大嫌いだった英語を好きにさせてくれた恩師

高校の英語の先生との出会いが、自分を変えてくれました。
僕は昔、病弱で入退院を繰り返していました。中学1年の途中から学校に行き始めましたが、アルファベットも分からない状態のまま、授業がどんどん進んでいきました。正直、英語が一番嫌いで、「早く英語の勉強から逃げたい」と思っていました。英会話教室に行き始めると、「中2でアルファベットからやる子は初めてだよ」なんて言われて。でも、文法をやり、CDで英語を聞き、手順を踏めばできるようになるとわかり、勉強するようになりました。
高校に入って出会った英語の先生は、とても情熱的な人でした。授業もとても分かりやすく、「自分もこんな風になりたい」と思って勉強しているうちに、いつの間にか英語が得意科目になっていました。その先生と出会って、教育の役割や教員が生徒に与える力ってすごいな、と価値観が大きく変わり、教員になりたいと思うようになりました。

一人よがりで失敗した過去

実は、3大会連続で出場しているのですが、過去2回にはそれぞれ反省点があります。初出場のときは「とりあえず出てみよう」という感じで、準備以前にまず気持ちが入っていませんでした。2回目は、前年の失敗があったので「結果を出したい」と、専門家の先生に話を聞いたり、本を読んだり、準備に力を入れましたが、プレゼンのためだけに作ったプレゼンになっていました。じゃあそれは社会の中でどうなっているのか、日常生活の中ではどうなのか、というところまで落としこめていなかったです。さらに、過去2回に共通する敗因というのが、添削してもらわなかったことですね。自分だけで完結し、一人よがりでした。

圧倒的な準備で揺るがぬ自信

「これが最後のチャンスだ」との思いで挑んだ3回目の大会では、過去2大会と大きく違ったことがあります。過去2大会では、テーマに向けて自分の考えを構築していったのですが、3回目の大会で選んだテーマ「日本の防災?減災ノウハウを世界にアピール!」は、まさに自分が考えていたこと、伝えたいと思っていたテーマそのものでした。「まさに自分のためにあるじゃないか」と思いました。忙しい合間をぬって原稿やスライドを作るのは大変ではあったが、苦労はなかったです。自分が感動した経験を多くの人に聞いてもらえる、というワクワク感の方が勝っていました。
もう一つの違いは、圧倒的な準備をしたことです。プレゼンを見てもらった人数は、100を超えると思います。英語ができる友人、ネイティブの先生、外部の専門家など、とにかくいろんな人に話を聞きに行き、プレゼンを見せ、アドバイスをもらいました。一人ひとり視点が違うので、全てのアドバイスが有効で、全てまとめるとA4の紙50枚くらいになりました。その時点で、僕は「負けるわけがない」という自信を得ました。こんなにいろんな人に見てもらって、これだけいろんな思いが入っていて、これだけ準備をしたのに、他に誰が勝てるんだ、と。
Q&Aセッションでは、しっかりと質問の想定をしていたにも関わらず、当日の質問は今までに聞いたことのないもので、正直焦りました。ただ、準備を怠らず、プレゼンしたテーマにおけるあらゆる知識や歴史、問題点を頭に入れていたので、すごく考えながらですが、答えることができました。

大きく広がった自分の世界

大会を通じて、勉強するということの価値観が広がったと思っています。これまでは、受験勉強や英語の資格勉強など、個人の中で完結するものがメインでしたが、このプレゼン大会では、今まで自分がやってきたことを多くの人に見ていただき、認めていただいたことで、結果として残すことができ、自分の中の勉強に対する考え方というのが広がったように感じています。
さらに、これまで出会うことのなかった人と出会い、知らなかった世界を知ることができました。目指していた教員以外の道もあることを知り、選択肢の幅が広がりました。とはいえ、将来はどんな形であれ教育には関わっていきたいと思っています。