子供たちに体験したことを家庭に持ち帰ってほしい~早期教育の大切さ~
(湊) 神田外語学院のグローバルコミュニケーション科では、2年次に卒業制作のプレゼンがあるので、練習のために全国学生英語プレゼンテーションコンテストにエントリーしようと思いました。大河内さんとは普段から仲が良く、担任の先生から参加募集案内があった際に、二人で出場を決めました。私は職業に関する本を読んで違和感を覚えた経験があり、ジェンダー理解には早期教育が必要なのではないかと考える様になりました。その本は中学生や高校生に分かりやすい様、ビジュアル付きで職業紹介がされていたのですが、各職業における性別は固定概念に染まったものでした。この偏りは、早期教育にて改善できるのではないかと考えたことがアイディアを思いついたきっかけです。
(大河内)私たちのプレゼンは、子供たちのジェンダー理解をゴールとするものなのですが、クラス内のワークショップで終わるのではなく、子供たちが家でジェンダーについて話をするそれぞれの家庭に持ち帰って話し合ってもらいたいという思いもありました。ある研究によると、固定概念を持たずに過ごせる年齢は7歳までだそうです。私はそこに注目し、小学生のキャリア教育がジェンダーの固定概念から解放されたものになって欲しいと考えたのです。
最新のVR技術を応用してのジェンダー理解
(湊)私たちにとって一番想像しやすかったテーマが「ジェンダー」でした。大河内さんとは、偶然取り組もうと思っていたテーマが一緒でしたので、二人で業務分担し、内容を作り上げていきました。アイディア出しを大河内さん、その根拠づけを私が行いました。私たちは7歳の小学1年生に焦点を当てました。7歳であれば、柔軟にこのワークショップを楽しんでくれるのではと考えました。VR技術を用いたゲームを学校の授業で体験して貰い、職業の選択には性別は関係ないということが当たり前になってくれればいいと思いました。先輩の卒業制作を見て、VR技術を活用したプレゼンを見た時から面白いと感じていて、それを今回はジェンダーに応用出来ればと考えました。
(大河内)テーマを5月に決めて、準備は3~4か月かけました。私も取り組むならジェンダーだと思っていました。私たち2人は女性ですので、女性目線の内容になりすぎてしまう傾向もあるなとは感じていました。色々アイディアを出していき、追及していく中で、矛盾が沢山でてしまいそうでしたので、周囲の男子学生や先生、家族など幅広く意見を求める様にしてきました。私たちの考えたジェンダー理解のための提案は、小学生向けの職業体験で、VRゴーグルをして体験してもらうというものです。誤解は生まれるかもしれませんが、医師といえば男性、看護師といえば女性、パイロットといえば男性など固定概念がまだ多くの人にはあると思います。私たちのプレゼンでは、そういった固定概念で生まれてくる職業における性別が全て逆になっています。小学生たちには、リアルなゲーム感覚でVR職業体験を経験してもらい、自然とジェンダーに関する固定概念を持たない様にしてもらえればと思っていました。
声のトーン、リズム感、立ち位置、誰にでも分かる自然なプレゼンテーションを目指した
(湊)一旦、二人で全て作成した後に先生に指導を求めました。全体のビジュアルや見せ方について細かい指摘をいただけたのが助かりました。「言葉を形にするものがパワーポイント」という意識を二人で持っていましたので、私たちのスライドにはほとんど文字情報がありません。プレゼン中は私たちの声をしっかり聞いてもらい、スライドを見ることによって、さらに伝えたいことが聞き手にとって分かりやすい状態を作り上げました。
(大河内)私たちのプレゼンで一番うまくいったのは、デリバリーだと思います。淡々としたプレゼンでは、聞き手に内容が伝わらないと思っていました。声のトーン、全体のリズム感、発音の細かい修正など、誰も違和感を覚えない自然なプレゼンになるようにしました。練習の段階では、外国人の先生方に細かくチェックしてもらいました。個人的に台本を覚えた後は、二人で学校が閉まる時間までほぼ毎日練習していました。プレゼンは長すぎると飽きてしまうので、時間配分にも最大限の注意を払い、最終的には7~8分間の内容に収めました。
コンテストを終えて、これから目指す方向
(湊)コンテストを終えてから、自分たちへ何か変化があったかというよりは、クラスメイトや周囲の学生に相乗効果を生むことが出来たのかなと思います。私たちがインプレッシブ賞を獲得したことで、周りの学生たちも「自分たちもやればできる」という様な自信が生まれている様です。私は高校で理系科目を専攻していて、神田外語学院とは真逆でした。数学や物理が得意でしたが、大学4年間物理を研究したいかを自分に問いかけた時、違うと思ったことがきっかけです。英語も話せるようになりたいと思っていたところ、集中的に2年間で英語を身に着け、大学にまた進めたらと思う様になりました。使える英語にフォーカスして、2年間で成長し、元理系ということも生かして、大学では経済学部に進みたいと思っています。
(大河内)私は元々語学が凄く好きでした。フィリピン出身で、家ではタガログ語を活用したりもしています。2年間で英語をしっかり学べるところはどこかを考えたところ、神田外語学院のグローバルコミュニケーション科を見つけました。私のイメージ通りの学科であったため、受けることを決めました。将来は海外就職を希望しています。漠然としたイメージですが、本気で考えています。まずは英語で自分の考えをしっかりと相手に伝える力を磨かなければならないと思っています。