新皇冠体育

图片

仲代表の「グローバルの窓」

仲代表の「グローバルの窓」

第58回 Businesses need both internal and external sense on the ground to make it work. (事業は内部、外部両方の現場感覚がないとうまくいきません)

2023.12.25

4本の事業体

 海外の携帯端末事業は、私が遂行している欧州?アジア、北米市場の2.5Gビジネス(iモードと一般)の他に、中国の2.5Gビジネスとハチソン3G(オペレーター)向けの3Gビジネスがありました。3Gサービスについては、日本が先行していて、海外はハチソン3Gだけが他社に先駆けてサービスを開始するという状況でした。したがい、携帯端末事業全体としては、大きく分けると、日本国内ビジネス、ハチソン3Gビジネス、中国2.5Gビジネス、それから欧州?アジア?北米向け2.5Gビジネスの4事業体となります。

 戦略的には、日本、ハチソン3G、中国が最重要で、私の担当する中国以外の2.5Gは適宜うまくやってくれ、という感じでした。iモードなんだからNTTドコモのコバンザメでやれるだろうくらいにトップは思っていたのかもしれません。なぜそう思うかというと、販売、プロモーションへの投資額が2桁以上も違っていたからです。国内は絶対に落とせないし、ハチソン3Gは事業本部長自らが香港に張り付き、3Gの開発に陣頭指揮を執っていました。私の上司もハチソン3G専任になりました。中国はモトローラから大物を引き抜いて莫大な費用をかけてプロモーションを展開していました。さらに中国系エージェントにハチソン3G、中国市場のコンサルもお願いしていました。ハチソン3Gは中国系財閥資本の会社だったからです。

 投資は日本、ハチソン3G、中国の3市場へ

 ハチソン3Gや中国に投資する金額の10分の1でも20分の1でも我々の2.5Gビジネスに割いてくれたらとどれだけ思ったかしれません。しかし、戦略的にみれば重要な事業に集中投資する考え方は間違っていなかったとも思います。ただ、結果として国内を除くどの事業体もうまくいきませんでした。正直、我々の方の2.5Gビジネスに10億円でもプロモーションを投下していれば、少しは違った展開があったかもしれません。特にiモードのようなオペレーターと連携が必須の事業は、 ブランド投資が必須でした。欧州のオペレーターからNECの端末を売るのは我々でなく、NECの仕事。そのためにはブランド投資をしないと誰もNECを相手にしないし、iモードも認知されない。海外市場は日本とは違うんだ!とどれだけ言われたことでしょうか。

 コンサルや大物人材をマネジできる力は?

 ハチソン3Gは、事業本部長の張り付きも空しく、1年近くローンチが遅れたでしょうか。「First to Market」の戦略が崩れ去りました。中国もチャネルビジネスでしたので、商品の品揃えが重要でしたが、最初は開発がそこまで追い付きませんでした。商品力も決して優れているわけではなかったので、継続的なプロモーション投資も必要でした。いくらモトローラの大物を引き抜いても商品開発は別物です。

 こうしたコンサルに頼ったり、大物を引き抜いたりという手法は、野球でいえばスカウトのプロや大リーガーにお金を投資することに似ています。問題は中国系のビジネス(ハチソンSGは中国系財閥)がよくわからないものだから、コンサルや大物の言いなりになってしまったことでした。ビジネス的におかしいと感じた私の上司やイタリアから帰国した私の元上司など海外事業経験者が苦言を呈しても幹部はお客やコンサルの言うことを信じました。結局私の上司、元上司の2人は外されてしまいました。コンサルや大物人材を雇った以上、彼らをマネジする力がこちらにないとうまくいかない典型例となっていきました。

 事業は内部、外部両方の現場感覚が大事

 コンサルというのは私はあまり使う気になりません。彼らはリスクを取らないし、現場に降りてこないからです。高いところから見下ろし、せいぜいお客のトップと話すくらいです。「コンサルとはそういうものだ」と使う側が理解した上で活用すればいいのですが、口がうまいものですから、幹部はすべて従ってしまうのです。

 元モトローラの大物の場合も、内部に力があれば(例えば開発力、商品力等)うまく機能したかもしれませんが、内部の力が欠けていると大物の要求に応えきれず、大物の描く戦略と齟齬が生じてしまいます。私がドイツやイタリアで一緒に仕事をした同僚は、大物ではなかったので、内部環境と外部環境のバランスをうまく取り、二人三脚でビジネスを遂行することができました。身の丈に合ったやり方だったと思います。

 携帯端末事業は、結局、私の担当した2.5G(含むiモード)はなかなかうまくいきませんでしたが、ハチソン3Gや中国のビジネスも同じでした。ただ、開発や販売に投下した金額が後者の2事業は半端のないレベルでしたので、事業の屋台骨を揺るがすことになりました。戦略は明快でも己の力(内部環境やマネジメント力)を見極め、外部環境とバランスを取ることができなかったのが敗因の一つだったように思います。また、コンサルのような第三者に頼り過ぎたのももう一つの敗因だったように感じます。ビジネスは、畢竟、内部、外部両方の現場感覚を持って舵取りしないと駄目だと私は思っています。


神田外語キャリアカレッジ > ブログ > 仲代表の「グローバルの窓」 > 第58回 Businesses need both internal and external sense on the ground to make it work. (事業は内部、外部両方の現場感覚がないとうまくいきません)
KGCCのプログラム新皇冠体育