目し、より手軽にテイクアウトも可能な「進化系カレーパン」(カルツォーネ)を開発したのです。

開発にあたっては、京都大学を拠点にスパイスにかかわることなら「何でも」活動範囲とする料理サークル「京大カレー部」と強力タッグを組みました。

2024年6月26日から7月21日まで、「京大カレー部共同開発!本格スパイスカレーあいがけピザ」「ブラックペッパーチキンカレーピザ」などの4商品を数量限定で販売。

このように、カレーパン好きには「もってこい」の「熱いカレーパン競争」が、現在繰り広げられています。

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