今に繋がる英語力と訪日プログラム
英語力は幼い頃から母に本を読み聞かせてもらったり、学校で英語の本を読んだり、英文を書いたりしていたので、自然と高めていくことができていたと思います。小学校3年生の時には地元の英語スピーチコンテストに出場することもありました。
高校3年生の時に、日本の外務省のJENESYSプログラムといった対日理解の促進を目的としたプログラムに参加しました。日本に2週間ほど滞在するもので、40か国が誘致され、私は80人ほどのインド人のチームリーダーとして来日しました。初めての海外渡航で非常に刺激を受けたのを覚えています。当時、日本語は全くできませんでしたが、英語は理解することができました。日本の大学で勉強したいという思いが芽生え、インドに戻って日本大使館のパーティに招待された際、東京大学の先生がいらっしゃいました。その先生に英語で化学を学ぶなら東北大学が良いと教えていただき、自分でも大学について調べてみると化学研究において長い歴史があり、ノーベル賞受賞者も輩出していることもわかり、東北大学への進学を決めました。大学での授業は全て英語で受講しています。
プレゼンの質を上げるフィールドワークを通したリアルな情報
私は日本に来てからの4年間で「Go!Go! Tohoku!!」プロジェクトというものに参加しました。これは仙台放送と宮城県庁が連携して東北の観光を海外でプロモーションするというもので、このプロジェクトを通して初めて福島に行き、福島の魅力を感じました。この頃から福島のことを知らない外国人に、もっと福島の魅力を知ってもらいたいという気持ちがあったと思います。
プレコンに参加することで初めてワーキングホリデーという制度を知りましたが、プレゼンで福島の魅力を伝えるチャンスだと思いました。プレゼンを作る上では、実際に福島に行くことでリアルな情報も得ることが重要だと考えました。地元の方々に現地の問題やワーキングホリデーの意義について確認し、福島県庁に行って観光に対する意見交換もしました。また、Facebook上に日本で働いている外国人のコミュニティがあったので、自分のアイデアについて80名ほどにアンケートを行いました。このフィールドワークがプレゼン全体のクオリティに繋がったと思います。
最優秀賞受賞の秘訣 ~デリバリースキルと自信~
最優秀を受賞することができたのは、デリバリースキルが評価されたのだと思っています。友達と話す時と300人の前で話す態度は変えません。オーディエンスとコミュニケーションを取るようにプレゼンすることを意識しました。そして、自分が伝えたいことをわかりやすく伝えることが大切だと思います。わかりやすくという点では資料作りに苦労しました。これは過去の最優秀賞を受賞された方を参考にさせていただきました。
また、コンテンツを作る上で意識したことは実現可能性です。実現できるかわからない部分はプレゼンの中には入れませんでした。プレゼンの中で出てきた価格情報も実際に現地の人と話をして確認しました。例えば、不動産屋に行って家賃の価格を確認したり、労働志願者の受け入れ見込みのある企業に給与の確認をしたりしました。やはりフィールドワークは重要ですし、これがあったからこそ、自信を持ってオーディエンスに伝えることができました。
思いもよらない福島の方々からの反響
プレゼン内容が読売新聞に掲載された後、福島の方々からたくさんのメッセージをいただきました。そのなかに福島県の双葉町で観光会社を立ち上げた方から連絡があり、一緒にワーキングホリデープロジェクトをやらないかと誘われました。現在、インターンシップとして、このプロジェクトを進めています。このプレコンがきっかけとなって福島への支援ができていることがとても嬉しいです。
実際にプレコンに参加してみると私以外の学生の様々なアイデアや、日本の皆さんが社会問題について、どのように考えているのかを聞くことができました。外国人である自分自身の考えと比較して、たくさんの見方があることが学ぶことができたことは、とても勉強になりました。是非、皆さんも自信を持って、プレコンにチャレンジしていただきたいと思います。