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仲代表の「グローバルの窓」

仲代表の「グローバルの窓」

第72回 “Now that we have time for a day, why don’t you go to an outlet?”

2024.07.24

マリーナベイサンズホテルで実証試験

 シンガポール会社でのエネルギー事業部門は、私を入れてわずか4名でした。以前は10名近くいたのですが、トップを含めほとんどのスタッフが辞めてしまったのです。エネルギー事業そのものが思ったほど伸びず、もう一度、リソースを集中して立て直す必要があったのです。

 とはいえ、SDG’sの動きもあり、再生可能エネルギー関連の引き合いやニーズは健在でした。中でもあるエネルギー推進機関のキーパーソンから蓄電池の実証試験の引き合いがあり、このプロジェクトは検討に値すると思いました。実際の運用はシンガポール電力が担います。アメリカの蓄電池メーカーを買収した当社にとって、アジアで蓄電池ビジネスの種まきができること、シンガポールの電力業界に入り込む足掛かりが築けること、実証試験場所がマリーナベイサンズホテル(地下4階)とシンガポールの心臓部に当たることから、知名度向上、リファレンスモデルとして投資に値すると感じました。

 日本の事業部にもプロジェクトの意義を説明し、資金面でのやり繰りができるよう計画を作り、承認を得ました。蓄電池システムは当社が買収したアメリカの子会社が提供し、実証はシンガポール電力の子会社と当社で行うこととしました。実証試験(3年間)がうまくいけば、シンガポール電力の子会社は蓄電池システムを買い上げると共に拡張用蓄電池の追加発注も行います。エネルギー事業を進めるためには投資は必要と思っていましたが、事業部の支援をうまく確保しながら私のところでやり繰りできる目途がつきましたので、基本契約調印に漕ぎつけました。

ボストン出張

 シンガポールのエネルギー業界を牽引するシンガポール電力とタグを組み、マリーナベイサンズホテルで実証試験を行うという投資の意味は大きいと判断した私は、当社アメリカの子会社を引き寄せて本プロジェクトの推進を図りました。シンガポール電力の子会社の社長からは、すぐにアメリカの会社を訪問して、蓄電池の品質管理や技術を視察したいとの要望が出され、さっそく年内の12月にボストンに行くことになりました。キーパーソン、社長入れて4人のシンガポール人出張者を私がアメリカの子会社に連れて行きます。幸先よいスタートを切りました。

 ボストンでは、ミーティングをこなし、組み立て最終工程を見学しました。視察は順調で、ある晩、蓄電池のアメリカの子会社が一席を設けてくれ、10人でディナーのテーブルを囲みました。ボストンですから、経済だけでなく、文化、歴史のことにも話が展開すると思いきや、話はもっぱら経済やビジネスのことばかりで、期待を裏切られました。

シンガポール人は経済一辺倒?

 出張は予定より一日早く終わりましたので、最終日をどうするかという話になりました。私はボストンですから、古い街並みや美術館に行きたいと思ったのですが、シンガポールのみなさんはもう決めていたらしく、郊外のアウトレットに行こうというのです。ブランド品が安く買えるアウトレットです。えっ、買物?と思いましたが、親睦を深めるのが目的でしたから、彼らの意向に従いました。シンガポールはたしかに物価が高いので、こういう出張の機会にリーズナブルな価格でブランド品を買いあさるようです。買物に費やすお金は半端なく、一人30~50万円くらい使っていたのではないでしょうか。私もカルバン?クラインやブルック?ブラザーズといったブランド品を買いましたが、せいぜい5万円程度でした。

 この出張でシンガポール人の特徴を垣間見たように思いました。もちろん、人にもよるとは思うのですが、経済に興味が集中。また、買物が大好きで、シンガポールで価格が高い分、爆買いする傾向にあるということです。経済一辺倒で走ってきた人工国家ですから仕方がないのかもしれませんが、ちょっと物足りないものを感じました。国がそうなら人も同じような傾向になってしまうのでしょうか。

 国が独立して50年近く経ち(当時)、20年前(1995年頃)に思ったことが蘇りました。「シンガポールには文化が育つのだろうか」という疑問です。ひたすら国の存続、繁栄のために走ってきたシンガポールですが、そろそろ文化やスポーツなど経済以外のところから何かが生まれてきて欲しいなと思っています。

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