「まずは参加してみよう」と飛び込んだコンテスト

浅井)私が英語を本格的に勉強したのは、大学に入学してからの1年間のカナダ留学です。英語を学ぶためというよりは、他国で生活をしてみたいという憧れの気持ちで留学しました。そのため留学当初は英語が全く話せず、ブラジル人に英語で話しかけているつもりなのに、英語で話してくれないかと笑われました。そういった状況でも、現地でアルバイトをしながら大学で勉強をする中で、半年くらいで英語を話せるようになりました。その英語力を生かしたいと思い、英語のコンテストを探していたところプレコンを知りました。参加するか迷っていたのですが、急にふと参加しようと思い、二人を誘いました。

東山)私は留学や特別な英語教育を受けたわけではなく、英語を勉強したのは学校の授業と受験勉強だけなので、今でも英語を話せるとは思っていません。私たちは京都の飲食店でアルバイトをしているのですが、外国のお客様が多く、私が英語を話す機会というのはその時くらいです。リスニング、リーディングは今までの英語の勉強である程度できる自信はあったのですが、正直、コンテストのような人前で英語を話す自信はなかったです。浅井さんに誘われたときにコンテストの内容も良くわからないまま参加を決めたので、思っていた以上に大きなコンテストで驚きました。

遠藤)私も留学をしたことはなかったのですが、両親が外資系企業に勤めていたこともあって将来英語を話せるようにと、アニメを英語で見たり英会話教室に通ったりしていました。また、両親が自宅で英会話の練習をしていたので、中学生くらいで軽く日常会話を話せ、リスニングができるくらいの英語力は付いていたかと思います。ただ、大学に入学してから特に英語の勉強をしたことはないです。私も浅井さんに誘われて、東山さんと3人で取り組めたら楽しいかなと思い、即参加を決めました。東山さんと一緒でコンテストの内容を知ったのはその後です。

クリエイティブなアイデアで勝負した「無人駅×お遍路」

浅井)教育、環境といったテーマは特化した専門性のある研究をしていないと勝ち目がないと思い、逆に無人駅のテーマはクリエイティブなアイデア勝負ができると思ったのでテーマに選びました。アイデアを考えた時、一つの駅に絞った提案だとその駅である必要性を説明しなければならず、そこに非常に苦労したため複数駅を使ったアイデアもありなのではないかと思いました。そして土地柄を出せるものをと考えたときにお遍路というアイデアがでました。東山さんはちょうど四国出身なので、3人で話し合いをしてお遍路の提案をすることに決めました。

東山)私たちのキーアイデアの中に「無人駅を宿泊施設にする」という提案があります。無人駅の近くにある資源をどういう形で活用するかを考えたときに、四国の特徴として空き家率が非常に高いというデータを見つけました。このデータによると、空き家率都道府県トップ3の中に、四国の4県が入っています。当初、その空き家を民泊施設として利用する案を考えたのですが、その場合、無人駅から離れてしまうので、それであれば駅自体を宿泊施設にしてしまおうという案を思いつきました。

遠藤)さらにお遍路について調べていたら、問題として野宿する人が多いことがわかりました。スペインでは巡礼地に宿があるため海外の方が多く訪れるということがあるので、無人駅を宿泊施設化することで野宿の人を減らし、さらに海外の人も呼び込めるのではないかと思い、ぴったりだと思いました。また、自分たちでアイデアを構想するのももちろんありましたが、プレゼンを作る上で非常に大きな要素となったのは、お遍路巡りを経験された方からお話を伺えたことです。足湯の設置は、その方からあったら良いものとして挙げていただいたアイデアです。

徹底した準備と受け手を意識したプレゼン

浅井)プレゼンを作る中で本当に多くの方々にサポートいただきました。原稿の添削や発音、プレゼン構成についてアドバイスをいただいたり、発表の練習を見ていただいたりと、周りの方々のサポートがなければインプレッシブ賞は受賞することができなかったと思います。チームとして意識したところは、とにかくポジティブな印象を持ってもらえるプレゼンにしたこと。スライドや声のトーン、顔の表情など、明るさを表現するようにしました。

東山)英語力では正直なところ、他のチームの方々と勝負できないと思っていたので、内容で勝てるように細部まで注意してスライドを仕上げました。発表練習もまずは2次予選がオンラインだったので、ハウリングや3人の声量に差がでないようにオンライン用に練習しました。2次予選後もスライドの微修正やリアルで発表する際の3人の動きなど、1週間で詰めました。本当に準備は最大限できたと思います。

遠藤)一番評価されたのは発表内容やスライド構成といったコンテンツの部分だと思います。ターゲットを最初に提示することで受け手も意識してプレゼンを聞くことができ、3つのアイデアを伝える順番をインパクトのあるものから伝えることで飽きずに聞くことができます。また、メリットとデメリット解消方法を明確に表現できたことで、聴衆が納得できるプレゼン構成にできたと思います。

コンテストを通じて学んだこと

浅井)インプレッシブ賞を受賞できたことで自分に自信を持つことができ、何に対しても積極的に取り組めるようになりました。また、挑戦してみないとわからないこともある、挑戦することの大切さを学ぶことができたと思います。もちろんプレゼンを作る上でも学ぶことも多くありましたし、プレコンで得られるものは大きかったと思います。自分が大人になってもずっと記憶に残るであろう経験になったので、是非、皆さんも参加してみてください。

東山)大学4年生として最後の最後に本気で取り組むことができたイベントなので、本当に良い思い出になりました。スピーキングに自信がない状態で参加しましたが、入賞できたことで自信に繋がりました。しかし、他の参加者の方々の英語力を目の当たりにして、これからもっと英語力を伸ばさないといけないなと痛感しました。自信がないことでも、真剣に取り組んでしっかり準備できれば、結果に関わらず良い思い出になると思うので、迷ったら是非参加してみてください。

遠藤)今まで自分で一からプレゼン作り上げることも、大勢の前で発表することもほとんどありませんでした。本選に出場するまでに多くの方々にプレゼンに対してのアドバイスをいただくことで、構成の組み方や印象が大きく変わることを学ぶことができたので、そういった経験は今後に生きていくと思います。英語プレゼンテーションコンテストとありますが、思考力や伝達能力など英語以外のところでも身に着くことはあるので、英語に自信がない人でも、是非挑戦してみてください。